皆さん、こんにちは。
吉岡英慈です。
新学年になりました。
子どもの力をどうやって120%引き出すか。個別指導の講師に限らず、パパ塾、ママ塾の先生たちも頭を悩ませているのではないでしょうか。
小学生の子どもは本当に面白い生き物です。
楽しいと思えるモードに入ると、驚くほどの力を発揮します。
でもちょっとしたことでモチベーションを崩すと、できるはずのことが全くできなくなったりもします。
どちらの顔をみせてくれるかは、きっと大人次第。
今回は子どものやる気を引き出し、ノッている状態を作り出すためのコツをお伝えします。
題して、
<実力以上を引き出す!ノリノリ脳の作り方>
良い授業をうけて、何かできるようになって帰ってきた子どもの第一声はなんでしょう。
おそらくほとんどの子どもが、「できるようになった」ではなく、「楽しかった!」というはずです。
子どもの実力を120%引き出すための、受験ドクターの答えは、「一緒に楽しむ」です。
そして、子どもを楽しませる最も簡単な方法は、「大人が楽しむこと」です。
子どもと大人双方が楽しんだときに、一方通行ではない実り多い指導がうまれます。
子どもは教えられたという意識がなく、自分自身で発見し、自分でできるようになったという感覚が残れば大成功。
忍耐は必要ない?
時折、どうすればイライラせず、忍耐強く教えられるのか質問いただくときがあります。
「どうしてこんなこともできないの」
「なんでわからないの 」
禁句とわかっているのに思わず口をつく禁句の代表例ですが、実は、熱心な親御さんほど言ってしまうようです。
もどかしくなるのはそこに期待があるからで、予想した「できるはず」のことができないときにイラッとしてしまう。
講師もわが子ほどではなくとも、教え子がひとつずつ壁を乗り越える姿に感情移入してしまう部分はあり、期待を隠せないときもあります。
人間だもの。
しかし大人が一方的に熱くなるのは、私たちが目指す「一緒に楽しむ」とは真逆の方向。
ノリノリ脳ではなくなってしまいます。
また、大人が忍耐力で我慢するというのもNG。どちらかが我慢しているのも楽しんでいる状態とは言えません。大人が楽しんでいないことを、子どもはすぐに見抜きます。
必要なのは、子どもがどこでつまずくかを予想しておく下準備です。
つまずきポイントの洗い出し
この単元をどの順番で、どう教えるかという計画はもちろん大切です。
しかし、どう教えるかという一本道のプランニングだけでは不十分で、予想しない箇所で子どもがつっかかったときに、さっと簡単な問題や具体例、たとえ話を引き出す準備をしておけば、「どうして」という感情は回避できます。
例えば、倍数算の差一定になかなか着目できないときに、さっと例え話を出す準備をしておく。
「○○くんと先生が今、10歳と30歳だとして、100年たったら何歳になる?」
「110歳と130歳!笑」
「そうだね。年取ったなぁ~。でもね、二人のアレはかわらないよね」
ここまで誘導されれば、「20歳差だ!」という答えに子ども自身が気づくでしょう。
このように、つまずくであろうという着眼点を、事前に洗い出しておくのです。
親御様で、そこまで具体例を出すのが難しい場合は、「このポイントでつまずいたら、この基本問題からやりなおしてみる」という気持ちの準備をしておくだけでも、違います。
大人が「あ、そうきたか」という余裕をもつことで、子どもにも安心感が伝わります。
さらに、つまずきポイントの洗い出しは、大人がイライラしないだけではなく、「子ども自身が解き方を発見できる」という一石二鳥の方法なのです。
詳しくは次回、後編につづきます。