皆さん、こんにちは。
算数科の吉岡英慈です。
算数には〇〇算と呼ばれるものが山ほどあります。
もし、たくさんある解法の中で、大切なものを一つあげろと言われたら
5年生にはマルイチ算、6年生には、消去算を挙げます。
マルイチ算、きいたことがない。6年で消去算?と不思議に思われるかもしれません。
今回は5年生マルイチ算。
知名度こそ低いですが、とんでもなく便利な受験生の必需品です。
習うようり慣れろということで、さっそく練習してみましょう。
<マルイチ算の使い方>
マルイチ算の使い方は極めて簡単です。
それは・・・比や割合に〇をつけるだけ。
さて、比や割合に〇をつけてみましょう。
この問題では、最初の兄と弟の金額の比3:2に〇をつけます。
こんな感じですね。
兄は300円、弟は半分使うので、残りの金額は
兄が③-300、弟が①となります。これが等しいのですから
③-300=①
②=300
①=150
となり、兄が最初もっていた金額は
③=450円となります。
おぉ。マルイチ算、便利です。
何か解き方があるわけではなく、比や割合に〇をつけて、数字と区別するテクニックです。
例えば次のような問題も、〇をつけるだけでスッキリと解けます。
売買損益からの出題です。
仕入れ値を基準にして定価や、利益が表されていますので
ここでは仕入れ値を①(マルイチ)とおきます。
これで、下ごしらえ完了。
定価や売価が決まっていきます。
次は利益を考えます。
利益は売価-仕入れ値ですから
この利益が仕入れ値の1割にあたるので
仕入れは100円と答えが求まりました。
いかがでしょう。なんと便利なマルイチ算!
割合に〇をつけただけで、売買損益も解けるじゃありませんか。
<マルイチ算の正体>
おもしろいことに、マルイチ算は、解法の名前ではありません。
ニュートン算・流水算といった、ほとんどの○○算が問題形式や解法を表すのに対し
マルイチ算は数の区別の仕方のテクニックです。
ゆえに汎用性が高く、比と割合が登場するあらゆる単元で使えます。
すでにお気づきのかたもいらっしゃると思います。
マルイチ算の正体…それは、数学における
「文字式」
にほかなりません。
先ほどの問題、数学であれば求めたい仕入れ値をxとおき
定価が1.2x、売価が1.2x-10となり一次方程式で解くことができます。
つまり、マルイチ算とは、いわばエックスの代用品であり
一次方程式を小学生にそれとなく使わせるためのテクニックといえます。
5年の今の時期ならば、マルイチ算という言葉は知らなくても
「比には〇をつけなさい」、とか「①を決めなさい」等と算数の先生に教わったはず。
今日からさらに意識的に比と割合を〇で囲んでみましょう。
難しいと思った問題に活路を見いだせるかもしれません!