皆さん、こんにちは。
算数科の吉岡英慈です。
あっという間に、秋。
受験生にとっては勉強しやすい季節ですね。
今日は特に比を習いたての5年生のために、比を扱ってみたいと思います。
名付けて、「目で見てわかる比あわせ」。
<比あわせって何?>
多くの集団塾では、5年生の夏から秋にかけて、はじめて「比」が登場します。
全ての単元に関わる最重要の根本原理。
使いこなすことができれば、算数の問題を、整数ですっきりと解くことができます。
図形分野でも、比あわせは大活躍。
さっそく問題にいってみましょう。
<比あわせとは比と統一すること>
直線上に点A、B、C、Dがあります。
AB:BC=3:1 BC:CD=2:5のとき、AB:BC:CDの比を求めなさい。
BCの長さが2通りの比で表されていますので、ここで「比あわせ」を行います。
3:1の1を2倍して2:5の2に揃えます。
すると、6:2:5となり、同じ比に統一することができました。
<比をあわせたら長くなる?>
少し違う問題を考えてみましょう。
直線上に点A、B、C、Dがあります。
AB:BC=5:3 BC:CD=2:1のとき、AB:BC:CDの比を求めなさい。
BCの長さが2通りの比で表されていますので、「比あわせ」です。
2と3のどちらに合わせればよいでしょう?
5年生以降であれば、このような場合、「2と3の最小公倍数の6にあわせる」と習ったはず。
5:3を2倍して10:6。 2:1を3倍して6:3。
はい。10:6:3。
なんとなく処理できてしまいました。
しかし、なぜ比をあわせると、数字が大きくなるのでしょう。
比を学習したばかりの受験生に聞いてみると、BCが長くなったと勘違いしているケースがあります。
<長くなったのではなく、細かくなったイメージ>
確かにBCは2や3から6に変化しましたが、これは長くなったわけではないのです。
ここで比を目でみえるようにしてみましょう。
ポヨン。ポヨン。
青と赤のポヨンに登場してもらいました。
5:3は青の長さ5つぶんと3つぶん。
2:1は赤の長さ2つぶんと1つぶん。
比あわせというのは、この2種類あるポヨンを、1種類に統一することを意味します。
どうやって統一するのか。
より細かくわけるイメージ、です。
緑のポヨンが登場しました。
緑のポヨンは青のポヨンを2つにわけたものであり、赤のポヨンを3つにわけたものです。
このより細かい緑のポヨンを使って、さらにABCDをわけてみると…
ポヨヨヨヨヨン。
より細かく分けられたことがわかりました。
やはり長くなったわけではなかったんですね。
より細かいじゃばらになったイメージです。
<比あわせで幸せ>
今回の「比あわせ」。
図形だけでなく様々なシーンで活用できます。
なんとなく出来てしまう比の操作ですが、本当の意味で使いこなすには
視覚的なイメージが伴っていることが大切です。