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麻布中学校 / 学校説明会 / 実況中継

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只今より2011年度麻布中学校学園説明会を開催します。
この説明会は本日を含め3回開催されますが、内容はいずれも同じです。
本日はその第2回目にあたります。
1時間半程度、麻布学園の教育や生活、募集要項の説明を行います。

それではまずはじめに、氷上校長から麻布の教育と1年間の学園生活について説明いたします。

氷上校長のお話

本日は麻布中学の学園説明会においでいただきありがとうございます。
わたくしを始め、何人かの者が違う角度から麻布学園の紹介をさせていただきます。
麻布という学校を少しでも知っていただく機会になれば幸いです。

麻布学園は自由と自主自立をその校風としてきました。
その校風は一朝一夕にして出来たものではなく、116年の長い歴史を通して築かれたものです。
そしてその校風の源は何といっても創立者江原素六にあります。
江原素六と言ってもご存じない方が多いと思いますが、麻布学園にとってはありがたくもかけがえのない存在なのです。

わたくしはこの創始者江原素六に絞ってお話ししたいと思います。
江原素六は若き頃、幕末の動乱を武士として徳川に仕える幕臣として戦い続けました。
しかし時に実ならず、敗者となって静岡の地で明治維新を迎えます。
以後、幼き頃から叩き込まれた儒教の精神にキリスト教の厚い信仰を継ぎ木し、柔軟かつ強靭な信念を持つに至り、大正の末になるまで80年間の生涯を生き抜きました。

江原素六は宗教、政治、社会事業などの分野で多大な業績を残しましたが、中でも最も力を入れたのが教育事業でした。
彼は1895年、明治28年に麻布中学校を創立し、初代の校長として30年間、生涯が終わるまで麻布中学の教育に精根を傾けたのです。

江原素六のお墓は静岡は沼津の地にあります。
毎年中学1年生300名とともに、墓参の機会をとっていますが、今年も先の10月13日にバス7台を連ねて行ってまいりました。
生徒達が息を凝らして墓前で献花する姿は、日頃のやんちゃぶりを知る者には意外な気がするのですがそれには訳があります。
彼は事前にその伝記、私ども麻布学園が発行している麻布文庫の第2巻、「江原素六の生涯」なる書物を読んでいることがあって創立者江原素六を非常に尊敬しているのです。
わたくし校長が夏休みに中1の300名全員に宿題として課している、「江原素六の生涯」の読書感想文の中からをいくつかご紹介してみましょう。

江原素六との出会いを通じて、彼らの麻布学園観、麻布学園がどういう学校か、麻布学園で自分たちが第一に何を学ばなければならないか、言うところの自由とは何を意味するのかなどの想いが彼らの言葉で率直に語られています。

まず、現在の麻布学園のひと味違った校風が江原素六と関係しているという自分なりの発見について語られた文章です。

中1男子生徒の読書感想文

麻布がひと味違うわけ

麻布は他の学校とはまたひと味違う。
そんなことは入学してまだ4~5ヶ月しか経っていない僕にも分かることだ。
今回「江原素六の生涯」を読み、その根本となる理由が分かった。
江原素六の人生は僕が思っていたよりも波乱万丈なものだった。
幕府軍として戊辰戦争に参加し、なんとか生き延び静かに暮らしたのち、次は政治の世界で活躍していく。

自分の学校の創設者がそんなマンガのような人生だったことに僕はとても驚いた。
もうひとつ、「江原素六の生涯」を読み、彼について印象的なことがある。
それは教示者としての江原素六である。
沼津兵学校や麻布中学校を創設しただけあって、頭が良く教え方もうまかったのだろうがそのような教示者はほかにもたくさんいるだろう。
僕が江原素六の魅力を感じたのはそのことだけではなく、彼の生徒たちとの接し方である。
江原素六は何事も生徒たちのことを気遣い、気にかけていたのだ。
「江原素六の生涯」は僕にとって印象的な一冊となった。

最後に、麻布がひと味違う理由だが、それは江原素六にあるのではないだろうか。
彼が他にいないような素晴らしい教師であるがために麻布も他の学校とはひと味違う学校になったのだと僕は「江原素六の生涯」を読んで感じた。
素晴らしい教育者江原素六が創立した素晴らしい学校、麻布の生徒であることを僕は誇りに思う。

