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誌上で再現!「桜蔭中学校」合格への道のり!!

いよいよ、本格的な受験シーズンに突入します。
受験ドクターでは今年も志望校をめざしてがんばっている受験生の追跡取材を開始いたしました。

公開は来年2月の試験後となりますが、いま頑張っている受験生、親御様に今一度目標に向かって全力で進むための勇気を奮い起こしていただくために、今年2月の試験でみごと桜蔭中学に合格されたお子様を取材した動画『「難関校合格を作る現場」レポート「桜蔭中学校」合格への道のり!! 100日追跡取材~現役小学6年生がどのようにして一流中学に合格するのか?~』を誌上で再現することにいたします。

動画をご覧になる方はこちらへ
桜蔭中合格対策サイトはこちらへ

「難関校合格を作る現場」レポート「桜蔭中学校」合格への道のり!! 100日追跡取材~現役小学6年生がどのようにして一流中学に合格するのか?~

プロローグ

【目指すのは国内最高峰の女子中学校への入学】


── 第一志望の学校はどこですか?
本人 桜蔭です。

── 他の志望校はあまり考えていない?
母親 考えてないんだよね。
本人 考えてない。
── うーん、なるほど。

── 桜蔭に入学したらなにをやりたい?
本人 バスケやりたい!いっぱい(笑)!

── 桜蔭を目指す理由は?
本人 桜蔭はどんな子でも居場所があると聞いて。

本人 頑張り続けたいです。



2011年2月1日入学試験が実施された。
合格発表は翌日……その結果は?


合格発表当日

「あったー!!よかったー!!」
「やったー!」

見事合格!おめでとう!

というわけで、見事国内最難関である志望校「桜蔭中学」に合格したお子さんですが、合格までにはどのような苦労があったのでしょうか?
直接、指導した講師からその辺の事情を細かく解説していきます。

はじめに

【塾長 安部公一郎】

みなさん、こんにちは。

この動画を見られている方は、来年受験する生徒さん達、またはその親御さん達だと思います。
この動画の中には、先輩方がどれだけ100日前から苦労して学力を伸ばしていったか、またその都度欠点をいかに講師が把握して指導していったか、そういったものを収録しております。ぜひ、来年の受験に向けて参考になれば幸いです。

難関校受験 100日前

100日前インタビュー

【志望理由は?】
本人 学園祭に行った時に校風をすごく気に入って、入りたいなと思いました。
桜蔭はどんな子でも居場所があるって聞いて、すごく気に入ったのでこれからの入試までの97日間は頑張り続けたいです。

【合格したら何をしたい?】
講師 なるほど、じゃあその校風っていうところなんだけど、中学、高校に行ってどういうことがしたい?

本人 えーっと……バスケやりたい!いっぱい(笑)!

講師 なるほど、そう。運動得意だもんね!

【家ではどんな勉強を?】
本人 算数と社会が多くて国語と理科が少ない。

講師 なるほど、なるほど。

【今、不安な教科は?】
本人 理科、とか?あとは、国語の当たり外れの差が大きくてちょっと不安です。

【学校は楽しい?】
本人 算数やってる時と体育をやってる時は楽しいけど、それ以外はあんまり……。

講師 なーるほど。

桜蔭中学入試 国語の攻略

国語の出題形式

【国語主任 M先生】

文学的文章と説明的文章が2題出題される
まず、桜蔭の傾向なんですけど、形式面から述べたいと思いますが、形式としては文章題が2題、必ず文学的文章と説明的文章の2題が毎年出題されます。

総字数は7000字程度
かなりの長文であることが特徴
文学的文章と説明的文章の総字数ですが、大体7000字から長い場合ですと8000字、9000字の場合もあります。毎年統一されてはいませんが、かなりの長文であるということです。

ほとんどが記述式
もう1つはやはり記述ですね。
これはもう圧倒的な量で、例えば男子でいう開成や麻布と比べても引けを取らないどころかそれ以上の記述力が求められるというのが桜蔭の形式の特徴になります。

