こんにちは、受験ドクターの吉岡英慈です。
すっかり、秋ですね。
勉強に集中するには最適な季節。
私たち講師も授業の準備がはかどります。
と、おもいきや…。
ハクション!
春ほどではありませんが、秋は隠れた花粉の季節。
鼻炎の私はブタクサという聞きなれない草に苦しめられております。
せっかく過ごしやすい春と秋に花粉を飛ばすとは、神様のイジワル。
くしゃみと一緒にやる気まで、飛んで行ってしまいました。
さて、今日は「やる気」の話です。
<やる気ってなんだろう?>
皆さんは、「よし、今日はしっかり勉強するぞ」とやる気に満ちあふれて机に座ったものの
気が付くと手遊びに夢中に…なんてことありませんか?
やる気を持続させるのは、難しいものです。
私も中学受験生だったとき、なかなか長時間の学習に集中できず、気が付くと手遊びのようなことを始める少年でした。
特に夢中になったのが、ゴミ箱にごみを投げて入れるゲーム。
母の目をぬすんでは、「この一投が入ったら合格、入らなかったら不合格」という通称「願掛けスロー」をやったことを思い出します。
目の前の勉強にやる気はでないのに、なぜかこういったことにやる気は燃え上がってしまうものです。
今すぐ願掛けスローをやめて勉強しなさい、とあの頃の自分に言ってやりたい。
ただこの願掛けスロー、はまった人は多いようで、ゴミ箱に紙屑を投げ入れる様子をシミュレートした携帯アプリも人気だったとか。
なぜゴミ箱にゴミを投げることがそんなに面白いのかと考えた時に、やる気というものの正体が少しだけわかる気がします。
例えば、ゴミ箱が部屋の隅にあって、20回に1回しか入らないくらい遠かったらどうでしょう。ゴミを拾いにいくだけで、疲れちゃいますね。
また、ゴミ箱が手の届くくらいの距離にあって、百発百中で入ってしまう距離だったとしたらどうでしょう。
これも全然、おもしろくありません。
ふむふむ。やる気の正体が、みえてきました。
実は、やる気が自然にわいてくるために、大切なポイントは2つあります。
やる気がわいてくる2つのコツ
① 取り組む課題が「できそう」と思えること
ゴミ箱スローが面白く感じるのは、入るか入らないかわからないが、「できそう」と思えるぎりぎりの線だからです。
やれそうなときに、人は動く。ということですね。
多くの人にとって何かが実現できて成果を出せる「成功のイメージ」こそがやる気の燃料源なのです。
やる気よりも「やれそうな気」。
年間たくさんの小学生のお子さんを指導するなかでも、「できそうと思えるほどよい難易度の設定」は、お子様が自主的に学習を進められる上で、とても大切なのではないかと思います。
今取り組んでいる課題が、難しすぎないか、また優しすぎることがないか確認してみてください。
② 課題に終わりがあること
いくらできそうな課題でも、終わりなくこなしていくのは退屈です。
受験のための学習に終わり、というものはありませんが、限られた時間の中で、「どこまでできれば成功」なのかを明確にすることで、メリハリをつけることができます。
どのくらいの時間で、何問解くのか、そして何問中何問とけていれば成功なのかをお子様に伝えておくだけで、やる気は大きく違ってきます。
中学受験という目標への想いや、成績をアップさせたいという本質的なやる気も、もちろん大切。
でも単調で長い道のりを乗り切るには、一日一日の学習を楽しむことが、実は重要です。
そのために、まずは目の前の課題の難易度が適切か、このくらいならやれそうという感覚をもてるような目標設定ができているかを確認してみてはいかがでしょう。