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筑波大学附属中学校 / 学校説明会 / 実況中継

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本日はお忙しい中、本校の説明会にご出席いただきありがとうございます。
只今から平成23年度筑波大学付属中学校の学校説明会を開催します。
まずはじめに、本校校長藤堂良明よりごあいさつ申し上げます。

校長挨拶

みなさん、こんにちは。本日はお忙しい中多くの方々にお集まりいただきありがとうございます。
本校は明治21年に創立され、今年で123年を迎えており、多くの卒業生を輩出しております。
まず、本校の育てたい生徒像についてお話しさせていただきます。
知育、徳育、体育、バランスのとれた子供を育てようと思っております。そのもとで、余った力を人のために使えるという子供を目指しております。

知育といいますのは、各先生が独自のカリキュラムを作りまして、生徒の発達段階に応じて授業を大切にいたします。その中で生徒は自ら考えて、自ら判断する力を養っていきます。

徳育の方は、ホームルームアワーといったようなものを設けまして、生徒同士で話し合いをしてもらい、例えば「行事を円滑に進めるにはどうしたらいいか」あるいは「自治とは何か」というものを話してもらいます。

体育は、日頃の授業とともにクラブ活動を通して生涯スポーツの基礎である体力を養って、頑張り通す力を養うことを心がけています。
バランスのとれた子供を作ったあと、その力を人のために使うということは、例えばサッカーボールを人に渡すときに泥がついておりましたら、その泥をさっと払って相手に渡せるような子供、また、質問を受けた時に優しく相手の立場に立って答えられるような思いやりのある子供を育てていこうと思っております。

次に、本校の特徴は、全国でも珍しい小中高の一貫教育ができるということでございます。
この敷地内に、隣には高等学校がございます。生徒は毎日その先輩の姿を見ながら生活できております。先生の方も、自ら研鑽に励んでおりまして、年に3回、各教科ごとに大学の先生を交えて子供たちの成長に合った授業というのはどうしたら良いのか、ということを研究します。
そして、最後の4回目に全国の先生方に集まってもらって研究授業をいたします。こうして、常に多くの人の目にさらされながら自己研鑽をして、中等教育の先進校を本校は目指しております。

最後になりましたが、「卒業生列伝」というのがございます。これは、前副校長が書いたものなのですが、これまでに1万2千人を超える卒業生を輩出しております。
その中で内閣総理大臣は、つい先程民主党の党首でありました鳩山由紀夫さんの祖父、鳩山一郎さんが本校から卒業しております。
戦後の厳しい世の中で国際連合に加入することに尽力した人でございます。
また、小泉内閣時代に外務大臣を務めました川口順子さんも本校の卒業生です。
絵画の方では、岸田劉生さん、作家の方では「あめりか物語」や「ふらんす物語」を書きました永井荷風さん、現在では狂言の方で野村萬斎さんがあります。
野村さんは、芸術だけではなくて、人々に元気を与えるような作品を発表したい、とこのように今でも話されております。

本校は、知、徳、体のバランスのとれた生徒を育て、将来、真のリーダーとなるべく人を育てようと思っております。こうした教育方針にご賛同なされます方はぜひとも多数本校を受験していただければと、お願いをこめて私の挨拶に代えさせていただきます。

次に、本校副校長、舘潤二から、本校の教育活動についてご説明をさせていただきます。

教育活動について

副校長の舘と申します。この会場に入られてくるときに中庭を通られてきたと思うんですけれども、私自身が大好きな風景がありまして、それが中庭から見た教室の風景なんですね。
この学校は1年生から3年生までの15クラス、全部の教室が下から並んでるんです。そうすると、中庭からよく見えるんです。先生が生徒に問いかけ、生徒が答えるところが中庭から本当にはっきり見える、非常に良い空間だと思って見ているんですね。

付属中学校と言いますのは、約135名が付属小学校から来ます。付属小学校の特徴としましては、小学校なのに教科専門制なんです。つまり、一般的な小学校では担任の先生が全教科を教えるというかたちですが、付属小学校は1年生から全ての教科でその教科の専門家が教えているんですね。
ですから、うちの中学校の研究協議会は600人くらい集まって、中学校としては本当に多くの先生方に集まっていただけるんですが、例えば社会科の授業をやると体育館がいっぱいになるという、そんな感じです。
それは言ってみれば、教科専門制ですから他の学校の先生からすれば、その教科の勉強を見る良い機会ですね。そのような小学生が135人入ってきます。非常に表現力も豊かです。それで135人が、大体2対1の2の割合を占めるわけですね。