説明的文章題は芸術や文化に関連するジャンルからの出題
説明的文章の場合においては、毎年、様々なテーマの文章が出題されますけれども、文芸的なもの、絵画的なもの、という芸術や文化に関係するような文章、ジャンルが出される傾向が非常に強いと思います。

文学的文章題は少年少女の成長をテーマに扱ったものが多い
文学的文章に関しては、少年少女が哲学的な生き方みたいなものを学びながら、自分自身で何かを感じていくというようなストーリーが非常に目立っています。

それが桜蔭の形式の特徴になると思います。

国語で求められる力

論理的な思考力が求められる
この桜蔭という学校は一体どういう力を求められているかというと、まず私がぱっと目の前に浮かぶのは、論理的な思考力。つまりこれを国語的に言いますと、文章の構造、こういうものを正確に掴む力。

構造や主題を正確につかむ力
もしくは、筆者の言いたいこと。物語であれば主題というものをしっかり読み取る力。この2点が文章では求められます。

読み取ったものを自分の力で記述する力
あともうひとつは、やはり設問の意図をしっかりと読み取りながら傍線部の解釈を正しくしていく。
そして主題なり何なり、そこで読み取ったものを自分の言葉で記述してまとめていく力、こういう力が求められていると思います。

桜蔭の国語対策

長文に慣れる
具体的にどうしていけばいいかっていうところなんですけれども、まずはやはり桜蔭というのは長い文章が出題されますので、その文章に慣れる。

抽象的な概念や難しい語彙に触れる
例えば、物語であれば哲学的なものを学びながら主題や心情が変化していくような文章、そういう長い文章を読んで考え方に慣れていく。
説明的文章であれば、今言った文芸論とかちょっと抽象度が高く語彙が非常に難しい言葉、こういう文章にもチャレンジしていく。
こういう風な、桜蔭に求められるような非常に語彙力が求められる抽象度の高い文章、そしてよく出題されるテーマに慣れていくというのが、まずひとつ挙げられると思います。

文章を正確にとらえる力を磨く
2つ目としては、先ほど申し上げた通り、傍線部というのが非常に桜蔭では重要になりますので、この傍線部の解釈を正しくしていく。
前後の読み取りも含めながら、ここの部分を正確に読み取っていく、設問の意図というものをしっかりと読み取っていく、こういう意識をした訓練というのが2つ目に挙げられます。

記述力を鍛える
そして、3つ目としてはやはり記述。これが、桜蔭では非常に合否を握るとても重要な部分です。
ただ単に書くではなくて、読み取ったものをしっかりと因果関係や順番通りにまとめていく、そしてとにかく書いていくということですね。
こういう風なことの訓練をしていくというのが、桜蔭の対策として具体的に求められるものだと考えることができます。

合格を勝ち取るコツ

完璧な回答を狙わない
まず、桜蔭の問題というのは、やはり難しいというのがありますので、完全な○を狙う、もう完璧な回答を求めていくという視点は、真っ先に捨ててしまった方がいい。

部分点をたくさんとっていく
まずは、未完成でもいいからとにかく部分点、つまり△ですね。
この部分を増やしていく、そういう意識を持って桜蔭の問題を解いていく必要がある。ただし、例えば漢字とか、桜蔭はかなりハイレベルな受験者が予想されますので、そういうところの失点というのは致命的になりかねません。

ハイレベルな受験生同士の戦いになるのでイージーな問題の取りこぼしは致命的
×をもらわないような答案を作る
これは、当然算数も同じだとは思いますが、そういうところのミスというのは完全に防がなければいけませんので、そういうイージーなミスをしないこと。そして、完璧な回答を求めないこと。
とにかくまず、×をもらわない答案を作っていくこと。こういうことがとても重要になっていきます。

