皆さんこんにちは。
算数科の吉岡英慈です。
算数には〇〇算と呼ばれるものが山ほどあります。
数ある解法の中で、特別なひとつを選ぶとしたら
5年生には「マルイチ算」、6年生は「消去算」推しでいきたいと思います。
マルイチ算については、前回の「5年生これだけは覚えてマルイチ算!」で解説しました。
今回の消去算は、マルイチ算の次のステップとして扱いますので、マルイチ算から読んでいただくとよりスムーズです。
さて、消去算です。
4年生で初登場し、2本の式を比べるという慣れない作業に、それなりの難しさこそあるものの
やりかたさえ覚えてしまえば得点できる単元でした。
5年で復習しますが、6年では独立した単元としては扱う塾は少ないでしょう。
しかし、消去算が本当の威力を発揮するのは
「比を学習して以降である」
と声を大にして言わせて頂きたい。
消去算は6年生こそ力を入れて学習すべき単元なのです。
比を理解し、マルイチ算を知ったうえで消去算をマスターすれば
ほとんどの割合と比に関する文章題は解ける!といっても過言ではありません。
そのくらい汎用性が高く便利。
この記事では、消去算の解き方というよりも
消去算の使いどころを、例をあげてみていきます。
<消去算の使いどころ>
まずはオーソドックスな消去算の問題から確認です。
例題1
兄と弟の所持金の比は5:3でした。
兄が100円、弟が200円使ったところ、所持金の比は3:1になりました。
兄の初めの所持金は何円でしたか。
今回は、解けるかどうかはさておき、2本の式が立って、
ここから先は消去算で解けるというところまででOKです。
このような式がパッとイメージできましたか?
いかがでしょう。
ほとんどの6年生は上のように立式できたはずです。
例題1のように、文章中に比が2種類書いてある場合、容易に2本の式を立てることができますね。
1つ目の比には○を、2つ目の比には□や△で囲んで区別しましょう。
次は少しだけわかりにくくします。
例題2
現在、兄は24歳、弟は20歳です。兄の年齢が弟の年齢の1.4倍
だったのは何年前ですか。
パッと2本浮かびましたか?
例題1と異なり、比が記されていませんが
1.4倍という倍率が示されています。
この倍率を比に変えて…
1.4倍 ⇒ 兄 : 弟=7 : 5
はい、これで式がたてられますね。
後は消去算で解くだけです。
例題1が倍数算、例題2が年齢算ですが
どちらも結局は消去算で解けてしまいます!
もう一つ問題をみてみましょう。
例題3
ある小学校の昨年の生徒数は男女あわせて300人でした。今年は男子の人数が昨年より5%増え
女子の人数が昨年より6%減ったため、生徒数は男女あわせて293人になりました。
今年の男子の人数を答えなさい。
この問題でも、2種類の比率が示されています。
%や分数を含む割合表記は、比にかえて丸を付けてしまおう、というのが前回マルイチ算でした。
割合を比に変えます。
5%増えは、⇒ 昨年の男子 : 今年の男子 = 1 : 1.05
6%減りは、⇒ 昨年の女子 : 今年の女子 = 1 : 0.96
去年の男子+今年の女子=300
去年の男子+今年の女子=293
という形で式を立てると…
あとは消去算でOK!
大変便利だということがおわかり頂けたと思います。。
<消去算は万能!?>
それでは今回のまとめです。
・消去算は割合や比が2種類以上登場する問題で威力を発揮する
・1つ目の比には○を、2つ目の比には□や△で囲んで区別して式をたてる
最後におまけ。
実は、有名な”あの問題”も消去算で解くことができます。
問題
つるとかめが合わせて10匹おり、足の数はあわせて26本です。
つるは何匹いますか。
でました。
何を隠そうつるかめ算です。
消去算をつかうと
一本目の式は
つるとかめが合わせて10匹より
足の数があわせて26本より、2本目の式が立ちます。
あとはこれを解いて①を求めればおしまい。
消去算、万能という気すらしてきますね。
今回はここまで。
次回は、入試での消去算の応用問題と、消去算の正体を暴きたいと思います。