みなさん、こんにちは。
受験ドクターで算数と社会を担当しているM. Y.です。
前回は「社会の効果的な学習方法」について概略的にお話ししました。
そして、効果的な学習には
① 用語的な知識
② 地図・統計資料・歴史資料などの視覚的な知識
③ 文章・図表・グラフに対し分析する力・思考する力 (記述する力)
④ 問題作成者側の視点(選択肢のつくられ方)を見抜く力
⑤ 最近のニュースなどの時事的問題の知識
の5つの視点があるとお伝えしました。
今日はそのうちの①用語的な知識 についてお話しします。
正直、この学習はよくできている生徒が多いです。
例えば、サピックスならば、デイリーサピックスの太字を覚えたり、冊子の最後にあるデイリーチェックの赤字に赤いシートをかぶせて覚える。四谷大塚ならば、予習シリーズの本文の重要な個所にアンダーラインを引き、その部分を覚えるなどなど。
時間を有効に利用するために、電車内で一生懸命に暗記している光景を見たりもします。
時間を有効利用するために、電車内でも黙々を覚えることはとてもすばらしいことだと思います。
しかし、それだけは足りません。あとは何ができるでしょう。
【書いて覚える】
試験は必ず解答用紙に書くわけですから、必ず書いて覚えるようにしたいところです。
例えば、「江戸時代の庶民の教育機関として、読み・書き・そろばん・・・」ときたら、多くの生徒は「てらこや!」と口頭で答えることができます。しかし、漢字で書きなさいというと、「寺子屋」「寺小屋」ほぼ半々に分かれます。
せっかくわかっても、漢字で間違えてしまうと、点数にはなりません。しかも、間違えやすい漢字こそ、問題文に「漢字で答えなさい。」と書いてあるんですね。わざわざ「漢字」を太字にしてくれて。
というように、得点に結びつけるためには、書いて覚えないといけないわけですね。
また、人間の記憶はさまざまな部分から記憶できます。「目から覚える」「耳から覚える」「手で覚える」。どうせ覚えるなら、忘れたくない。忘れたくないなら「全身で覚える」ように心がけましょう。
【意味を知り、イメージで覚える】
先ほど例でだした「寺子屋」。何回書いても、試験の時に「あれ~。寺子屋。寺小屋どっちだっけなぁ」となることはありませんか。
そのようなときは意味を知ることが大事です。
寺子屋にきていた子供たちを「寺子」っていうんだよ。だから、寺子が集まるから「寺子屋」。これだけで、寺子屋を間違える可能的はほぼなくなります。
このように、ただただ何回も書くだけでなく、その用語の意味を少しでもしれば、漢字のミスを減り、得点があがるというわけです。
【関連付けて覚える】
ところで、3つ覚えるのと1つ覚える、どちらがいいですか。多くの生徒は「1つ」と答えます。また、似たようなものは混同しがちで、覚えたこと同士で衝突して、記憶があいまいになります。
それをどう解決するか。それは関連付けて覚えてしまうことです。つまり、セットで覚えてしまうことです。
例えば、年号。「1894年に日清戦争」「1904年に日露戦争」「1914年に第一次世界大戦」
もうお気づきですね。
いまの3つを3行にわけて書くと、
1894年 日清戦争
1904年 日露戦争
1914年 第一次世界大戦
10年ごとに戦争があること気がつきます。ちょっとした等差数列ですね。規則性から関連付けるんです。ですから、1894年の日清戦争だけしっかり覚えて、あとはその10年後に、さらにその10年後に、といった具合で、芋づるで知識がでてきます。
そして、さらに、この覚えたことを利用して、
日清戦争→下関条約が締結されリャオトン半島が日本のものになる→ロシアがそれを不愉快に思った→フランス・ドイツを仲間にして、日本にリャオトン半島返還をせまる(三国干渉)→ロシアに対して怒りを覚える→そんなときイギリスを同盟を結ぶことになる(日英同盟)→これでフランス・ドイツの動きを封じられた→ロシアに対して戦争できる→日露戦争はじまる
とストーリーとして関連付けることもできます。少し強引なとこもありましたが、流れを理解するうえでは問題ありません。
そうすることにより、よく問題で「次のことがらを古い順に並べなさい」という多くの生徒が苦手とする問題も、スムーズに対応することができます。
今日は、用語的な知識の学習法について、お話しいたしました。ただただ、覚えるのではなく、上記の3つのことを意識して覚えることにより、より効率よくたくさんのことが覚えられ、そして、ミスによる減点も減ります。
ちょっと工夫して、効率よく覚えるように意識して勉強していきましょう。
さて、次回は② 地図・統計資料・歴史資料などの視覚的な知識についてお話ししますね。それではまた次回。ごきげんよう。