皆さんこんにちは。
算数科の吉岡英慈です。
前回は少し寄り道してしまった算数侍。
立方体のブロックに色を塗る問題をあつかいました。
今回は、お約束の立方体の切断をお見せします。
それでは…
算数侍、立体斬りっ!
<立方体からの切り出し>
春一番が吹きましたが、寒い日も続くこの頃。
我が家ではまだお鍋が人気。
お鍋といえば、美味しく立方体の切断を体験できる「学習食材」を
忘れるわけにはいきません。
今回の主役、お豆腐さんの登場です。
これを、斬っていきます。
実際にたべるときは、辺と平行にきる人がほとんどでしょう。
しかし今回は、少し変わった切り方をしてみましょう。
まず、下の図の赤い3つの点を通るように切断します。
左側の三角すいを斬り落としてみましょう。
サクッ
こんな立体になりました。
さて、続けて斬っていきます。
次はこの3点より右側を斬り落とします。
最後に奥の三角すいを…
<正四面体>
切り出されたこの立体。
正三角形4枚で作られてるので
「正四面体」と言います。
最も面の数が少ない正多面体として知られていますが
あまり私たちの日常生活では見かけません。
意外なところに隠れています。
それは、ダイヤモンド。
ダイヤモンドは自然界で最も固く、安定した物質で
その組成は炭素です。
炭素が正四面体構造という、正四面体の形に結合することで
頑丈な結晶となったのがダイヤモンドなのです。
<立方体と正四面体の体積くらべ>
最後に、もとの立方体と正四面体の体積を比べてみましょう。
一見、比べようもない気すらしますが…。
どうやって、正四面体を切り出したか、思い出してみましょう。
斬り落としていたのは、「三角すい」
戻って確認してみて下さい。4回斬り落としているはずです。
三角すいの底面積は、立方体の底面である正方形の丁度半分。
高さは立方体と同じですが、「すい」なので、体積は3分の1となります。
つまり、三角すいの体積は立方体の6分の1。
それを4つ取り除くので、6分の4がなくなり、残りは6分の2=3分の1。
立方体の体積:三角すいの体積=3 : 1 と求める事ができました。
<豆腐から現れたダイヤモンド>
今回は、立方体から三角すいを斬り落として、正四面体を作りました。
お豆腐からダイヤモンドが出てくるなんて、驚きです。
正四面体は最もシンプルで、強固な立体。
その仕組みを応用したのが、埠頭のテトラポッドです。
波の力を分散させ、衝撃から埠頭を守っています。
意外なところで私たちの生活に役立っているのですね。
もちろん、中学受験算数でも出題されます。
こんどお鍋を食べるときは、お豆腐を上手く斬ってみてくださいね。