続いて自由とは何かについて反省的に語られている文章を2つ紹介します。

中1男子生徒の読書感想文 自由とは何か①

(自由の意味を選択するという主体性が大切だと考えた文章)

江原素六の「青年即未来(青年すなわち未来)」

「青年即未来(青年すなわち未来)」。
これは江原素六が麻布学園に託した自身の考え、モットーである。
青年すなわち未来、青年はこれからの社会の未来そのものであるという意味だ。

江原素六は一生を通じて政治や興業、教育の世界に深く関わり、日本が欧米諸国の比べてどれだけ遅れているかを実感した。
そして、この現状を打破するためには国民がそのことに気づき、教育というかたちで青年にそのことを教え、青年が国家友誼の人材として自らを形成できるようにしなければいけないと考えた。

また、大人や老人は過去の習慣や制度が身についてしまい改革や改正をすることができない。
それが出来るのは青年達だけだと述べた。

大人たちは生きた年月が長いほど、経験や知識も豊富だ。
亀の甲より年の功という言葉もある。
それに対し、子供や青年は経験も知識も乏しくまだ未熟である。
だが、まだ未熟でたくさん学ぶべきことがあるために今後の学び方や経験次第で人間性や考え方は変わる。

つまり、自分で自分を選択することが出来るのだ。
しかし、自分で自分を選択することへの責任も大きい。
生徒に対して様々な可能性を提示し、自分で自分を選択する、その選択肢を増やすこと、それが今も受け継がれている麻布の自由なのだと思う。

ただやりたいことを自由にやるというのはそういう自分を選んだ自分の選択であり、決して自由そのものではない。
自分で選択する自分は時には無限の可能性を秘めたものになり、時には無限の堕落を秘めたものになる。

僕は麻布という学校に出会えたことに感謝している。
中高6年間その中でたくさんのことを学び、体験し、自分で自分を選択する力を付けたいと思う。

中1男子生徒の読書感想文 自由とは何か②

(自由の危うさについて自分を戒める観点で書かれた文章)

勉強との両立

この本を読んで江原素六が麻布学園や他の学園を創立した意図が良く分かりました。

そこで、この6年間どんな風にすごそうかと考えました。
江原素六のことは全く知らなかったけれど、この本を読んでかなり偉大な人だと分かりました。
僕は江原素六の人を見る目や、とてもいい決断力が羨ましいです。
彼が人の弱点を理解し、その人にその点を分かりやすく伝えるのもいいなと思います。
父親に反抗を全くしなかった彼でも世の中のために父親に反抗したという点もすごい方だなあと思います。

麻布は自由な学校です。
知りたいことややりたいことを他の学校でもできないことも出来ることが僕はとてもいいと思います。
だから今僕はバスケットボール部と剣道部を兼部して、大変だけれどとても楽しくやっています。
そして今は勉強も頑張っています。

いずれは部活を一つに絞って、文化祭や運動会の実行委員会に入って文化祭や運動会を盛り上げみんなと協力したいと思っています。

今から一番気をつけていかないといけないことは、やりたいことと勉強の両立だと思っています。
麻布は自由だと思って、部活や遊びの方に気がいってしまっている人や先生と対等だと思っていて最低限の礼儀を守らないのはとても残念なことです。

江原素六は、学校はあくまで教育の場と考えていて、自由ということは羽を伸ばしてふざけることではなく、最低限の常識を踏まえたうえで興味を持ったことをやるということであるので、人の話をよく聞いて決して先生に失礼な態度をとらないようにしたいです。
また部活に偏らないで勉強を面倒くさがらずやっていきたいです。

最後は、江原素六という人から学んだ自分の生き方、特に麻布学園の6年間で何をしなければならないか、その思いをつづった文章です。
この文章は、実はお聞かせするには問題があります。どうか前半は聞き流してください。

中1男子生徒の読書感想文

江原素六先生と僕

小学5年生の冬、塾の授業中に国語の先生に呼ばれた。
僕は宿題を全く提出しないので怒られるかと思った。
ところが先生は「志望校決めた?」と聞いた。
僕は驚いたけれどもうそういう時期なのだとと思い、「はい、麻布です」と答えた。
先生は「じゃあ物語文は好きか」と言い、僕が「はい」というと「ならいい」と言って教室へ戻った。