そして、今期の受験で2対1の1の生徒さんが外部から入ってくるわけで、この子たちは非常に鍛えられた学力を持っている子が多いです。そういった表現力豊かな生徒たちと鍛えられた学力を持った生徒たちが織り成す学習集団、それに対して先生方というのは、授業研究というものをを非常に行なわなければいけないという使命を持っております。
そういう先生方が、バラエティのある、力のある生徒たちに教え、そしてその生徒からの厳しい質問を受けそれにまた答えるという中で、先ほども言いましたような非常にすばらしい光景が、中庭から見られるのではないかなと思います。

生徒に時々こんなことを訊きます。「君は一日何時間勉強するの?」すると「1時間かな……」と答えるわけですが、僕はその時にすかさず「そんなことは絶対ないよね。一日6時間は少なくとも勉強するでしょう」と言います。
一時間一時間の授業を本気になって受けたらどうなるでしょう? 本当に疲れますよね。
それを日々本当にやる気になって取り組んでいれば間違いなく賢くなる。
授業のレベルは確かに高いですが、それに食いついていく意欲さえ失わなければ、得るものは確実にあるんです。

もうお亡くなりになってしまいましたけども、国語の教師の中で非常な有名な方で、まあ本校の教員ではないんですけども大村はまさんという方がいらっしゃいまして、その方が「教師が論理的な話を毎日続ければ、生徒は賢くなる」と言っているんです。
その言葉を借りるならば、教師が本当に心情豊かに語りかければ、生徒たちの心はより耕されるわけだなと思うわけです。
論理的な力と豊かな心というのが、やはり人間にとって一番大事なベースになることは間違いないはずです。両方あってこそ人として一人前になっていくし、社会人として、先ほどの校長の言葉であれば真のリーダーになっていくというふうに我々は信じています。

この考え方は、授業だけに言えることではありません。プリントをご覧ください。
こちらに教育課程の図が描かれたプリントがあると思うのですが、これを説明すると時間がかかってしまいますので、簡単に述べていきたいと思いますけども。

「教科領域」と「活動領域」の2つに本校の教育課程を分けておるわけですが、この考え方の裏には、人間の脳科学にある知性と自我を意識した教育課程があります。
結果的にそうなっているといってもよろしいんですけども、本来長い間学校で蓄積されてきたものというのはきっとこういうものだったんだろうな、と。
教科学習だけではなくて、どの学校でもこの活動領域を大事にしてきたんです。

ところが、だんだん多くの学校で活動領域がやせ細ってきてしまった。
本校では、両輪をしっかり大事にしていこうという思いで、このような教科学習と活動領域というのがあり、それが図の右側の脳科学で言いますと、様々な知性(言語的、数学的、社会的、感性的、モラル的など)を教科で耕すとともに、それを統括する大事な自我——計画性、自主性、幸福力、集中力、成就感、こういったものを感じる前頭連合野といわれる部分が様々な活動領域で発達していくのではないかというふうに思うわけです。

ある人はこれをエンリッチメント(Enrichment)という言葉で表現しています。例えば、中高一貫校の大学勉強で言いますと、6年間の授業を5年間でまわして6年目は受験勉強にあてる。いわばエンパワーメント(Empowerment)なんです。ある力は確かに伸びる。でもこのように様々な活動をとおして備わっていく、これはエンリッチメントなんです。

人間をより豊かにするような、それが言ってみれば裾野の広い人間。そして裾野が広ければ広いほど高い山になる。大学だけが勝負ではありません。もっと先に幸福な生活、より良い生活が絶対待っているはずだぞと。
もちろん、受験とかそういうものを無視するという意味では決してありません。しかし、一方で長い目で見る。そのためには、こういった教科領域、活動領域の重要さを強く感じるわけです。

