皆さん、こんにちは!
さて、前回までは、主に「相似」の問題について、補助線の引き方や見通しの立て方について解説しました。
今回からは、いよいよ「面積比」です。
「相似」と「面積比」は密接な関係があり、セットで出題されることがほとんどです。
前回までの内容とあわせて、しっかり復習してください。
ところで、そもそも面積ってどう求めるんでしたっけ?
はい、もちろん「たて×よこ」ですね。
でもそれは図形によるんじゃない?と思われるかもしれません。
たしかに、公式としては図形によっていろいろな面積の求め方があります。
三角形なら「底辺×高さ÷2」とか、円なら「半径×半径×円周率」とか。
しかし、これらの面積を求める公式のすべては、結局は「たて×よこ」を求めているのです。
「たて×よこ」は、長方形の面積の求め方として、面積の授業の最初に教わることですよね。
これが基本であり、すべてなのです。
なぜこんなことを最初に確認しているかというと、「面積比」だって同じことだからです。
面積が「たて×よこ」で求められるなら、面積比も「たての比×よこの比」で求められる。
これが「面積比」の考え方の基本です。
「面積比」についても、公式的な覚え方が色々ありますが、煎じ詰めれば「たての比×よこの比」です。
こう理解していることはとても重要です。
ということで、今回はまず「面積」そのものについて、少し考えてみましょう。
「面積比」については、次回から詳しく解説しますので、その準備とお考えください。
目標は、円の面積が「半径×半径×円周率」で求められることを、どう説明するかです。
とても基本的なことの確認なので、自信のある方は今日はここまででも大丈夫です。
では、いってみましょう!
まず最初に、平行四辺形の面積の求め方からです。
これは説明できますよね?
以下の図のように、平行四辺形を切り貼りしてあげると、長方形に形を変えることができます。
長方形でいう「たて」は「高さ」ということで、「よこ」は「底辺」ということですね。
ここもけっこう重要で、先ほど面積はすべて「たて×よこ」だと書きましたね?
ということは、すべての面積は「底辺×高さ」だ、と言い換えても構いません。
言い方が変わっているだけで、結局は同じことをやっているんだな、と理解しましょう。
さて、そうすると、どんな図形でも、平行四辺形に変形できるなら、面積は求められるということになります。
それを利用したものが三角形の面積の求め方ですね。
三角形をコピーして、ふたつを貼り付けてあげると平行四辺形になります。
ですから、三角形の面積は「底辺×高さ÷2」なわけです。
ここまで理解出来たら、ここで一気にジャンプして円の面積の求め方にいってみましょう。
そもそも「半径×半径×円周率」って、いったい何を計算しているのでしょうか?
よくある解説は次のようなものですね。
円をできるだけたくさんのおうぎ形に切り分けます。
そして、それを互い違いに次々ならべていくと、どんな形になりますか?
平行四辺形っぽく見えませんか?
実際に、できるだけおうぎ形を細かくきっていくと、どんどん平行四辺形に近づいていきます。
さらに細かく切っていくと、平行四辺形どころか、長方形になってしまいます。
ということは、「たて×よこ」で面積を求められるということです!
ここで、「たて」というのは円の半径と同じと考えられます。
では、「よこ」はどうでしょう?
これは、円周の半分と考えられます。
円周は「直径×円周率」で求められるので、その半分は「直径×円周率÷2」です。
しかし、「直径÷2」は「半径」ということなので、つまり円周の半分の長さは「半径×円周率」です。
これが「よこ」の長さです。
「たて」が「半径」で、「よこ」が「半径×円周率」、そして面積は「たて×よこ」です。
ですから、円の面積は「半径」×「半径×円周率」で求められるということです!
こんなことがわかっていなくても、「半径×半径×円周率」と覚えてしまえば、面積はすぐに求められます。
それで問題はないです。
しかし、ここで言いたいのは、「半径×半径×円周率」だって、「たて×よこ」なんだということです。
そもそも「半径 × 半径×円周率」という形で、この式の切れ目を意識している人は多くないはずです。
大切なことは、円だけ特別扱いされているわけじゃないよ、ということを理解するということです。
公式を丸暗記しがちで応用が利かないという場合は、こういう当たり前のことから確認してみましょう。
ということで、今回は以上です。
次回から、本格的に「面積比」の話に入ります。
では、また次回お会いしましょう!