過去問学習法~11月時期にするべきこと~

過去問学習の利点

「過去問の問題は2度と出ないのだから、2,3年分を一回解くだけで十分!」
と言い切る講師も存在するようですが、
志望校に対する偏差値を上げたいのなら、
「過去問学習ほど大切なものはない!」
と申し上げておきます。

過去問学習の利点は次の5つ。
1・過去問の内容は学校からのメッセージです。入学後の相性もうらなえます。
2・採点基準は学校によって異なります。学校別に合わせた答案づくりを学習しなければなりません。過去問学習を通して合格答案づくりが学べます。
3・小学生は「慣れ」が点数に大きく反映します。設問に対する素早い反応が期待できるようになります。
4・時間配分、とるべきところと捨て去るところ、等、あらかじめ戦略を立てて臨めます。
5・過去問を通して、志望校に合わせた課題が発見でき、ピンポイントで弱点補強が可能です。

では、「いつから」「どうやって」過去問演習を行えばよいのか、についてお話しいたしましょう。

過去問学習法

まず、次の4点をおさえておきましょう。

1・時間制限は守る

2・答案用紙はほぼ実寸大で用意する

3・解きっぱなしにせず、必ず自己採点後、プロの添削指導を受ける

4・一度解いた年度でも、時間をおいて再び解く。その際制限時間を5分ずつ短くする

1、3について説明いたします。

量と時間の配分の感覚を学ぶため、
必ず時間制限は守りましょう。

キッチンタイマーが便利です。
50分に仕掛けると、
残り時間が出るうえ、
終わりをピィピィと告げてくれます。

時間制限が来たら、
そこで一旦止まって、
解答用紙の残った問題番号に
蛍光ペンで印をつけます。

そして再び、解き始めてください。
得点は時間制限内のものと、
時間制限後のものを含めたものと、
二つ出します。

これは、 単に時間がなくて解けなかったのか、
はたまた時間があってもできない問題なのかを測るとともに、
課題の洗い出しを明確にすることと
解かない(解けない、ではありません)問題をなくすためです。

一つの学校に対して4教科の得点が出そろったら
合格者平均を基に
それぞれの目標点数を出します。
点数を発表していない学校の場合、70%の得点率を目標にしてください。

得意科目があれば苦手な科目に何点回せるか、
どこを攻略すれば、合格点に届くのか。

これはお子さんが自分でできる部分ではありません。
親の仕事です。

3の「解きっぱなしにせず、必ず自己採点後、プロの添削指導を受ける」
に話を移しましょう。

合格答案を作るには、
志望校に沿って、
どのような採点基準かを明らかにし、
設問の型を知って、
解法自体を身につける必要があります。

これには経験豊かなプロ講師が必要な場面です。
親御さまや学生の家庭教師には無理な部分。

お通いの塾を活用しましょう。
どこの集団塾でも過去問の添削はある程度受け付けているはず。
そこで返却されたら、
その添削答案用紙をもって、
講師に質問に行くのです。

その際、
親子で振り返りを行い、
疑問点を列挙しておくこと。
また、解説を読んでもわからない場合、
その問題自体の説明を受けるとともに
その問題の解法がどうやったら身につくのか、
日々の学習内容を具体的に提示してもらいましょう。

そして何度も熱心に講師のもとへ足を運ぶのです。
その際、
過去問ノートを一冊用意して、
先生の言った注意点、ポイントを日付とともに書きこみます。
もちろん、何年度のどの問題に対するものなかもあわせて書きこんでおきましょう。

必ず説明を受けた日は、
家でもう一度ノートを見ながら復習します。

引っ込み思案のお子さんの場合、
親御さまはやきもきしますね。

そのときは親御様の出番です。
「本人が恥ずかしがって質問に行くことができませんので、
代わりに私がご質問いたします」
とお子さんの代わりに質問に行くことです。

「そんな、ずうずうしいこと、できない」
いえいえ。
教えてもその場限りで実行しないご家庭ならともかく、
志望校合格のために努力するご家庭に対して
無碍に扱う講師はいないはず。

親が調えなければならないのは

1・健康管理と生活リズム

2・良質の指導が受けられる環境

3・もろもろの事務手続き

の3点です。

この3点ばかりは親の責任。

なんて、偉そうに言っていますが、
中学受験生を抱えていた当時は、
毎日がいっぱいいっぱいで、
余裕なんて全くなかったことを
昨日のことのように覚えています。

がんばりましょう。
お子さまの笑顔を守るために。
わたしたちドクター講師も
その思いだけで日々生徒に向かっています。

※2013年11月18日メルマガより