その頃僕が麻布学園を志望していたのは、自分が意志からではなく母の「開成はあなたには無理だし、武蔵は落ちている、駒東は学費が高い、だから麻布にしなさい。だらしないあんたにぴったりじゃない」という言葉からだった。
僕は軽い気持ちで志望し、勉強は一日3分、受験しなぜか合格した。

合格した以上、一麻布生としてどう生活するか考えなくてはいけないと「江原素六の生涯」を読んで思った。
そして今がある。
僕が最初に江原先生はすごいと思ったのは若い頃の先生が楊枝を売る際に、本来なら外側に出来の良いものを、内側に悪いものをという風に束ねるのに、先生は悪いものは悪い、良いものは良いという風に言って客から信頼を得たことだ。
他にも多々すごいと思うところがもっとあったが、枚挙にいとまがないのでこれだけで終える。
僕はこの例がなぜすごいかと言うと、客を騙さず、正直に言って信頼を得たところだ。
僕なら隠すか否かと言われたら100%前者だ。
しかし、江原先生は正直にすることで信頼を得たのだ。

信頼を得るということはすごいことだと思う。
なぜなら、信頼を得るには正直でなければならないからだ。
僕は、いやほとんどの人がそうだと思うが、どうしても自分のことを第一に考えてしまう。
それがゆえに正直になれないのだ。
が、その分信頼を得たときの喜びがとてもすごいと思う。
麻布学園は信頼できる人間、信頼される人間をつくるためにあるのだと思う。
だから僕も信頼できる友人を探し続け、信頼できる人になりたいと思う。

以上、創立者江原素六が麻布学園の校風や方針にいかに深い影響を時空を超えて今日なお讃え続けているか、その発端を知っていただけたのではないかと思います。

江原素六の行き着いた建学の精神とは、一言、「青年はすなわち未来である」という言葉に集約されます。
よくも悪くも青年の中にこそ未来はあると江原素六は申しました。
レントゲン写真を撮ってみれば分かるように、その時代の青年を見ればその社会の特質がわかる。
その社会の未来も予測できると申したのです。

そうして江原素六は、「自分は現実の麻布中学の生徒諸君の中に、将来の希望ある社会を予測することが出来る幸せ者だ」と付け加えました。

江原素六は同じ文章の中で、大廈高楼な校にそびえるようになったとしても、それに出入りするもの品性が下劣であるならばどうだろうか?むしろ、家屋は貧しくとも国民品性が高尚であるべきなのであると述べました。

今日、麻布のグラウンドに出てみれば、おのずから六本木ヒルズをはじめ、四方に林立する大廈高楼が目に入ってきます。その度に建学者の言葉が否が応にも思い出されます。

江原素六のいう「希望ある社会」とは時代に迎合しない深い人間性をたたえたものでした。
すなわち、品性を備えた者たちが作りだす社会であります。
建学者江原素六は少年の中に宿っている豊かな人間性をいかにして引き出すか、ここにこそ中等教育で与えられた使命があると考えていました。

今日、しかし、そのような教育の方針を貫くには、我々の取り巻く環境はすこぶる厳しいと言わざるをえません。
少年たちはお金や、支配力、それに享楽といった分かりやすく刺激的な価値の洪水に流されながら生きています。
今日における少年たちは自らの中に宿る豊かで多様な価値に気付き、これらを時間をかけて探究しようとするには甚だ困難な状況に晒されていると言って良いでしょう。

しかし、かつて江原素六の学校として世に知られた麻布学園としては、あくまでも一人ひとりが多様で豊かな生き方に目覚めるような6年間であることを目標とする教育に徹したいと思います。

いかなる時代であっても生徒一人ひとりの精神と肉体の発達に焦点をあて、知、情、意、人間のあらゆる面における良き資質を引出し、これを鍛え、長い人生の土台を作るということ。
これが創立以来、及ばすながら追及してきた麻布学園の教育の姿勢です。

この基本的な姿勢は今後とも変わることはありません。
そして、その姿勢を貫くためには何よりも我々教職員が同じ困難な時代を生きる10代の生徒一人ひとりをよく理解し、まだ柔らかく形成途上にある生徒それぞれの個性に向き合うことだと思っています。

江原素六の自らに課したモットーは「生涯を青年の友として」というものでした。
これは麻布学園の教職員一人ひとりのモットーでもあり、覚悟でもあります。

(氷上校長の話終わり)

佐藤教務主任のお話(麻布学園の教科内容について)

