算数攻略Q&A

以下の症状があったら、佐々木講師の特効薬をどうぞ!

◇症状 その1 計算ミスが多い

◆佐々木講師の処方箋

計算ミスが多い。この症状を訴える親御様は実に多いです。
つまりは、それだけ小学生にはよく見られる症状ですから、「うちの子だけ」とは思わないでくださいね。
とはいっても、やっかいな症状であることは間違いありません。
せっかく解法ができていても、計算ミス一つで正解できないのですから。
こんなもったいない状況にならないために、次の方法をお勧めします。
わざとむずかしい計算問題をやらせる
早いうちに分数や少数、長い式の計算をやらせて特訓するのです。
みくに出版から出ている「計算問題ランキング」

。 私はこれを早いお子さんで新5年生の2月から、遅くとも5年生の夏以降から学習計画に組み込みます。
計算は馴れの部分が大きいので、複雑な計算で荒療治してしまいます。
結構効きますよ。
私はこれでかなりの生徒さんの計算ミスを減らしましたから。

あとは覚えておくべき計算値を押さえておくこと。
3.14の整数倍などは覚えておくべきですね。

平方数の覚え方を今受験Dr.で考案中です。
お楽しみに!

◇症状その2 特殊算の文章題で解法が見抜けない

◆佐々木講師の処方箋

特殊算の問題文を見たときにどれを使うかが見抜けないお子さんは、
ただ、文章の中にできてくる数値をかけたりわったりしてめちゃくちゃな式を作ってだそうとしてしまします。

二つ以上のもので和と差が出てくれば「和差算」、
2種類ないし3種類のもので合計の個数と合計の量が出ていれば「つるかめ算」、
全体の差と1こあたりの単位が出ていれば「差集め算」、
二つのものの始めの比と後の比がわかっているときは「倍数算」、
時間当たり、一定量の増加と一定量の減少があれば「ニュートン算」、
というようにとらえることで、見抜き方を確かめておくことが重要です。

◇症状その3 文章問題ができても、図形問題が苦手

◆佐々木講師の処方箋

図形が苦手なお子さんの多くは、じっと図形とにらめっこしています。
「手を動かしてみよう!」というと、
あれこれといたずらに角と角を結ぶだけ。

実はポイントは問題文の情報です。
文章の中の情報こそがヒントです。
それを正しく読みとって、図の中に書き入れられるかどうか。
これが第一関門。

次に図形からの情報を読みとります。
円の中に4角形や複合図形がでてきたら、中心からの距離を考えて、どこかに正三角形や正方形ができないか、
という視点で探す。
基本図形(正方形、正三角形、三角定規、二等辺三角形この4つです!)を浮かび上がらせる作業をしてみる。

解いているうちに見えてくるパターンをつかむことも大切です。

この時期の乗り切り方

◇症状その1 やる気がありません

◆佐々木講師の処方箋

時間の回し方をチェックしましょう。
疲れがたまっているのかもしれませんし、
その場合、単に怠けているより症状は重いので、
まずはそこからチェック。

リズムが狂うと息切れします。
学習のリズムだけでなく、
生活全般のリズムを考えて組み直してください。
その際、予定と予定の間に少しゆとりを持たせることが大切です。

この「ゆとり」多すぎてもだめです。
だれて、かえって疲れを呼びます。
心のストレッチができる程度。
温かな甘い飲み物(ココア・くず湯など)一杯を飲む「ゆとり」。

ご家庭のリラックスした雰囲気の演出も大事ですね。

◇症状その2 模試の結果が悪かった

◆佐々木講師の処方箋

模試はお友だちです。
自分の課題を教えてくれます。
振り返りをして、正答率の高いものから確実にできるようにする。
苦手な分野がはっきりしたら、
週に一回、課題克服の時間を2時間とって、
その対策をしましょう。

塾の宿題に追われて、
とか、
週テストに追われて、
とか、いろいろ時間のとれない事情はありますが、
意識的にこの課題克服の時間を予定に組み込んでいくことが、
結果的に実力養成の近道なのです。

◇症状その3 過去問がとれない

◆佐々木講師の処方箋

これは6年生の夏以降に起こる症状ですね。
2月、ないしは1月の本番に間に合えばいいのですから、
過去問は傾向を知って、
己の課題の足りない点を補うことが大切です。