過去問題集の解答はまちまちなので家庭学習では限界がある
あともう1つ、桜蔭の過去問を取り込む上で重要なことですが、入試問題を解く上でやはり桜蔭の問題は今言ったように難しいし、記述の解答が圧倒的に多い。
さらに、声の教育社、東京学参など色んなところから桜蔭の過去問の解答というのが出されていますが、実はそれぞれの出版社でちょっと解答が違ったり、視点がずれていたりとか、そういうところがありますので、なかなかこういうのはご家庭で判断しづらい。
また、お子様にそれを求められてもなかなか難しい。

集団塾での添削指導は、物理的に細かい指導が難しい
じゃあ、集団の大手塾に添削をお願いするという手も1つはあるんですが、ここもやはりなかなか細かくは見られないので、結局、○、△、×位で終わってしまう。
どこが足らないかという評価で終わってしまう。

個々のレベルでの詳細なアドバイスが不可欠
ですので、やはり桜蔭の記述対策を考える上で一番重要なことは個々にどのところができていないのか、逆にどうすればできるようになるのか、何が考え方として足らなかったのか、どうすればそういう考え方になるのか、ということを個々のレベルでアドバイスしていくということがどうしても必要になってきます。

それが、やはり桜蔭に対応できる記述力を磨く上での効率的な勉強方法ということができると思いますので、できればそういう風な力を借りて記述の答案の作成能力を磨いていくというのが、一番ベストな方法ではないかと思っています。

桜蔭中学入試 算数の攻略

算数の出題形式

【算数担当 M先生】
桜蔭中学校の算数の傾向についてまず私の分析を述べさせていただきたいなと思います。

大問が5題~6題出題される
まずは問題の数ですが、大問で言うとせいぜい5個か6個。例えば8問9問ある学校も多々あるんですよね。
それと比べると、決して多くはないかと思います。

解答時間は50分
また時間も50分なので、「40分で小問20個以上解ききれ」というような女子学院などと比べると、求められるスピードは一見ないように見えますよね。ただそうではない。

思考経過を記述することが求められる
桜蔭の最大のポイントとして挙げられるのが、式、考え方をどんどん書いていけということ。
これが時間がかかっちゃうんですね。

平面図形・立体図形・規則性などの問題がよく出題される
どう考えたか?を細かく記述することが合格に繋がる!
桜蔭の出題として良く出てくるのが、平面図形、立体図形、それから規則性というところなんですが、いずれも時間がかかっちゃって仕方がない。
ただ、どう考えたのかを細かく書いていくことが合否に繋がってくるポイントになってきますので、50分で大問5個という形式は決して時間に余裕があるわけではない、というところをまず肝に銘じて頂きたいなと思います。

算数で求められる力

次は桜蔭中学校の算数の特徴について述べたいな、と思います。

冒頭の計算問題でねばり強い計算力が求められる
まず、初めて桜蔭の算数解くぞ!っていう子が面食らってしまう部分、これが1番冒頭の計算なんですよね。ここの計算はもちろん工夫も必要です。
ただ、それ以上に必要なのは、正確に繰り返し粘り強く作業ができるか。
まずこの最初の計算に桜蔭が求める受験生像が表れているのかもしれないですね。

思考力が求められる
あとは、例年問われてくる力としては「しこう」力。1つは考える思考の方ですね。

初めて見る問題にもすぐに対応できる頭の柔軟さ
例えば桜蔭らしいと言えば、目線がいつもと違う立体図形。立体を平面でとらえるというのは共通する発想なんですが、平面でのとらえ方っていうのが、本当に様々あって。
初めて見た問題に対して、どうアプローチしていけるのか?ここも問われてくる。それが桜蔭の受験生に求められる頭の柔らかさ、この点の思考力ですよね。

試行力が求められる
それともう1つ、今度は考える思考ではなく試しに行ってみる試行力。
手をどんどん動かして自分の考え方を解きながらまとめていく、この力になってきます。

パワフルな計算力が必要
例えば、桜蔭の規則性の問題って、ぱっと見て規則なんて誰もわからないんですよね。
ただ、問題に言われたとおりに作業していくと、少しずつ見えてくる。
その見つかった規則を一般化し、最後にめんどうくさい何千通りというパターンまで落とし込んでいく、この力をつけていく必要が桜蔭だったらあるのかなあと思います。