本日は教務を代表して、カリキュラムの説明と入試にかかわる注意事項についてお話ししたいと思います。今年度は2月1日の入試で試験教科につきまして4科。4科合計の総合順位によって合否を判定いたします。
各教科の必要最低点も設けております。試験時間は国語、算数は60分、社会、理科は50分です。
途中昼休みを挟みます。

また、算数につきましては昨年持ち物としてコンパス、直線定規が指定されていますがおそらく今年もそういった指定になると思います。
調査書、健康診断書ですが、出願時には特に提出を求めておりません。
健康診断書は3月初旬の健康検診の時、内申書に相当する児童指導要綱は入学後に担当のものに出していただくかたちになります。

2月11日に入学許可者説明会を実施します。
この日は祝日に該当しますが保護者、また受験生本人、そろってご出席いただきます。
欠席されますと入学を辞退したものとみなして許可を取り消させて頂きますのでご注意ください。

繰り上げ合格について、保護者に電話を使いまして繰り上げ合格の通知をさせていただいております。従いまして出願時に緊急連絡先として携帯の電話番号と日中連絡の取れる電話番号を書いていただいております。
電話連絡の2月3日の合格発表から2月11日の入学許可者説明会の数日後までの期間で発表します。繰り上げ合格を出したかどうかにつきましても一切非公表としております。

佐藤教務主任のお話(個々の教科について)

現代文、古文、漢文の説明ですが、現代文を中心に中1から高3まで全員必修というかたちでカリキュラムを置いております。
学年で発達段階に応じた指導がありまして、どの学年にどの作品を学ばせるのかというようなことが重要な部分になっているようで、さまざまな検討を進めてカリキュラムを決定しています。
中学校はおおよそ近代文学の有名な作品を中心に進めます。
他の教員が作品や作者について論評し合う姿をよく見かけるのですが、こうしたことが対話型授業のバックボーンになっているように私には感じられます。

中2から古文、中3から漢文が始まります。
中1国語4時間のうちには書写の時間も設けておりまして、書道の先生が少人数で指導します。

数学ですが中2が5時間、中3が6時間です。中2までに中学校の内容を終えます。
小テストを頻繁に行います。

中学の英語は週6時間あります。中1から中3では外国人の講師が担当する授業もあります。中学の教科書は「バードランド」という中高一貫校向けでなかなか進路が早くて生徒は予習、復習が大変そうですがそのような教科書を用いて行っています。

英語科の専任は中高で講師をいれますと22名で多才で刺激的な先生は多いと思います。

社会科ですが、「世界」という科目となります。
こちらは世界史、地理の専門の教員が指導して世界歴史の大きな流れをつかむように工夫されています。従いましてその後の日本史や公民の経済、倫理、また当然、世界史、地理と言った内容にも役に立つ、そういう窓口の授業になっています。
ドキュメンタリー映像や希望に応じて外国の映画を観たり、外国の料理を作るようなこともやっています。

理科ですが、中1は4時間ありますが、そのうち半分は実験にあてられておりまして実験を重視した内容になっています。
中1の実験ですと生物が中心ですが、ここに写真がありますけども、物理の幾何光学実験、これはレンズや反射といったことを扱ったりするんですが、数学の幾何の進路にあわせて行なわれていくようです。

カリキュラムについて説明を加えますと、中学校は来年度から新学習指導要領に切り替わりますが本校は週6日制ですので大きな変更はありません。
また高等学校も来年度は数学と理科が先行実施となりますが若干の変更はありますが先に紹介しました教科の基本構造を活かすかたちで対応することにしています。

入学試験についてですが、麻布中学校は学力試験のみによって入学生の選抜を行ないます。
口頭試問や面接、作文は行なっておりません。
そのかわり、試験問題の中に自由作文の要素を含むような出題を行なうなど受験生の総合的な力をはかります。
算数でも答えだけではなく、答えを導く途中経過の式や計算、考え方も書いてもらいます。
各教科、子供たちが疑問や課題を自分なりに捉え、じっくり考えるプロセスを見たいと考えています。