ですから、きっとこの学校を受験する際に多くの方々が言われることのひとつとして「なんで入試が8教科なの? 大変だよ」。わかります、大変だと思います。多くの学校が4教科とか2教科という中で、本校は8教科の受験を未だに続けています。
その意味は先ほど言ったように、小学校においても知性と自我をぜひ鍛えてきてほしい。どの教科も無視せずに、一時間一時間を大事にして、その知性を磨いて発達させてきてほしいという考え方もこめて8教科受験を行っております。

それから、もう一つ「小中高と一貫教育というけれども、本当に一貫なんですか」ということです。
小学校から中学校も何人か抜けます。中学校から高校も実は8割ぐらいしか行っていません。これに対する質問、疑問を時々聞くことがあります。
中高一貫校の良さは十分我々も理解しているつもりです。我々が中学校3年間を見ていましても、実は2年生というのは中だるみの時期になる。で、3年生になってみますと、1年生とは大きく変わって大人らしくなってきます。
そのときに「僕、高校どうしたらいいんだろう」という悩みが出てきます。確かに親から見ていても心配ですし、不安になる気持ちはよく分かるんですけど、でも人生でそういうことって大事なことではないでしょうか。

あとは小学校6年、中学校までに9年、高校まで12年という、わりあい同質の集団が見られる。
その中で、我々の自分の能力に対する評価というのは意外と集団の中の相対評価ということはないでしょうか。やっぱり、みなさん優れているはずなんだけれども、ちょっと自分自身が劣っていると感じてしまうと勉強に意力をなくしてしまう。同じ集団にずっといるということは、そういうマイナス面もあるんですね。

ですから、中学校から高校に行くとき、内部進学できなかったお子さんたちが約40名いるわけですけども、そういう子たちが時々付属中学校に戻ってきます。何を話すかというと、「先生、高校の授業って意外と簡単」とか言うんですね。
やっぱり少し……いや、かなりかもしれません、本校で高度な内容をやっているということは本人にとっては辛かったかもしれないけど、間違いなく力になっているんですね。
そして新たな集団で自分の力を再認識し、そこで活躍の場を得る。
僕は、それは本校の持っているひとつの一貫教育の在り方として評価できるのではないかとな、と手前味噌かもしれませんけども思っています。

最後になりますけども、本校は教師を教師たるべく、先導的な教育に心がけております。
それは教師教育といいまして、教育実習生だけではなくて、地方からの先生方がこちらに1ヶ月2ヶ月いて一緒に勉強するという場でもあります。

先導的教育、そして教師教育、そして今力を入れ始めているのが国際教育でして、これは英語教育に力をいれていることは言うまでもないことなんですが、それ以外に、3年生の時にシンガポールへの短期留学制度を取り入れています。
それから1年に一度ですけども、北京の中学校から修学旅行の一環として40名くらいが来て校友会を開いたりします。
今は、3年の春休みあたりに、もう少し幅を広げてオーストラリアやアメリカなどへの短期留学はどうだろうかと検討中の段階です。

今言いました国際教育、先ほど言いました先導的教育、教師教育なども力を入れている学校であります。伝統に支えられながら123年やってきました。今日、この話を聞いて受験したいと思ってくだされば大変ありがたいと思いますので、ぜひ一緒に素晴らしい教育活動を展開できればということを強く願っております。
私からの話は以上になります。

次に、本校の学校行事や教科指導の紹介を小島が行います。

学校行事、教科指導の紹介

この場面を担当させていただきます小島でございます。
学校行事と教科教育を改めてご紹介させていただきたいと思います。
なかには2年目、3年目という方もいらっしゃると過去聞いておりますので、この中にもいらっしゃるのではないかなと思います。私、実はこの役を引き受けて今年で10年目なんですけども、そういう方にはまた同じ話をしていると思われるかもしれませんが、強調したいところはやはり変わりませんので、ご了承いただければと思います。
話だけですとなかなかイメージが湧きませんのでまた映像を使わせていただこうと思います。

学校行事

(ビデオ上映)
今画面に映っておりますのは、卒業記念DVDで、ここ10年くらいこういったものを毎年生徒に渡しております。10分間で3年間を振り返られるので、これで説明をさせていただきます。