自分の答えを信じきる図太さも必要
あとは、桜蔭は本当に大胆さが必要なのかな、と思います。
普通の算数の答えって、例えば答えが最後は整数になったり、すっきりすることが多いはずなんですよね。ただ、桜蔭の場合は、平気で答えが分数が3ケタ分の2ケタという答えも出てきます。
ですから、少々のことでは動じない、そんな大胆さや豪快さというのも桜蔭の求める受験生の像なのかなと思います。

桜蔭の算数対策

次は、桜蔭の算数で合格点を取るために必要な力をつけていく、というところをお話ししていきたいなと思います。

最後まで解ききる計算力
まず、桜蔭の合格に必須なものが、変な数字が出てきても解き切るような計算力。ただ、この計算力というのは、我々講師がつける力ではなく、一人一人の生徒が自分でつけてもらう力になります。

計算力をつけるのは自主トレーニング
その際「見直しの仕方」「時間配分」「間違いのパターン」等を発見する
具体的には、塾から与えられるであろう計算問題を解くこと、これを当たり前にしていく。
またその際に、ただ解くだけではない、見直しの仕方や時間の使い方、自分の間違いのパターンを知ってもらう。しっかり正しい意図を持って計算力というのをつけていただきたいな、と思います。

2つの「しこう」力
そのうちの1つは『思考力=発想力』
私がつけていかなければいけない力として挙げられるのが、先ほど申し上げた2つの「しこう」力です。
1つは難問に対する思考力=発想力という部分なんですが、これはもちろん生徒一人一人の、もともと持っている力にも左右されるかと思うんですね。

発想力を高めるには、まず基礎知識を固める
ただ、所詮は算数です。算数っていうのは、あくまでも教科書範囲の中での知識を問われるものですので、知識があれば意外と発想力ってどうにかなるんですね。

次に、さまざまなパターンの難問に触れる
なので、受験直前期にある程度の基礎知識が固まってからは、男子の難関校の問題にはこういう発想もあるんだよと色々なパターンの問題に最後に触れてもらう、ここも大事にしていきたいところですね。

もう1つは『試行力』
もう1つの「しこう」力は試してみる力の試行力。
これこそ、私が力をつけるということにあたって最も重視しているところになります。

式ばかりの答案ではダメ
初め、答案を作れって言うと、本当に式ばっかりの答案を書いてしまう生徒って意外と多いんですよね。

余計なことを書くのもダメ
適切な答案を作成するノウハウが必要
その生徒に対して「言葉、図、表を書くんだよ」とお話ししていくと今度は無駄なことばっかり書いてしまって、書くことに気を取られて正確さが落ちてしまったり、時間がかかってしまう。
ですから、今度はその無駄をそぎ落としていく作業を重ねていく。
その結果、秋頃には桜蔭の合格答案っていうのが作って行けるようになるのかなあとは思うんですね。

成長過程は人それぞれなので、きめ細かいフォローが不可欠
ただ、このプロセスというのも生徒によって大きく異なってまいりますので、細かいところは一人一人の能力や到達度に応じて、私の方で調整していきたいなと考えているところです。

合格を勝ち取るコツ

公開模試が良くても桜蔭では通用しない
あとは、テストの受け方という部分もお話ししなければなりませんよね。
実際に普通の公開模試では成績が取れても桜蔭で取れないっていう子がいます。

桜蔭の試験に強くなることが大事
一方、その逆も居ます。
皆さんに目指して頂きたいのは、その逆のパターン、つまり桜蔭では取れる。
結局、自分の行きたい学校の過去問で点数が取れるようになること。これを求めて行きたいわけですよね。

適切な時間配分で答案作成に臨む
そのためは、50分の試験時間のうち絶対に40分以内に解き終わろうぜ、と。
残り10分間で、自分の間違えるパターンっていうのを頭に留めながらの見直し。
また、言葉が足りている、足りていないのチェックというものに当たっていただく。

大切なのはミスをしない答案作成
結局「いい点を取る」じゃないんです。「悪い点を取らない」。
この答案作りというものを一緒に作り上げていきましょう。

個別面談指導風景

志望校の過去問に挑戦させ学習の不足している分野やミスを繰り返す弱点をすべて洗い出し、克服する方法を個別に指導します

講師 これまでやってきて、桜蔭というのはどういう問題が出やすい、どういう風に考えればいいのかっていうのは良く理解してるんでしょう?