出題にあたりましては小学校の教科書の内容を十分研究しています。しかし、教科書の内容の出題については発展的な関連をもってある程度柔軟にお考えください。

安藤教務主任のお話

3月11日に発生した大地震に対する学校の対応を報告させていただきます。
この日はクラブ活動、補修、補講授業が行われており、400名以上の生徒と30数名の教員が校内にいました。大きな揺れがおさまった後に非常放送で校内の生徒へグラウンドに非難させて1時間ほどグラウンドで待機させていました。
その間に教員が情報収集を行い交通機関のマヒ状況から自転車や徒歩で帰宅できない生徒を学校に宿泊させる判断をし、点呼をとった上で教室や特別教室に宿泊させました。
約350名の生徒が学校で宿泊しました。

電話が不通状態の中で生徒の無事と宿泊させることを保護者に知らせるためにホームページに生徒の氏名を掲載しました。
また、飲料水、非常食、保温シート、毛布を備蓄していましたので宿泊生徒へ配布し対応しました。

今後も本校では、震災のための備蓄品や避難訓練の導引などをはかっていきます。

本校は1学年300名、全学年7クラス編成で中学1年から高校3年まで1クラス約43名です。
各クラスには担任、副担任がつき1学年は7クラスですから合計14名の教員で学年会を構成し生徒の生活についてきめ細かい指導を行っています。

一例を挙げますと、クラスごとに毎日日直の当番になった生徒はその日の6時間分の授業の内容とその様子や感想付きにして放課後担任に提出する日直日誌というのがあります。
生徒の感想に担任がコメントを書いて応えるという担任と生徒の意見交換の役割を果たしています。
このように日誌でクラスの様子を把握し、指導の資料として日誌を使っています。

クラス編成ですが、各学年とも毎年クラス替えをおこなっています。
その際に各クラスで生徒の成績が均等になるように振り分けています。
成績別やコース別のクラス分けは行なっていません。
ただし高校2年、3年では数学、理科、社会の選択科目の関係からおのずと文系と理系のクラスが出来ています。

本校は一貫教育を行なっております。
6年間で5回のクラス替えがあります。出来るだけ学年の多くの人と友人関係を築いてほしいと思っております。

授業は50分授業で土曜日にも授業を行います。
各学年とも4月から10月は8時、11月から3月か8時20分に始業となり、教室で10分間の朝礼を行います。
ここで担任が出欠をとり連絡事項を伝えます。
なお中学1、2年生は6時間目終了後終礼を行います。
下校時間は午後6時です。

朝の8時台の始業は早いのではないかとご指摘を受けます。
麻布生の通学時間は平均約1時間ですが遠くから通学する生徒も多いので、そのような生徒は大変だと思います。
さらに生徒のお弁当を作る保護者の方はもっと大変です。
しかし、ラッシュアワーを避けることが出来ること、放課後クラブ活動をする時間が多く取れることなどメリットは大きいと考えています。

麻布の生徒は学校が大好きです。
朝6時の開門と同時に学校に乗り込んでくる子もたくさんいます。
朝練があるクラブもありますが、ただ友達とおしゃべりしたりするためだけに来る子もいます。
高2、3年生には朝早くから教室で勉強している生徒もいます。

放課後は下校時間の6時になっても、グラウンドや教室に多数の生徒が居残り、日直の先生が「いい加減に帰れ」と追い出して帰ることもしばしばです。

特に文化祭や運動会の直前になると実行委員会の活動やクラブの展示の準備などで多数の生徒が残るので、学校もその時期には下校時間を大幅に繰り下げています。
昼食ですが原則としてお弁当持参です。
ただ、食べ盛りの生徒たちの食欲はそれで収まりません。
講堂の下の食堂では朝7時半から午後3時近くまでカレーライス、麺類、お弁当や飲み物などを提供しています。

続いて服装、髪型ですが、生徒の服装髪型などは自由に任せています。
中には運動会の前など応援団の生徒は髪の毛を赤、黄、青、緑などに染めたり奇抜な髪型にする子もいます。
イベントが終わると髪の毛を黒く染めなおしたり、もとの髪型に戻したりするのではなく短く切ってしまう子が多いので、イベントの後は坊主が校内にあふれています。

学校として定める制服はありませんが、昔制服であった詰め襟、黒ボタンの学生服を標準服としています。入学時に緊張して着てくる子が多いのですが強制しているわけではありません。
ブレザーなどで来る子もいます。

いくつかの運動部では対外遠征試合で標準服の着用を義務づけているところもあります。

麻の葉のデザインの入った黒ボタンはひとそろい800円で購入できます。

校則ですが本校には明文化された校則はなく、生徒も自由にのびのびと過ごしています。
しかし、学校生活や社会生活を送っていく上で常識としてのルールやマナー、モラルを身につけることが必要なことは言うまでもありません。

