こんにちは。
受験Dr.の白石 聡です。
本日は前回に引き続き、単語に関するお話を致します。
中学受験の科目に、英語を利用しようと考えている人に向けて書かせていただきます。
前回は単語の暗記に苦戦している方に向けて、覚え方をいくつかご紹介しました。
その中で扱った接頭辞に関連して、接尾辞についてもご紹介したいと思います。
接尾辞は言葉通り、単語の末尾につく決まった形のことを言い、単語に意味やニュアンスを与える役割、そして品詞を変える役割があります。
つまり、接尾辞を知ることで単語の訳が覚えやすくなるだけでなく、穴埋め問題や並び替え問題において品詞で選択肢を取捨選択することが可能となります。
知っておいてほしい接尾辞をいくつか紹介します。
品詞を示すものです。
➀動詞の接尾辞
・~ate
appreciate(感謝する), graduate(卒業する), cooperate(協力する)
・~fy
identify(同一視する), justify(正当化する), qualify(資格を与える)
・~ize/~ise
recognize(識別する), advertise(宣伝する), specialize(専門に研究する)
・~en
weaken(弱くする), lessen(少なくする), frighten(怖がらせる)
②名詞の接尾辞
・~er(人、物)
player(選手), beginner(初心者), carpenter(大工)
・~ism(主義、思想)
individualism(個人主義), mechanism(仕組み), tourism(観光)
・~ity(状態)
capability(能力), diversity(多様性), celebrity(有名人)
・~ness(状態)
kindness(優しさ), happiness(幸福、幸せ), shyness(内気)
・~ship(状態)
relationship(関係性), friendship(友情), leadership(リーダーシップ)
・~tion/~sion(状態、行動)
action(行動), competition(競争), impression(印象)
・~ence/~ance(行動、結果)
audience(聴衆), difference(違い), intelligence(知能)
・~al(行動、結果)
festival(お祭り), cereal(穀物), canal(運河)
・~age(行為、状態、場所、集合)
storage(貯蔵), shortage(不足), garage(車庫)
・~ment(状態)
agreement(同意), employment(雇用),disappointment(失望)
➂形容詞の接尾辞
・~able(可能)
stable(安定した), available(利用できる),comfortable(快適な)
・~ful(~でいっぱい)
respectful(礼儀正しい), peaceful(平和な), painful(痛い)
・~ous(~の多い)
dangerous(危険な),suspicious(疑わしい),conscious(意識的な)
・~ive(性質、傾向)
expensive(高価な), passive(受動的な), depressive(憂鬱な)
・~less(~のない)
harmless(無害の), reckless(無謀な), useless(役に立たない)
・~al(性質の)
casual(何気ない), criminal(犯罪の), dental(歯の)
・~ent(性質の)
confident(確信して), ancient(古代の), competent(有能な)
ここで注意が必要なのが、上記の~alのような、形容詞化する働き・名詞化する働きの両方を持つ接尾辞です。
例えば、
名詞のaccident(偶然)に、al(形容詞化)を付けると、accidental(偶然の)となり形容詞になります。
一方で、
動詞のpropose(提案する)に、al(名詞化)を付けると、proposal(提案)となり名詞になります。
名詞につくか、動詞につくのかで働きが変わるという事です。
さらに、
・~ialという形は、i + alで、「~の」を表す形容詞を作ります。
・~icalという形は、ic + alで、「~的な」を表す形容詞を作ります。
・~logicalという形は、logy + icalで、「学問」に関する形容詞を作ります。
・~tional/sionalという形は、tion/sion + alで、tion/sionで終わる名詞を形容詞にします。
では実際に、問題を例に、接尾辞を意識した解き方を見てみましょう。
・( ) consists in all human.
➀kind ②kindly ➂kindness ④kindless
この問題は、「優しさはすべての人の中にある。」という意味の文章になります。
選択肢は全てkind「優しい」(形容詞)の品詞が変化したものです。
接尾辞から、②は副詞、➂は名詞、④は「優しくない・不親切な」という意味の形容詞と分かります。
今回は文頭に主語が無く、( )の後ろが動詞となっていることから、名詞が必要なことが分かります。
そのため、答えは➂kindnessとなります。
この問題は単語が簡単なことから、自然と覚えていたという人も多いでしょう。
そんな方は次の問題を見てください。
・His action is temporarily ( ).
➀impulse ②impulsively ➂impulsive ④impulsiveness
この問題は、「彼の行動は一時的に衝動的だった」という意味の文章になります。
選択肢は全てimpulse「衝動」(名詞)の品詞が変化したものです。
接尾辞から、②は副詞、➂は形容詞、④は名詞と分かります。
今回は、His actionが主語であり、動詞にはisのbe動詞があります。
選択肢に”-ing”・”-ed”の分詞が無いことから、( )には補語に当たる形容詞もしくは名詞が入ることが分かります。
また、( )の前にあるtemporarilyは接尾辞から副詞であることが分かるため、( )には副詞が修飾できる形容詞が入ることが分かります。
そのため答えは➂impulsiveとなります。
いかがでしたでしょうか。
接尾辞を覚えておくことで、品詞を見分けられるだけでなく、日本語に訳す際の助詞を自然と身につけることが可能です。英文和訳の際に、訳せたけれどおかしな文章になってしまう方にも接尾辞はおススメです。
知っているだけで、1つも2つもお得な接尾辞を一つでも覚えて、単語の暗記がスムーズにできることを願っています。
今回はここまで。それでは。