で、そこをしっかりと勉強して、実際にそれをやってみたわけね。その結果として点数が取れるようになってるわけね。

もちろん、修正しなければいけない点っていうのはあるとは思うんだけど、やった結果としてこう出てきたんだから力はついてきてると思っていいんじゃない?

自己否定が結構大きくて自分に自信がないっていうのはよくわかるけども、やっぱりこれだけの記述をちゃんと書けるっていうのは、ちゃんと力はついてきてるし、先生もそこは安心してるのよ。

まずは大切なことっていうのは……よく出来なかったとこ、例えばこれ(過去問答案)見たら「ここが出来なかったか」とか「あー、なんでこうしなかったか」っていうことばっかり考えるでしょう?

本人 はい。

講師 だけど、それだけじゃ分析は絶対にダメなのね。出来たところも見なきゃいけない。
じゃあこの中で、出来たところって意外とどこ?

本人 (指をさして)これです。

講師 そうですね。こんなに○をもらえる。ほら見てみて、8月だった時の○なんて、漢字と抜き出しくらいしかなかったんだけど、記述で○を貰えるようになったわけだから、そういう意味ではかなりの進歩だと思うよ。

難関校受験 50日前

対策や問題点が明確でも簡単に修正や補強できるわけではないので、個々のペースに合わせて一歩一歩確実に力をつけ受験本番へと向かいます

実際の指導例 ─国語─

指導初期段階の答案(平成22年の過去問)
彼女が解いた平成22年の桜蔭中の入試問題の答案を見ていただいているのですが、この中でも特に問1、この部分を見ていただきたいのですけれども。
この問題というのは、木が2つありまして、お互いに交信しているというところから何が読み取れる?みたいな問題なんですけれども。
お互いに木と木が交信しているということは、似ているというところを捉えて欲しいんですが、それだけではなくて、筆者の視点から2つの木がお互いに親しみを感じているという風に擬人化した部分まで読み取って解答を書いてほしいというのがこの答えなんですけれども、彼女の場合は似ているというところまでは押さえたんですけれども、そこから親しみという風な心情の読み取りまでは解答が出てこなかった。その部分がありますので△という風になっています。

で、こういう風な部分を具体的に、細かい添削を含めて彼女にアドバイスをし、そして、復習をお願いしたんですけれども。
その時の復習のノートがこちらになります。

同じ過去問を復習した際のノート
先ほども言ったようなことを踏まえて彼女なりに考え方をもう一度書いていただいて復習をしたところ、先ほどはかなり×が多かったんですが、このようにほとんど○の解答を作ることができました。
こういうことを個別の指導で、日々繰り返しながら過去問演習をしてきた。

指導が進んだ後の答案(平成19年の過去問)
その結果として、平成19年度の桜蔭中の入試問題を彼女が初めて解いた時の答案がこちらになりますが、ごらんの通り×が1つもないという解答に仕上がっています。

不足な点はあるが、不正解の問題はなくなった
不足の部分は当然あるんですけれども、この△の点数を見ていただくとわかるんですが、半分だけではなくておしい△、つまり、かなり高得点の△も貰うようになっていますし、この赤のチェックの数も意外と少なくなっているのがお気づきになられると思います。

記述のレベルが上がってきている
そういう意味で、読み取りの技術であるとか、記述でそれを表現する、そういうレベルが上がってきたのがこの答案を見てもわかると思います。

