皆さん、こんにちは。
受験Dr.英語科・社会科講師の白石 聡と申します。
10月に入り、志望校の過去問演習に励んでいる時期かと思います。
志望校対策をしていく中で、中学受験の社会では、
世界遺産を絡めた問題がよく出題されていることに気づかれましたでしょうか。
そこで、今年新たに世界遺産となった、佐渡島の金山についてお話致します。
佐渡島にまつわる歴史を押さえ、入試の対策に役立てていただければ幸いです。
“佐渡島の金山”は、2024年7月27日インドの首都ニューデリーで行われた、
「ユネスコ第46回 世界遺産委員会」にて世界文化遺産に登録されました。
これにより、日本で26個目の世界遺産(自然遺産5個・文化遺産21個)が誕生したことになります。
※世界遺産委員会は、世界遺産条約に則り、政府間委員会で話し合いを行う組織です。21か国の委員国で構成されています。
今回佐渡島の金山が世界文化遺産登録に至った、最大のポイントは、
世界各国が近代化により機械での採掘を進めていた時期に、手作業での採鉱を行い、高い技術力や生産体制が長年にわたって確立されてきたという点です。
1601年に開山してから、1989年までおよそ400年間に渡り、佐渡島全体で約78トンの金が採掘されました。江戸時代初期から、幕府が直接支配する領地である幕領(天領)であり、江戸幕府の財政を支えていました。佐渡島で作られた小判は他の小判に比べ価値が高く、裏面に「佐」の字が刻まれていました。
しかし、今回の世界遺産登録までには多くの議論が交わされていました。
市民団体が世界遺産登録に向け運動を始めた1997年から、実に27年が経過し世界遺産への登録となりました。
その中でも1番のポイントは、戦時中、朝鮮半島出身労働者が過酷な労働環境下で働かされていたという事実です。今回の登録に至る過程で、日本政府の代表は韓国との話し合いを行い、強制労働という言葉を使用しない代わりに、労働環境の過酷さを説明すること、展示物の設置をしました。そして、全ての労働者のための追悼行事を毎年、現地で行うという内容の発言をしています。
日本国内の遺産でありながら、海外とのかかわりを持つ遺産であるという点も押さえておきましょう。
また、日本にある世界遺産が、自然遺産なのか文化遺産なのかを判別する問題もよく見かけます。
5個しかない自然遺産をしっかり覚えて即座に判別できるようになりましょう。
日本の自然遺産
- 白神山地
- 屋久島
- 知床
- 小笠原諸島
- 奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島
いかがでしたでしょうか。
2024年の時事問題として、佐渡島の金山が設問のテーマになる可能性は十分にあります。
歴史的な背景や、登録に至る経緯などを押さえておきましょう。
また、日本の世界遺産を押さえられた受験生は、海外の世界遺産まで目を向けてみるのもおススメです。
それではまた次回お会いしましょう。