この写真は1年生の5月に行なわれます校外活動という行事で、生徒自身が企画し楽しみます。入学直後にクラスや学年全体で生徒同士が仲良くなるための行事です。
これは1年生の夏休みに千葉県南房総市で行われます臨海学校の様子です。すでに今年で107年目になる伝統行事です。遠泳もありますけども児童のみなさん心配なさらないでください。
毎年全く泳げない生徒は1割ほどいますけども、先輩たちが手取り足取り教えてくれますので、大抵は全員が見事に1時間の遠泳をできるようになります。

これは9月に行われる運動会ですが、運動会については3年生の説明のところで改めて詳しくご紹介いたします。

ここからは2年生です。2年生は3泊4日の林間学校があります。
毎年長野県の菅平高原に行っております。主な内容は、日本百名山のひとつである四阿山登山とオリエンテーリングです。しかし、残念ながらこの年は雨天続きで予定しておりました登山ができませんでした。それでも何とかオリエンテーリングだけは雨の中決行いたしました。キャンプファイヤーも体育館で行われることになりました。

これは11月に行われます学芸発表会の練習と本番の様子です。
文化系のクラブの発表の他、ほとんどのクラスが何らかの出し物をするのが恒例となっております。
クラブ活動も学校生活の中で児童のみなさんが気になることのひとつではないかと思います。
本校は大変広いグラウンドを持っておりますし、大きな体育館にも恵まれております。聞くところによりますと、日本で2番目に大きい体育館だそうです。そのため、クラブ活動が大変活発で生徒たちが自主的に活動をしております。

こちらは2年生の生徒会の役員選挙の様子です。それから、合唱発表会などもございます。これは先ほどの学芸発表会で国語の先生がバイオリンアンサンブルを弾いたところです。

ここからは3年生になります。
これは修学旅行の様子です。修学旅行は本校が日本全国に誇れる行事であります。
それはこの修学旅行という行事は、実は本校が発祥の地だからです。現在、日本全国の学校でごく普通に行われているこの行事は、1894年に本校で行われた宿泊行事がその始まりで、修学旅行という言葉は元々は本校の行事を指す固有名詞だったんです。それがそのあと全国に広がりまして、今では卒業年度に行う宿泊行事を指す普通名詞となりました。

本校では40年も前からコース別学習を取り入れておりまして、この年度の生徒は、文学、産業、自然、勤労体験、そして野外生活実践の5つのコースに分かれて活動しました。
物見遊山の旅行ではなく、あくまでも学習をしに行く修学旅行です。そして、これはその修学旅行の発表会の様子であります。

ここからはクラブ活動や行事に一生懸命取り組む生徒のいきいきとした表情をご覧ください。
運動会は、本校の花形行事のひとつであります。数ヶ月もかけて準備を行い、この日1日でそのエネルギーを燃焼いたします。学芸発表会も本校を花形行事のひとつかと思います。3年生となりますと自主的にクラスの仲間やクラブの仲間と協力して活動します。

再び運動会についてです。本校の運動会の特徴は、個人競技が一切ないということです。
全競技が仲間と協力して取り組む内容になっています。今映っております黄色チームの生徒は、実は私のクラスの生徒なんですけども、一所懸命に応援している姿は今見ましてもまるで自分の子供を見ているようで、なんとなく目頭が熱くなるような思いがいたします。

いよいよ、卒業間近のシーズンになりました。アルバムの編集をしております。
3年前、小学生の雰囲気を残して入学してきた生徒たちも、立派な少年、少女へと成長しました。
今ご覧になられている写真は入学式のときの写真なんですけども、この頃に比べますと、本当に心身ともに大きく成長したことが分かります。

こんな幼さが残る1年生が3年間でどう変化するか、それをこの後に登場する2人の男女生徒の成長の姿でご覧になってください。
まず、この女の子はどうなるでしょう。こんな素敵なお嬢さんに成長しました。この僕はどうでしょう。こんな立派な青年に成長しました。中学校3年間というのは、長いようであっという間でございます。この年代の子供たち、3年間で本当に大きく成長します。
みなさんも、どこの中学校で3年間を送られても、きっと立派な青年になられることと思います。でも、もし本校を気に入っていただいて、ご入学いただければ、私たちと一緒に楽しく有意義な3年間を送っていただけることと思います。

