みなさんこんにちは、吉岡英慈です。
前回に続き、4年生の間に磨きたい算数の力についてお話しします。
<4年生で磨きたい算数の力>
② 書き出して探索する力
③ 図や表に整理する力
今回のブログでは、③ 図や表に整理する力
ついてお話しします。
図って何を描けばいいの?
算数で図を描く力が大切であるということは、当たり前のように言われています。
算数での図といえば、代表的なもので、線分図や面積図が思い浮かびますが、このブログでは、図だけでなく表、もっと広くメモ書き程度のものも、図と定義してしまいたいと思います。
例えば商品AとBの値段が変化するときに、AとBの下に値段をまとめたものも、図と呼んでしまうことにします。
実は、算数の問題条件を整理するための図は、そんなメモ程度で十分なんです。
むしろ、そんなメモ書き程度がいいんです。
4年生の間に磨きたい「作図による整理力」とは、図を使った解法を覚えることではありません。
例えば和差算の問題。
和差算の問題は図を描けば解けるという知識は大切です。しかし和差算の問題を作図でといたところで、さほど整理する力は磨かれません。
大切なのは、整理していくうちに、和差算であると気づくための作図です。
整理する力って?
6年生になり、実際の入試問題に取り組み始めたときに、小学生が最も面食らうのが、文章の長さでしょう。
塾のテキストに乗っているものよりも、明らかに増えたボリューム。
こと制限時間のあるテストや本番では、焦って条件を読みおとしてしまう。何度も読むのに時間がかかってしまう。結果的に状況が頭に入ってこないということが多々起こりえます。
こんなときに、さっと手が動いて、何かまとめることの出来るお子さんは、強い。
どんな解法か見えていない段階で、何が描けるかというところが一番大切なのです。
整理しようという意図があれば、きちんとした図である必要はありません。
見たことのない状況や、複雑な条件の文章を理解する補助としてのメモ書きや作表。
それを意識して練習することで、整理する力は磨かれます。
解き方を覚えて引き出すことはもちろん大切。4年のあいだはライバルも少なく、解法パターンを反復練習してやりこめば、順位をあげやすいのは事実です。
しかし目先の成績を上げることに注力するあまり、失われる力があっては本末転倒。
作図が大切と聞いて、図を描く練習を繰り返すのは、実は効率が良いとは言えません。
5年生から伸びるために、是非経験させておきたいのが、「見たことのない問題を、図に整理したことにより解けたという経験」です。
この経験がしっかりと植え付けられたあるお子さんは、初見の問題で困った状況に陥ったとき、ちょっと図でも描いてみるかという気持ちになってくれます。
①すこし文章が長い整理の必要な問題
②図で視覚化するとわかりやすくなる問題
この二つを繰り返し経験させましょう。
この練習をさらに押し進めると、文章を頭のなかで映像化しながら解く力であったり、複雑な線から大切な形を取り出して描く能力が身に付いてきます。
ぜひお通いの塾のテキストから、単なる反復練習だけでなく
時には少し背伸びした難易度の問題を、図や表で整理する練習を意識的に組み込んでいきましょう。
5年生以降、自然に手が動く受験生に成長してくれるはずです。