皆さん、こんにちは。
受験Dr.英語科・社会科講師の白石 聡と申します。
埼玉県・千葉県の中学入試が解禁し、東京都・神奈川県解禁日までも残り2週間を切り、より一層受験へのモチベーションが高まっている頃かと思います。
本日は、社会について、入試の際に気をつけたい選択肢問題の落とし穴・向き合い方についてお話致します。
少しでも点数を上げられるように、分かっているはずなのに取りこぼしてしまう事が無いように、これからお話する内容を意識してみてください。
まず初めに、選択肢問題の設問文について注意すべきポイントをお話します。
設問文には答えの選択肢を選ぶにあたる指示や条件が書かれていますね。
例えば次のようなものがあります。
・正しい内容の選択肢を選ぶ場合、適切でない選択肢を選ぶ場合
・回答する選択肢は1つだけ、もしくは複数の場合
・選択肢の中に該当するものが無い際は〇〇を書きなさいという場合
(選択肢がア~エの場合はオを答えるなど)
・表やグラフが複数ある際にどれを見て答えなければならないか
・漢字で答えなければならないのか、アルファベット表記で答えなければならないか
など、答えが分かっていても、答え方で不正解になるのはとてももったいないです。
条件が出てきたら必ず丸を付けたり、線を引いたりして目立たせるように言われたことがある人も少なくないのではないでしょうか。試験の際はいつも以上に注意を向けてくださいね。
それでは次に、選択肢自体に目を向けてみましょう。
今回は4つご紹介します。
1 グラフや表の計算が絡んだ読み取り問題
グラフや表について書かれた選択肢問題では必ずと言っていいほど、数値が絡んだ問題が出題されます。
そして、その選択肢の中には、AとBを比較した場合、どちらの方が割合が大きいか小さいかを問う問題がよく見受けられます。グラフ上では視覚的に判断できない、もしくは母数がそれぞれバラバラで数値だけを比べると間違えてしまうように作られた問題は模試でも頻出です。もちろん落ち着いて読み解けば問題はありませんが、あえて時間を使わせて焦らせるという狙いもあります。そういった選択肢は一度飛ばし、すぐに判断できるものから確認することが大切です。
2 地形図の中に指定された地図記号があるかどうかを聞いてくる問題
地形図の選択肢問題で頻出なのは、地図記号を探させる問題です。
警察署と交番、小中学校と高校、神社と寺院、市役所と町村役場など、地図記号が似ているものを判断させる問題に加え、指定された範囲内にあるかどうかを問う問題がよく見られます。
もちろん見つけられた場合は自信を持って解答できますが、最初から記載されていない場合、自分が見落としていないか不安になり時間をかけてしまう問題です。ここでも、すぐに判断できる選択肢から確認し、作問者の術中にはまらないことが大切です。
3 中学受験では習わないような知識を尋ねてくる問題
一定の学校では、中学受験では教わらないレベルの内容を選択肢に混ぜている事があります。
受験者の不安をあおり、自分が知らないだけで間違っているのではないかと思わせ、2択まで絞れても間違えてしまうというケースをよく耳にします。ここで重要なのは、自分がこれまでしっかり学んできた上で、知らない知識が出てきた時に、これだけは正しい/間違っているとはっきり自信を持って答えられるものから消していくという事です。
4 選択肢の中での組み合わせは全てただしい問題
この問題が一番ケアレスミスが多く、後で見返したらなんでこれを選んでしまったのだろうとなる形式の問題です。選択肢の中に用意されている組み合わせは全てあっており、設問文が求めている答えとして当てはまるものを選ぶというものです。
例を見てみましょう。
問1この都市は電子部品・デバイスに加え、漆器や繊維産業が盛んです。ものづくりが盛んであり、国内のシェア1位である産業との組み合わせとして正しいものを次の中から選びなさい。
【ア】多治見市 ・ 陶磁器
【イ】燕市 ・ 洋食器
【ウ】鯖江市 ・ 眼鏡枠
【エ】豊田市 ・ 自動車
こちらの問題の選択肢は、それぞれ全て正しい組み合わせとなっています。
豊田市が自動車で有名だからという事を知っていてもすぐに飛びつかないという事が大切です。
選択肢だけでは取捨選択ができない為、知識を使って設問文から答えを導く事が必要です。
ちなみに、正解は【ウ】の鯖江市 ・ 眼鏡枠です。
20世紀初めに、雪の影響で農作業がしづらい状況を打破するため、農家の安定した収入を確保するために副業として広まった眼鏡の製造が、地場産業として根付いたといわれています。眼鏡の製造は国内生産シェア9割を誇り、越前漆器も有名です。
また、選択肢問題を演習した際には、答えだけを当てればよいのではありません。
正しい内容の選択肢を選ぶ問題では、他の選択肢のどこが違うのかを自分で指摘することで知識の確認ができ、間違った内容の選択肢を選ぶ問題では、答えにならなかった選択肢は正しい事が書かれている為、自分が押さえられていなかった知識を身につけるチャンスになります。
正解していた問題であっても必ず見直しをして、解説を読み、普段使っているテキストを開いて見ましょう。
新たな発見や気付きが得られ、次回類題が出てきた際に対応できる力が身につきます。
さて、選択肢問題をなんとなく解いているのは、非常にもったいないという事に気づきましたでしょうか。
今回のお話を読んで、少しでも選択肢問題との向き合い方を意識してみていただけたらと思います。
今回の内容は以上で終わりです。
それではまた次回お会いしましょう。