個人的な意見で恐縮でございますけども、私は、教育は人が人を育てるものだと思っております。
施設や教育課程も大切ですけれども、それらが整っているといって生徒が育つものではありません。
本校にご入学いただければ、きっと人が人を育てるということをご理解いただけると思います。これで3年間の生活の紹介を終わります。

なお、説明の中に修学旅行の話がありました。
修学旅行という言葉は、本校が発祥の地であるという説明をさせていただきましたが、この話は毎年みなさんが「へえ、そうだったのか」と思っていただける内容なんですが、どうでしょうか? (拍手)ありがとうございます。話した甲斐がありました。
(ビデオ上映終了)

教科指導

それでは、この後教科編に移らせていただきます。
先ほど、校長、副校長の話にもありましたが、本校の真骨頂はやはり教科教育にあると思っております。それぞれの教科が日々研鑽に努めていて全国の教員の模範になるべく努力をしております。
私は英語科でございますが、英語科も毎年200人以上の教員が日本全国から視察に参ります。そういう教員に授業を見られるわけですが、授業を見せても恥ずかしくないようにするために大変なプレッシャーを感じながら行っておりますが、生徒たちに助けられながらやっております。

では、教科の方も映像を交えてお話をさせていただきます。
今ご覧いただいておりますのは、表で売っております学校紹介DVDでございます。
昨年5年ぶりに内容を改定いたしまして、教科指導編を全部新しくいたしました。チャプターで探していただきますと全部の教科の授業を見ることができます。それでは英語科の一部をご覧いただこうと思います。
(英語の授業映像の上映)
さて、今英語科の映像をご覧いただきました。
先ほどの英語の発表をした生徒、素晴らしいと思いませんか。あれは、やらせではなくて授業中に撮った映像です。あれくらいのレベルになると、もう私ども教員もかないません。

実は、こういう素晴らしい発表をしてくれるものですから、私は全国を回った時にいろんな研修会で先生方にこれを見ていただくんですね。
そうしますと大抵はため息をつかれます。そして「どうして先生の学校の生徒たちはあんなに発表が上手なんですか」「どうしたらあんなに自己表現が上手なんですか」と質問されます。
その時に私はなんと答えると思いますか。教育がいいから? そんなことはございません。
実は、これは何が違うかというと、オーディエンスが違うんです。つまり、あの発表をしているときに、仲間がどういう顔をして聞くかなんです。もしかすると、あの発表をした時に、クラスメイトが「おまえの発表なんか聞きたくねえよ。何お前だけ格好つけてるの?」などというような負のオーラを出す生徒がいたりしますが、もしそういう生徒がいたらあの発表はしません。
実際授業をしましても、すごい発表をすると「わあ、すごい!」という歓声が起こります。後で発表をする3人のうちの1人も私のクラスの生徒ですが、リーディングをみなさんに披露させたいと思っているくらいなんですが、あの生徒がやった時も大拍手です。

やはり、お互いに良さを求め合う環境があり、そして足を引っ張らず、良いものは良いと認め、自分も頑張ろうという気持ちにあふれた生徒が多い。これが本校ではないかなと思います。
そしてそういう生徒がいるので、私ども教員もその子たちのために頑張ろうという気になります。
今日こうやって話しているのもそうです。先ほど拍手をいただいたり笑っていただきましたが、これがしらーっとされてしまっては来週の説明会でこの話をするのをやめようかと思っていますけども。やはりオーディエンスの良さがあるので続けられるわけでございます。

ということで、本校のいろいろな教科を見ていただくよりも、どこが一番良いのかというのは、学ぶ意力が高くお互いに高めあう気持ちを持っている生徒、そしてその子供たちのために一生懸命やっている教員、その生徒と教員で作る空間、これが本校の授業の魅力かなというふうに思っております。
今ご覧になっているみなさんの中で、その劇的空間に自分も参加したいとお思いになった方はぜひ受験していただいて入ってきていただければと思っております。
これで学校行事、教科指導についてのご紹介を終わりにさせていただきます。ありがとうございました。

