過去問の秋
皆様こんにちは。受験ドクターの長門 明です。
いよいよ10月となり、入試の足音が少しずつ聞こえてきました。
今月から本格的に「過去問」に取り組み始めた受験生も多いと思います。
毎年この時期は「過去問」について多くのお問い合わせやご相談をいただきます。
そこで、今回は「過去問の秋」と題しまして、少し変わった切り口で、
過去問の効果的な取り組み方についてお話させていただきます。
■過去問 今やるべきこと・やってほしいこと
① 「実施前」と「実施後」で「変化」を目指す
そもそも過去問を実施する上で大切なことは何でしょうか?
出題の傾向、時間配分、そして現時点での得点状況、どれも大切です。
しかし、それだけでしょうか?実は、もっともっとずっと大切なことがあります。
それは、現時点の「課題」を見つけて、その「課題」の「克服」を1つでも多く達成することです。
つまり、「解く前の自分」よりも、「解いた後の自分」が「成長」していることが大切なのです。
②過去問を実施したら、「振り返り」の時間を取る
単に過去問を解いただけでは、本質的には「変化」や「成長」はしていません。
つまり「分からなかったもの」「できなかったもの」は「そのまま」ということです。
これでは、同じ問題が入試本番で出題されても、得点するのは難しいはずです。
たとえば・・・、こんな例を考えてみましょう。
受験生A 「解いたことのある問題だったので、得点できた」
受験生B 「解いたことのある問題だったのに、得点できなかった」
結局入試は、この「ので」と「のに」の差で合否が分かれるとも言えます。
そして、それは過去問や模試などの結果から見つかった「できなかったもの」を
1つでも多く「できるように」するための取り組みをどのくらいしてきたのかの差でもあります。
だからこそ、過去問を実施したならば、この「振り返り」を行うことが大切になるのです。
③ 「次に出題されたときは正解できるようにする」ための取り組み
「振り返り」は、間違えた問題が「次に出題されたときには正解できる」よう、
ポイントや解法の筋道、関連事項などを「自分でノートに残しておく」取り組みです。
参考に、10年以上前に教えていた生徒さんの過去問ノートの写真を載せて見ます。
いかがでしょうか。
間違えた問題について、自分の言葉でしっかり「振り返り」をしていますよね。
今回は国語のノートを例にしましたが、どの科目でも「振り返り」というテーマは一緒です。
このようにして「未来の自分」のために「今の自分」が日々ポイントや要点を残しておくことで、
入試直前期にかけて、とても効率的で無駄のない学習に取り組むことができます。
そして、何より「これだけやったんだ」という自信を持つこともできます。
このようにして、入試本番に向け、最後に大きく得点力を伸ばしていくことが可能になります。
④「振り返り」の注意点
振り返りをするときには、注意したいことが1点あります。
それは、決して過去問の解答を「丸写しする」」ことはしないということです。
それでは、自分の血となり肉となるような力はつきません。
そうではなく、たとえば、
塾の先生から授業で教わっている解法に置き換えてまとめる、
自分の苦手単元や、抜けがあった分野について図や表にしてまとめる、など
自分なりに「考え」「作業」をして、「次に出題されたときは正解できる」よう取り組むのです。
この「ひと手間」の時間を持つことにより、
過去問実施が、単なる「作業」から、合格に必要な得点力を身につける「学習」になります。
⑤今やるべき学習のために、時間を「作り出す」
受験生の皆さんは、これから大変多忙な日々を過ごすことになります。
塾のない日も模試や行事が入り、なかなか「振り返りの時間」を確保することが
難しい場面もあると思います。しかし、だからこそ時間を有効に使って、
「過去問を解いた後でしかできない」取り組みを積み上げることが、
先程の「のに」と「ので」の「差」につながると言えます。
ただし、時間がないからといって「やっつけ作業」になっては意味がありませんので、
その場合は、優先順位の高い問題だけでもいいので、じっくり振り返ることをおすすめします。
3題でも1題でも構いません。
とにかく、過去問を1回実施したら、少しでも「前進をする」という取り組みを忘れないでください。
入試まで一直線!皆さんの合格を心から願っています!
以上、長門でした!
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