逆に言えば生徒は外から強制的な力が強く働かない分、自分自身の内部に自己を律するしっかりとした基準を作ることが求められるわけです。

一生懸命勉強して入学してくる生徒たちですが、およそ世の中の中学校で起きていることは大なり小なり本校でも起きていると思って間違いありません。
生徒はいろいろなつまずきや失敗をしながら他人とどう接し、関わっていくかを学んでいくとも言えます。

たくさんの校則を定め、それに違反したら取り締まるというやり方は明解で簡単かもしれません。
ですが我々が生徒一人ひとりの気付きを忍耐強く見守っていく方向性をとっています。

生徒が大きな逸脱行為を起こしたら時、そこからある意味本当の指導が始まります。
特に本校ではいじめ、暴力、窃盗については絶対にしてはならないし許してはならないという態度で臨んでいます。

人間としてしてはならないこと、許してはならないことについて本人が本当に気付き、新たに変わっていけるという確認が取れるまでご家庭の協力を得ながら生徒本人ととことん話をして指導しています。

生徒と担任レベル、学年会レベル、教員集団全体レベルそれぞれで、夜遅くまで議論することもしばしばです。

本校にお子様を入学させようとなさっている保護者の皆様、その点はどうぞご安心ください。

次に、試験、成績評価についてですが、言うまでもなく学校生活の中心にあるのは勉強です。
教員は知的好奇心を刺激し、自ら進んで学ぶ習慣をつけるような授業を心がけています。
特に中学低学年の間には、英語、数学については毎時間小テストを行い前回の確認をしながら授業に入るようにしています。
宿題もあります。

定期試験のあとには、成績不振の生徒一人ひとりに見合った個別の指導や補修なども行っています。

高校になると実力試験が各学期の初めにあり、普段一夜漬けで中学期末試験を切り抜けていた者は、本当の実力をしみじみと思い知らされることになります。

文化祭、運動会、クラブ活動ですが、学校行事の中でも春の文化祭、秋の運動会は生徒が一番生き生きとし本校らしさが一番表れている行事です。
一般にも公開している行事ですので、ぜひご家族で来ていただき、見て感じてください。

今年は3月の大震災により、春休みいっぱい学校を閉鎖し生徒の活動を禁止するなどしたため、文化祭が1ヶ月半延期になるなど学校生活に大きな影響がありました。
文化祭当日は混雑による危険を回避するため、一時入場を制限するなどしてご迷惑をおかけした方もいらっしゃるかもしれません。
この場をお借りしてお詫び申し上げます。

さて、次はクラブ活動についてです。
ほとんどの生徒はどこかのクラブに所属しています。
学園には文化部、運動部あわせて47クラブが存在します。
なかには2つのクラブを掛け持ちしている者もいます。
各クラブの活動日は大体週3日くらいで、運動部ですとさらに土曜、日曜に試合が加わることがあります。

多くのクラブでは高校2年の夏休み明けに引退して、いわゆる受験勉強の態勢にはいります。
クラブに熱中しすぎて勉強がおろそかになった生徒もここで気持ちを切り替え猛烈に勉強をはじめ、大学入試に備えています。

ひとつのエピソードを紹介させていただきます。
この前の東日本大震災に際して本校の高校2年生が被災した小学校の児童に本を贈ろう、被災者に義捐金を送ろうという活動を立ち上げました。
始業式で全校の生徒に呼びかけたり、PTAの会合で保護者の方に訴えるなどして1000冊以上の児童書や多額の義捐金を集めることができました。

集めた本は車に積み、夏休み前に生徒たちと校長、教員、事務長とで福島県と宮城県の小学校に無事送り届けることができました。
活動する中で高校でも被災者のために役に立つことが出来るということ、行動を起こせば多くの賛同者が得られるということ、そして何より自分たちの活動が子供たちに喜んでもらったことが彼らにとって大きな糧となったと思います。

学年行事ですが、中学3年生は2泊3日で広島、関西、南紀の3コース。
高校2年生は3泊4日で北海道2コース、九州、沖縄の4コースで行なわれました。
その他の学年は日帰りの遠足や体験学習が中心の行事となっています。
これらの行事や旅行は各学年の教員の協議で決まるため毎年内容が変わります。