続きまして、本校の生徒会役員——本校では委員長陣と呼んでおります生徒の目からみた本校の紹介と学校生活についてのお話があります。

本校の紹介と学校生活について

みなさん、こんにちは。
本日はお忙しいところ、学校説明会にご出席いただきまして、ありがとうございます。私たち3人は委員長陣と申します。委員長陣とは、他の中学校の生徒会長、副会長に当たるものです。
さっそくですが、私たち生徒の目から見た本校の大きな特色3つを紹介したいと思います。その3つとは、自治活動、行事、学習です。

自治活動について

私からは、自治についてお話しします。
自治とは本校の最も大きな特徴であり、自ら学校生活、行事を運営していくことです。この学校での全ての生徒会活動は自治委員会の決定に基づいています。
代表委員会、運営委員会などが小学校にもあるかもしれませんが、附属の委員会はそれらとは全く違うと思います。本校の自治委員会は、国会とも呼ばれ、校内全ての生徒会活動はこの国会の審議を経てからでないと実行に移すことはできません。

例えば、学芸発表会。今年も例年通りに行われる予定ですが、もし実施案が可決されなければ、その年の学芸発表会は行うことは出来ません。
どんな議題も可決されるのではないかと思うかもしれません。確かに、提出された多くの議題は可決されます。
しかし、それは何10回もの会合を重ね、練り上げられたものだからです。

私は2年生のときに、卒業生歓送行事準備小委員会に入っていました。
卒歓と呼ばれるこの委員会の仕事は、3月に行われる卒業生を送る会の企画、運営です。最初はお祝いの言葉を言って、出し物を見て、卒業生が感動してくれる、という表面しか知らずに卒歓に入りました。
しかし、委員会が始まってみると、会場の飾りつけ、600人分の入退場の仕方、プログラムの印刷依頼など、思いもよらない多くの仕事がありました。
前日は委員会のメンバーで校内全ての飾りつけをしました。本番は自分の出番があるわけでもなく、融資の団体が歌やダンスをしているのに「時間は予定通り進んでいるのか」「幕を開け閉めするタイミングは大丈夫か」などと緊張の連続でした。そのため、行事が終わった後はとてもほっとしました。
しかし、行事が終わったあとは後片付けがあります。片付けまで全て生徒がやる。それがこの学校校の掟です。前日付けた校内の飾りを外すとき、私は、自分たちの手でこの行事を作り上げたんだという満足感で心がいっぱいでした。

このように、本校の自治は全て生徒が行います。もちろん楽しいことばかりではありません。
苦労することや地味な作業もたくさんあります。しかし、だからこそ味わえる達成感は計り知れないものとなるでしょう。
生徒会団体は、卒歓を含め15団体あります。みなさんも、この学校に入学したら適材適所それぞれに合った場所で自分だけの達成感を見つけてください。

行事について

ここからは、附属の行事についてお話します。
この学校の行事は、伝統ある、生徒が主体となって作り上げていくものばかりです。

宿泊行事は、各学年1回ずつ、3年間で合計3回あります。
まずはじめに1年生では、夏休みの始めに富浦生活があります。先ほど自治活動の話にもありましたが、この行事も学級委員が中心となって、主に生徒自身の手により作り上げるのです。
千葉県の房総半島に位置する富浦に行き4泊5日を過ごします。この行事は100年以上も前から続いている、附属の歴史とともにある行事です。1時間以上にも及ぶ遠泳にも挑戦します。たくさんのOB、OGの方々が丁寧に指導してくださいますので、毎年全員が完泳しているわけです。ですから、僕はちょっと泳ぐのが苦手な人も決して心配しないでください。ここで育んだ自治的な取り組み、遠泳の達成感、そして仲間との友情は一生の宝物となると思います。

また、同じ時期に2年生は長野県菅平高原で3泊4日の菅平生活を送ります。ここでは、登山やオリエンテーリング、キャンプファイヤーなどを行います。必ず、心身ともにたくましく成長することと思います。

3年生は、5月に修学旅行があります。
先ほどのお話にもあったと思いますが、修学旅行という行事は本校が発祥の地であり、代々文字どおり、学問を修める旅行として行っております。テーマ別に5つのコースに分かれ、富士山周辺へおもむき学習します。普段の教室では学べない、外の世界でしか味わえないような貴重な経験、体験になることと思います。

