みなさん、こんにちは。受験ドクター算数科のA.K講師です。
3月ももう半分まで来ました。
長かった冬もやっと終わり、木々芽吹く春がようやく訪れ始めましたね。
少し前のブログでも触れましたが、そろそろ鼻がムズムズする方もいらっしゃるのではないでしょうか(笑)
えっ、自分ですか?私は…
今年も元気です!!
鼻が全く、反応しません!一生、花粉症とは縁がないんじゃないかと思っています^^;
さて、今日の本題に入る前に、前回のおさらいです。
最後に、こんな問題を出しました。
(問題)
濃度5%の食塩水Aが400gと、濃度がわからない食塩水Bが300gあります。まず、AからBに200gを移し、よくかき混ぜました。その後、Bから 1/5 をAに移し、よくかき混ぜました。Aの濃度は6%に、Bの濃度は8%になりました。最初、Bの濃度は何%でしたか。
では、流れ図を描いて問題の情況を整理してみましょう。
最終的に、塩の量の合計は18+32=50gとなります。したがって、食塩水Bにもともと含まれていた塩の量(図の?)は、50-20=30gとなり、Bの濃度は30÷300×100=10%となります。
それでは、お待たせしました。今日の本題へ…。
今回は、神奈川県の難関私立校である栄光学園の問題を、今年の入試からピックアップしてみましょう!
~栄光学園H30年度算数 大問3より(一部改訂)~
底面の半径が10cm、高さ20cmの円柱の容器と、底面の半径が5cm、高さ10cmの円柱のおもりA、底面の半径が4cm、高さ20cmの円柱のおもりBがあります。
様々な高さまで水が入った容器におもりAとBを入れたときの水位(水面の高さ)の変化について考えます。ただし、容器の底におもりの底面がぴったり重なるようにおもりを入れます。また、容器の厚さは考えないものとします。
小数点以下がある場合は、四捨五入をして小数第1位まで答えなさい。
ある高さまで水が入った容器にAとBのおもりを入れたところ、容器はちょうど満水(水面が20cm)になりました。容器にはもともと何cmの高さまで水が入っていたか答えなさい。
まずは、容器・おもりA・おもりBがどんな立体であるかを整理してみましょう。
容器⇒底面積は100×3.14㎠、体積は2000×3.14㎤。
おもりA⇒底面積は25×3.14㎠、体積は250×3.14㎤。
おもりB⇒底面積は16×3.14㎠、体積は320×3.14㎤。
続いて、水面変化の問題において、最も有効なこと…それは、
正面から見た平面の図を描くこと
です。
立体の図を描いたとしても、時間がかかりますし、何より図が訳の分からないものになってしまうリスクがあります。
重要なのは、水面がおもりを入れる前と後でどう変化したか?その一点だけなら、平面図形におとしこんで考えてしまっても良いのです。
(1)もともとの状態と、おもりA・Bを入れた後の状態は以下のようになります。
変化後の図について着目してみましょう。容器全体の体積は2000×3.14ですが、これは水以外に両方のおもりも含んでいます。水の体積は、A・Bの体積を除くので(2000-250-320)×3.14=1430×3.14㎤となります。
これが変化前の水の体積でもあるので、最初の水面の高さは1430×3.14÷(100×3.14)=14.3cmとなります。
※なお、計算結果からも分かるように、円周率である3.14は一切答えには影響しません。最初から、円周率を無視して計算してしまいましょう!
~本日のまとめ~
・立体図形の問題において、水面変化を追うものは正面から見た時の平面図を描き、変化前と変化後を較べる!
ではでは。
本日は、ここまでとしましょう。
次回は、後篇ということで正面図がさらに有効活用できる、本問題の(2)以降について触れていきます。
キーワードは、「水没する??しない??」です!
どうぞ、乞うご期待を!!