実際の指導例 ─算数─

夏の時点での答案
じゃあ50日前の彼女の現在の能力についてお話したいなあと思います。
まずは、こちらが彼女の夏の時点での答案です。
パッと見たところ、点数的には取っている、また答案もよく書いているように見えます。
ただ、この力だと桜蔭の受験本番で取れるかどうか、それは、まだまだ講師としても自信を持って取れるとは言えないんですね。

苦手分野の大問題で得点できていない
この時点だと、例えばめんどうくさい問題、時間がかかってしまう問題を白紙で出してしまうというところもありますし、また、立体図形の問題での発想力不足、結局大問でまるまる落としてしまうことが多かった。
これが、彼女の夏の力。

ただそれを、夏休みから9月にかけて鍛えて行ったところ……こちらになりますね。これが秋の公開模試の様子です。

秋の公開模試の答案
まったく記述していない解答欄が残っている
それぞれの問題で必要なことを十分に書いていて、また点数としても非常にいい点が出ている。
でもこれでもまだ、彼女は克服できていないところがあった。それがこの部分。結局まだ、方針が見えるのに書いてくれない。

現時点での答案
しっかりとした得点力がついてきた
自分が分かっていることをアピールしようとしない。これが彼女の秋の時点での弱点になっています。で、それを桜蔭の過去問を通して鍛えていった結果、現在ではこのところまで高まってきましたね。点数的にも9割を超えてきている。また、難しい、気持ち悪い数字が出てきても、しっかり書けている。また白紙で逃げている問題はない。その部分では彼女らしくしっかり得点力がついてきたかなと思います。

発想力の必要な問題への対応が今後の課題
答案作成力もさらに磨いていく
あとは、発想力。彼女の場合、しっかり基本的な知識を持っている。ただその知識にとらわれすぎるが故に、新しい発想、真新しいものに対する対応はいまいち強くない。
なので、このような新しい立体図形の対応という部分を今後鍛えていくとともに、彼女の持ち味である答案の作成力を、より論理的でより完結な答案にできるよう鍛えていきたいなあと考えているところです。

直前の風景

冬休みに入り、どの生徒も最後の追い込みに!冬期講習、直前期授業で合格のための準備を万全に整えます。

経験豊富なプロ講師が、メンタル面、体調管理面等、これまで蓄積したノウハウをすべて出し切って試験当日までサポート!

しかし、どんなに経験があっても直前時期は緊張するという……。

試験当日~合格発表

2011年2月1日入学試験が実施された。合格発表は翌日……その結果は?

【合格発表当日】

「あったー!!よかったー!!」
「やったー!」

見事合格!おめでとう!


受験を終えて……

2011年度の桜蔭中学入試試験問題とこれまでの指導を振り返って
無事合格し、おつかれさまでした。で、今年はまず国語の方はどんな感じでしたでしょうかね。

2011年桜蔭入試での国語の問題傾向

戦争・原爆という重い題材が出された
戦争・難しい語彙やテーマから記述式の解答を求められる
M そうですね、たぶん受験生がびっくりしたのは、四角2番の文章、井上ひさしさんの、戦争をテーマにした、原爆を落とされた直後の生々しい様子を描かれた文章を出された。これは非常に驚いたんだと思います。
やはり語彙も難しいですし、生き方っていうのが全体的にありまして、それを最後にちゃんと記述で聞いているところはやはり桜蔭らしさはある!という傾向にありますね。

語彙のレベルや理解すべき概念が難化傾向にある
安部 多少傾向は続いているけども、なんか難易度が上がったとか、特に違いはあるんですか?

M そうですね。語彙の難易度もはるかに上になりましたし、道徳的な価値観をベースにした題材ですから、やはりそういうところがわかっていない、ある意味、大人の世界を知らない子っていうのは、かなり苦しかったんではないかなあと思います。

安部 なるほど。その辺は十分対策は取れてましたか?