また、9月には秋季大運動会が行なわれます。付属の運動会では、各クラス縦割りで5チームに分かれて優勝を争います。学年の異なった1年生から3年生までが共に同じ目標に向かって協力していくので、学校全体の絆が深まることと思います。

秋には、学芸発表会を行われます。
学と芸、つまり日頃の学習や活動の成果を発表する場であるというのがこの行事の大きな特徴です。一般の中学校の、いわゆる文化祭とは若干異なります。一見、外見上の派手さには欠けるように思えるかもしれませんが、言い替えればこの学芸発表会というのは、日々の努力の結晶です。そして、再び出てくる言葉ですが、とても自治的なものです。ですから、一瞬だけの楽しみだけでなく後からじわじわと感じられるような真の楽しさというものを知ることができます。
今年もこの学芸発表会、10月30日日曜日に本校にて行います。みなさん、ぜひいらしてください。心よりお待ちしております。

まだまだ附属にはたくさんの行事があります。
春から順に申しますと、新歓行事、校外活動、校外学習、合唱発表会などです。
しかも、それらは本当に自分たちの手により作り上げていくものばかりであり、普段の教室では学べないことだらけです。今回伝えきれなかった部分は、みなさんが実際に経験することで、本当の魅力に気づけると思います。ぜひ、頭の中に楽しみに思い描いてみてください。

学習について

では、次に僕から学習についてお話しさせていただきます。
先ほど自治についてお話がありましたが、本校では学問においても自ら修めるということが基本になります。なぜなら、本校の普段の授業では教科書にないようなとても興味深いことをたくさん教わるからです。
ですから、日頃の授業では、まずしっかりと自分の目で見て、耳で聞いて、手で書く、そして家に帰ったら復習するという自主性が要求されるのです。つまり、どのような学力がつくかというのは、自分自身の授業の受け方次第で大きく変わってくるということです。

しかし、それは逆に言うと、自分の学力を自分で磨けるからこそ、高まる学力に限界はないということ、これが本校の自主自律の精神を重んじたならではの特徴です。筑波大学付属中学校の授業にはたくさんの可能性が秘められています。
さらに、いつもの授業のほか、校外学習や修学旅行などの行事も大切な学びの場であること、これも本校の大きな点です。
頭だけでなく、体で学ぶのです。きっと、普段の授業だけではわからない、もっと大切なものが身につくことでしょう。ですが、それは現地に行ってからのお楽しみということにしましょう。

さて、話は変わりますが、やはり中学校の学習と言えば、新しい教科が始まることや、内容が難しくなること、そしてテストのことなど、いろいろと気になることも多いかとは思います。
確かに、小学校とはいろいろと違う面もあります。しかし、どうかこれからの学習に対して、不安に思ったり悩んだりしないでください。本校には大勢の優秀な先生方がいます。どの先生も質問には適切かつ丁寧なアドバイスをくださるので、とても強い味方です。
それに何より、困ったときには友達というとても大きな存在があります。共に学びあい、共に高めあえる環境が揃う本校ならではです。

最後になりますが、これは覚えておいてください。
学習に大切なのは、教えられるという気持ちではなく、自ら知識をつかみ取りに行くんだ、という攻めの姿勢であり続けることです。その気持ちで一日一日の授業に本気で取り組めば、何も恐れることはありません。必ず、知識とともに学ぶことの楽しささえも見えてくるはずです。
僕も入学から2年半、授業を受けてきましたが、授業はいつも入学の春のように新鮮そのもの、飽きは全く来ません。人生のうちのたった3年間しかない中学校生活を本当に充実したものにできることをお約束いたします。

以上で、本校の自治活動、行事、学習を紹介しました。
もちろん、決して楽な道のりではなく、苦労することもたくさんあります。本当の魅力というものは実際に感じ取れることだと思います。私たちも本校で約2年間半過ごし、本当にすばらしい学校だなとつくづく感じます。ですから、そんな学校で3年間過ごせることはとても幸せなことだと思います。

この学校で、一度きりしかない中学校生活を、有意義に充実したものとして過ごしてみませんか。みなさんのうち、一人でも多くの方がこの学校への入試にチャレンジしていただけることを、生徒一同、心よりお待ちしております。
長い話になりましたが、最後までご清聴いただきありがとうございました。

