こんにちは!算数科の吉岡英治です。
計算問題、楽しく解いてますか?
上達のコツは、とにかく暗算し続けること。
学校まで歩きながら、17の段を浮かべてみる。
車のナンバーを見かけたら、素因数分解してみる。コンビニで何か買ったらおつりを暗算。
三度の飯より暗算。
これは例えでもなんでもなく、数字を頭のなかで操作していた時間が長いほど、計算力は上がります。
サッカー選手がボールと友達になるのと同じですね。
数字と友達になれば、様々な計算のトリックが使えるようになります。
天才数学者ラマヌジャンが、病に伏していたときの逸話が残っています。
見舞いに訪れた数学の教授が次のように言いました。
「乗ってきたタクシーのナンバーが1729だったが、何の特徴もない数だった。」
するとラマヌジャンは即座にこう言い返したそうです。
「そんなことはない!1729は、2通りの2つの立法数の和で表せる最小の数である。」
彼が指摘したのは1729が次の2通りで表せるということです。
このように、A×A×A+B×B×Bのような立法数の和であり、しかも2通りで表せる数の中で、1729は最も小さい数です。
タクシーのナンバープレートに何か面白い要素がないか探している教授もさることながら
1729と聞いただけで、2つの立法数の和がすぐにイメージできちゃうラマヌジャン、すごすぎます。
数学者仲間からは、「全ての自然数とプライベートな友人である」と評されていたのだとか。
そのラマヌジャン、出身は数学大国インド。
インドは優秀な数学者を数多く輩出しています。
今回はインド式計算法の番外編。
<今回は、「左右対称でビューティフル!2ケタ×2ケタのインド式ひっ算法」です。>
普段慣れている日本式とはまた違った趣があります。
いつもと違う刺激を、脳に与えてみましょう。
では、32×24をインド式でひっ算してみます。
横に線をひく、ここまでは日本式と一緒。少し右に長いのが気になりますね。
線の下を3つの場所に分割してください。
これで準備完了。
では参ります。
ステップ① 左の枠には、十の位同士をかけた値、右の枠には一の位同士をかけた値を書き込む
ステップ② 十の位と一の位を交差してかけて
足した数を真ん中の枠に書き込む
ステップ③ 枠の中の数字を繰り上げる
はい、出ました。答えは768。
日本式と違って左右対称に計算を行うところがビューティフル!
ひっ算が下に伸びずに一行で済むところが良いですね。
<なぜこのひっ算で、答えが求まるのか>
3つの枠は右から順に一の位、十の位、百の位を表します。
一の位同士のかけ算は一の位の数になりますので、右の枠に。
十の位同士のかけ算は百の位になるため、3桁目の左の枠に。
問題は中央の十の位の計算です。
斜めにかけた3×4と2×2。十の位と一の位をかけています。
十の位に0をつけてみると、3(0)×4と、2(0)×2を計算していたことがわかります。
その積である12と4は、10が何個あるかを求めています。
そのあと足し算したのは、「10が合計で16個ある」という意味なんですね。
当たり前に使っているひっ算も、国が変わればこんなに違う。
数に対する感性も、問題の解き方も人それぞれ。
でも正解は1通りなのが、算数の面白いところです。
インド式ひっ算法。
普通のひっ算に飽きた人は、ぜひ使ってみてください。
<まとめ 「左右対称でビューティフル!2ケタ×2ケタのインド式ひっ算法」>
⓪三つの枠を作る
①左の枠には、十の位同士をかけた値、右の枠には一の位同士をかけた値を書き込む
②十の位と一の位を交差してかけて、足した数を真ん中の枠に書き込む
③枠の中の数字を繰り上げる