日頃、算数の問題を解くときに、
時間を計って、
スピードを意識してみることも大切です。

算数の場合、
捨て問のみきわめも必要ですね。
場合分けなど、
見ただけで膨大な作業が予測され、「捨て問だ!」と判断がつく場合もありますが、
多くは少し作業してみて「捨て問」か否かがわかります。

なるべくわずかの作業で、
「捨て問」が判断できるようになるためには、
それぞれの解法が定着していることが必須です。

結局、それぞれの解法の根本原理をつかむことが重要なのですね。
算数の根本原理につきましては、
受験Dr.の「偏差値20アップ指導法」「算数ポイント集」を参照してください。

※2013年9月23日メルマガより

算数を好きになろう!高等数学へとひろがる世界

今回のインタビューは、算数の佐々木裕子講師。
研究熱心できめ細やかな指導が大好評の当塾のイチオシ講師です!

数学を通して見る世界

数学を好きになったきっかけは?
春野「 佐々木先生は津田塾の数学科ご出身でいらっしゃるんですが、小学生のころから算数がお好きだったのですか?」

佐々木「 いえいえ。むしろ算数は苦手でしたねえ。」

春野 「 えっ?!それは勇気づけられるお話ですね。」

佐々木「 私が数学に目覚めたのは中学に入ってからで、小学校時代は算数あんまり好きではなかったんですよ。ですから、今、自分が講師として教えていて、算数いやだってお子さんの気持ち、すっごくわかりますね。」

春野「 そんな佐々木先生が、中学に入って数学を好きになったきっかけはあったのでしょうか?」

佐々木「 ええ。近所に小さな塾がありまして、そこのおばさん先生が結構厳しい方だったんですね。でも、なぜか私その方が好きでして、初めにそこで習ったのが一次関数だったんです。単なる棒線一本が、X軸Y軸を与えたとたん、数式として表せてしまう。すごい!すごい!って感動してしまったんですね。」

春野「 なるほど。言われてみれば一本の線に過ぎないものが数式になるって、不思議ですね。」

佐々木「 そうなんです。それで、即本屋さんに行って、『一次関数』の参考書を買って、「接点」とか「傾き」とかそういった概念の意味を知って、おもしろい!と。なんでもないと見えるものに意味が与えられることにひたすら感動していました。」

中学受験算数と高等数学は近い?!
春野「 で、成績も上がって数学が好きになったと。」

佐々木「 上がりましたねえ。高校行っても数学がおもしろくて。もっと究めたい、と思って数学科に進学を決めたんです。」

春野「 数学と算数ってどんな点が違うのでしょうか?」

佐々木「 算数って、二つ以上わからないものがあって、一方にそろえることで答えを導くんですね。つるかめ算、和差算、過不足算、と。等しいか、違っているかに着目する。それに対して、中学の数学って、それを数式化するんです。XとかYとか記号を使って数式で表して解くんですね。それが、高校から大学の高等数学になると、どんどん証明になっていく。」

春野「 証明、といいますと?」

佐々木「 数学って基本仮定法なんです。ある定理を証明する際に、これはこうだ、と仮定しておいて真偽をはかる。真、となれば証明できたということです。一つの定理を証明するのに、それこそ途方もない数式が必要で、その手順は万国共通です。よく言われることですが、数学って世界共通言語なんですね。」

春野「 へえ。」

佐々木「 で、私が思うに、算数って、中学の数学ではなく、実は大学で学ぶ高等数学に近いんですよ。」

春野「 へえええ。じゃあ、算数がんばってる子は、将来のミニ数学者。」

佐々木「 ミニ数学者。いいですねえ。でも、本当に算数と高等数学はつながっています。算数オリンピックもありますが、ああいう取組から将来の数学者が生まれるといいですね!」

数学は見えない部分で世界を支える
春野「 数学って、実社会ではどのように役立つのでしょうか?」

佐々木「 実はこの世界の見えない部分はかなり数学で成り立っているんですよ。今PC普及してますが、当然PCのつくりは数学ぬきには語れません。宇宙に出るのだって数学なければ無理です。理論づけることで世界を広げる、数学の世界は奥が深いんです。」

春野「 算数と高等数学のつながりがあるなら、中学受験生はぜひ算数を好きになって、未来の数学界を牽引していってほしいですね!」

佐々木「 本当に。算数ってこんなに理論だてられておもしろいんだよ!ってことを子どもたちに伝えられる指導、そんな指導を日々めざしています!」

春野「 本日は興味深いお話をどうもありがとうございました!」

※2013年7月15日メルマガより