こんにちは。算数科の吉岡英治です。
皆さんが計算ミスをすると、先生やお父さんお母さんから
「もっときちんと計算しなさい!」と注意されますね。
確かに、気持ちのゆるみや雑さは改めるべきです。
でも、こと算数の計算に関しては、逆の考え方も大切です。
今日は皆さんが言われたことのないアドバイスをしたいと思います。
「もっと、イイカゲンに計算しなさい」
例えば大問の途中でこんなミス。
単純に百の位のかけ算を間違えたわけですが
ちゃんとひっ算すれば良かった…わけではありません。
悔やむべきは、なんでもっとイイカゲンに計算しなかったのか!ということです。
驚かれるかもしれませんが、言い間違えではありません。
「良い加減」に計算していれば、ミスを防ぐことはできました。
<およそ計算~だいたいいくつになるか考えるクセをつけよう~>
4年生で学習する単元に「およその数」というものがあります。
四捨五入だとか、切り上げだとかを覚えるのに、手こずった記憶がある受験生もいるでしょう。
およその数、四捨五入のやり方を覚える以上に、大切なことがあります。
それは、「だいたいいくつになるかを考えると計算力間違いがなくなる!」ということ。
やり方は簡単。
どんな計算、問題でも、答えがおよそいくつになるかを先に考えるだけです。
例えばさっきの式で、およそ計算をしてみましょう。
414円の14円なんて細かい数はないものとして、およそ400円とします。
400円くらいのお菓子を5つ買ったらいくらになると思いますか?
そうです。2000円くらいになるはずです。
本当は414円なので2000円よりも少し大きくて、2100円かな?くらいのあたりがつきます。
この感覚があれば、1270円という答えは、検討違いだとすぐに気が付くはずです。
テストで計算ミスが多い人は、筆算の字を綺麗に書くよりも、およそ計算を使って、答えを予想しながら計算するようにしましょう。
慣れてくると、予想した数と、答えが近くなってきて、どんどん精度が上がります。
ではおよその計算を練習してみましょう。
下の式があっているかどうか3秒で判定してください。
わかりましたか?まさか筆算で確かめようなんてしていませんよね?
答えは×です。
およそ計算は次のようになります。
23はほぼ20で、3.14はほぼ3と考えると
23×3.14=59.72は、およそ20×3=60となります。
どちらの数も小さ目にして60になるのですから
59.72は明らかに小さいということがわかります。
およそ計算が習慣化していれば、すぐに気付けたミスです。
およそ計算は、分数のときも威力を発揮します。
次の式があっているかどうか、3秒で判定してみましょう。
いかがですか?
分母や分子に惑わされずに、分数をおよその整数にまるめます。
答えは4÷2=2くらいになるはずですから
計算は誤りであるとすぐにわかります。
<まとめ およそ計算でミスは減らせる>
今日の話は、計算ミスを減らす上で、とても大切なテクニックですが
きちんと教わる機会はあまりなかったかもしれません。
でも難しく考える必要はありません。
およそ計算は、ほとんどの人が日常生活でやっています。
例えば、おこづかいを握りしめて、おやつを買いにいくときは、
1000円でチョコを何個かえるかなぁ、なんて考えてたりしているでしょう?
その感覚です!
今日から、皆さんもいいかげ~んに。いやいや、良い加減に。
答えがだいたいどのくらいになるか、考えてみてください。