クラス旅行は自由参加ですが、今年は夏休みに中学1年2年生を中心としたクラスで担任の引率のもと、2泊3日の親睦旅行を行いました。
冬にスキー旅行に出かけるクラスもあります。

最後になりましたが、今までお話しした学校生活の内容は麻布学園のホームページに詳しく掲載されています。

山田事務長から入試前後の事務手続きのお話

2012年度の生徒募集は中学第1学年300名です。
高等学校の募集は行いません。
出願資格者は来年3月卒業見込みの男子生徒に限ります。
従いまして対象者は原則として1999年(平成11年)4月2日以降から2000年(平成12年)4月1日までに生まれた男子の生徒になります。

小学校は日本における国立、公立および私立の小学校とし学習学校は該当いたしません。
また、海外の場合は対象年齢で日本人学校や日本の小学校に相当する現地の学校に在学、または卒業見込みの生徒になります。

出願期間ですが来年度は2012年1月20日から25日までになります。
受付時間は平日午前9時から午後3時まで。21日は土曜日になりますから12時で終了いたします。
また22日は休みになります。

願書は持参が困難な場合には郵送でも受けておりますが、原則として直接事務室の窓口までお持ちください。

願書の記入要領ですが、願書は太枠の中をすべて記入いただきますが、小学校の印は必要ありません。
保護者の欄では保護者の欄の後ろに印鑑を押してください。
また、電話番号を2つ書く欄がございますが日中必ず連絡のつく番号をひとつ記入をお願いします。

写真ですが願書提出前3ヶ月以内に撮影していただきたいと思います。
白黒でもカラーでもかまいません。
また、答案記入の際にメガネをかける人はメガネをかけて写真を撮ってください。

当日は午前と午後1回ずつ願書の写真と本人の照合を行います。
また出来上がった写真は願書に貼る前に裏側に必ず氏名を記入してください。

出願の手続きですが、願書を出願時にあわせまして受験料振込み証明書をお持ちください。
受験料振込みは今年の12月1日から1月25日までとなっています。
願書受付当日、学校では入学願書と振込み受付け証明書を確認して受験番号を発行し受験票をお渡しします。

入学試験は2月1日水曜日です。
試験科目は国語、算数、社会、理科の4教科でその他詳しくは受験票提出時に改めて説明書をお配りしますが、試験当日は集合時刻の8時30分が近づきましたら教員の指示に従って受験生は各自講堂前の中庭を抜けて受験会場に入っていただきます。

いったん受験会場に入りますと、すべての試験が終わる2時30分までは面会、差し入れは出来ません。
当日は受験生本人の他、保護者の皆様や塾関係者で大変混雑いたしますのであらかじめ必要なものはすべて受験生本人に持たせておくようにおすすめいたします。

合格発表は2月3日午後3時の予定です。
合格者の受験番号を講堂前の中庭に掲示します。
合格者は当日午後5時までに受験票を事務室の窓口に提出の上、入学手続き書類を受け取りください。
電話での合否の問い合わせやホームページでの合格発表は行っておりません。

入学手続きは発表の翌日、2月4日になります。今回は土曜日です。
午前9時から正午までに手続きをお願いします。
手続きの際は受験票とあわせて在学保証書と入学金32万円をご用意ください。
2012年度は2月4日当日が土曜日になりますので金融機関の窓口はやっておりませんのでご注意ください。
また、当日手続きが行われませんと入学許可になりませんのでよろしくおねがいします。

お支払い方法につきましてはあらかじめお届けいただきます銀行口座から自動引き落としとなります。
授業料につきましては4月から8月までの5ヶ月分を4月下旬に、残りの7ヶ月分を9月上旬に引き落としをさせていただきます。

奨学金について説明させていただきます。
経済的な援助が必要と認められる生徒に限って毎年学内で選考を行い無料貸し付けを行っております。ただし、制限がございますので本当に必要と認められるものに絞っています。

また、授業料特別免除制度は、家計が急変し学納金を納付することが困難になった麻布中学生に対して授業料を免除する制度です。
高校生につきましては、いろいろな奨学金制度がありますので必要に応じてこれらとあわせて麻布学園の奨学金をご利用ください。

最後に受験生のみなさま健康に気をつけてください。
万が一、受験当日に体調が優れない場合には一般生徒とは別の部屋や保健室で受験する方法もございますのでご相談ください。

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