ただいま3名が着用しておりますものが本校の制服でございます。男子は、明治時代の海軍兵学校の流れを汲む、今も変わらないスタイルとなっております。女子は、戦後すぐに共学になりまして、その時採用されました伝統的なセーラー服でございます。
以上です。ありがとうございました。

続きまして、来年度の入試概要および募集要項につきまして教務長金子から説明があります。

入試概要と募集要項について

よろしくおねがいします。私からは募集要項の説明をいたします。
男子女子、資料の袋が別になっております。志願書と報告書と募集要項をご覧になりながら話を聞いていただければと思います。

まず、募集要項に沿って説明いたしますと、募集人員は男女合わせてほぼ同数ですが65名です。
先ほどの説明のように135人の付属小学校からの入学生があり、このフロアにいらっしゃる中から約65人がいらっしゃるわけですけども、比率は1対2となります。

よくある質問で、「仲良くなれるんですか」とか「一人ぽつんといるんですけど、そんな子は合うんですか?」と聞かれます。学び合う集団が基本となるわけですので、何にでも言えると言いますが、少しぐらい間違って、むしろ勘違いした方が授業とうのは理解が進みますよね。勘違いしていいという雰囲気をどの教科もやるんだと思います。募集要項から話がはずれましたけども。

出願の資格ですが、ここに書いてあるとおり3月に小学校を卒業すること。通学区域ですが、指定された範囲内です。一時寄留し受験をすることは認めておりません。体に障害等ある場合はご相談をお願いいたします。

出願書類ですが、まず入学志願書と受験票と報告書というのがありますが、印のついている所以外は全て記入してください。これについての記入の仕方は、記入例があります。もし間違ってしまっても二重線を引いて印を押していただければ問題はありません。これを参考にして、所定のところ以外全て記入してください。記載事項は、12月の1日付で書いてください。ただし年齢は来年の4月の1日現在でお願いします。

次に報告書ですが、これは小学校の担任の先生に渡していただければと思います。出願の時に出していただければと思います。

検定料ですが、コンビニ等で納入できますので、来年の1月4日から18日の間に振り込みしていただければと思います。出願の手続きですが、これらの書類を1月の17日と18日、午前中9時から12時、午後は13時から15時の時間に提出してください。郵送は受け付けておりません。

選考ですが、2月の3日に行われます。合格発表は2月4日13時に予定をしております。
入学の手続きですが、発表の日の13時から16時の間に手続きを済ませ、書類を7日までに提出していただくことになります。

選考について、詳しく述べたいと思います。そこには書いてありませんが、国語と理科が50分、社会と算数が50分、音楽と図工と家庭科が合わせて30分、つまり3つの時間のうちに7教科の試験をしたいと思います。午前中です。

得点の割合は、国語と算数が10に対して社会と理科が5、音楽、図工、家庭科がそれぞれ2、体育が3になります。学習指導要領から、だいたいこのようにしてあります。
国語には聞き取りがここ何年かあります。このあと去年の例を少し見ていただきます。
音楽は、曲名とか楽器などを答える問題があります。これも去年のものを一部流します。
体育ですけれども、これは例年午後に行われるものです。一人の基本的な動作なんですが、一分程度、特別な技能を見るわけではありません。普段学校の授業でやっているようなものを、いくつか組み合わせたものをこちらで提示しますので、その模範を見て実技をしていただくというものです。これが去年の例です。

では、この後、国語と音楽の放送問題を聞いていただきます。

(国語の放送問題流れる)

解答についてはみなさんでお考えください。続いて、音楽について流させていただきます。

(音楽の放送問題流れる)

以上です。

よくあるご質問の中で「実技系、音楽や家庭科などではどのような入試問題ですか」というご質問の答えは質疑応答集に出ておりますが、小学校の授業で扱う内容です。
細かな質問についてはあとで時間をとりたいと思います。私の方からは以上です。

以上、入試概要、募集要項につきまして説明をさせていただきました。
この後、個別にご質問への対応をさせていただきたいと思います。何かお訊きになりたいことなどございましたら、これから舞台下に質問席を設けますので、こちらにいらしてください。
これをもちまして平成23年度筑波大学附属中学校の学校説明会を終了いたします。

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