M そうですね、彼女の場合は、初めに漢字、語彙というのは完成されていましたので、ある程度は。やはりそういう題材は狙われるだろうなあというのはもう予想していたので、そういう題材を特に9月以降意識してぶつけていった、と。もちろん、その題材をただ読みこなすだけではダメなので、そこの裏に隠されている考え方や価値観というものは、当然その子達にパターン的な部分も含めてお伝えはしていると。

安部 なるほど。

M そういうことなので、そういうことに対する対応力はかなりついてきているとは思います。

記述指導には添削とその場でのやりとりが効果的
安部 なるほど。ざっとみると、非常に記述の添削のやり取りがされてますけれども、その辺はやはり効果が上がるものでしょうか?

M そうですね。やはり記述というのは、添削とお互いのその場でのやり取り、つまり、何週間か経ってフィードバックするんではなくて、解いたその時から、どうしてそうだったのか?どう考えればいいのか?この解答に辿り着くためにどういう考え方が必要なのか?っていうものを、その場で理解させていかないとなかなか定着はしていかない。

安部 なるほど。

M ですから、それは絶対的に必要になると。

桜蔭に限らず難関校は国語の記述力を重視する傾向にある
安部 では来年度以降も、そういった記述の添削を中心とした指導で、更にやっていきたいと?

M そうですねー。来年もベースになるものは変わらないと思いますので、そこはもうある程度分かったし、やはり桜蔭というところ、開成も含めてですが、国語の力をかなり求めてきている、上位校は特に求めてきているというのをかなり感じますので、ここの部分をさらに強化した指導を来年度も続けていきたいと思っています。

安部 分かりました。

2011年桜蔭入試での算数の問題傾向

安部 今年の算数はどんな感じでしたか?

M 本当に桜蔭らしさが色濃く出た試験だなあと思うんですね。
まずこちらが今年の解答用紙なんですけど。ご覧頂くと、いつももう少し答えだけ合っていれば良いものだけが多いのが、今年はもうほぼ全てが式。考え方を書かせる。とにかくここの学校で求める粘り強く自分の方針を示す、その力を試す試験だなあという印象です。

図形や立体などの発想力の必要な問題がなくなった
安部 難易度自体はどうなのかな。

M 難易度自体は、まず、いつもと違うのが立体図形。めんどうくさい発想力が問われる図形の問題がほぼ出されていないという点で、発想力そのものの難易度は下がっていると言えるかもしれないですね。

安部 なるほど。うーん。では、どういうところがポイントになったのかな?

M とにかく、方針は見えやすい問題が並んでいる。ただ、その方針に沿って力強く解き進めることが出来るのか?と。そこの部分が今年は問われたのかなあと思います。

問題を粘り強く解ききる力が求められている
安部 まあ、解ききるってこと。

M そうですね。発想力よりも発想したものを進める力。作業力と言ってしまっても構わないかもしれないですね。

安部 ずっと指導してきて、そういうところはどういう風に注意してたのかな?

M そうですね、まず、秋から冬までは過去問を通して桜蔭が求める力はどんなものなのかを知ってもらう。直前期は求められている力を自分だったらどう発揮していくのか?ということで、桜蔭の問題に限らず、難しい問題を集めた問題集であったり、また他の男子校の難問を解いてもらう。記述や考え方を問われていないものでも「どうあなたは考えたの?」と、それを書かせるような指導を進めてきましたね。

安部 なるほど。じゃあ結構同じぐらいの学力でも答案作成技術でちょっと違ってくる、と。

M そうですね。はい。発想力がある子とパワーがある子だと、今回は発想力じゃなくて、粘り強いパワーがある子が勝ち取った。

安部 なるほどー。

M というのが、今年の算数だったかなあと。

安部 じゃあ来年度以降もそういうところ、腕力で解ききるような、そういうところが必要になってくると。

M はい、そうですね。早い段階で。今年の場合は、夏ぐらいから記述力というのをつけていったんですけれども、これはもしかすると6年生のスタート段階から、考え方は式だけではない、採点者に自分はどう考えたのか、言葉、図、表、これを使って表現していく力、これをつけていってあげることがより重要なのかなあと感じているところですね。

安部 分かりました。


難関校合格を作る現場は次の目標を目指して動き出しています


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