堀江先生

堀江先生

プロフィール

灘中高・東大法学部卒
大手塾で全教科教材作成担当
受験指導歴30年以上

合格実績

筑駒、開成、麻布、武蔵、駒東、桜蔭、JG、雙葉など

インタビュー目次

【勉強好きにさせるには】

1つは、例えば理科なんかが定型ですけども、社会とかもそうですけれども、難関校志望のお子さんには、一般的な子供向けの児童書っていうんではない、もうちょっとレベルが高いったらおかしいけど、しっかり読めるもの。参考書であったり、一般書籍であったり。そういう受験を意識したものでないんですが、かなり知識に幅と深みが出るものをおすすめすることがあります。最近皆さん、ご家庭でもたとえば歴史なんかでも漫画、日本史みたいなものとか、そういうものはわりとお持ちですけども。そういった類のものではないですね。

そういった良書には、科目の本質がおのずと身につくものがありますよね。

そうです、そうです。そういった書籍類を意外とご存知なかったりするので、そういうのは紹介したりとすることがあります。
あとは、独自のプリントはかなり使ってます。
各塾のすべてのカリキュラムは網羅したプリント類になりますので、すごい量になります。はい。

すごいですね。

そういったプリントをつまずいたタイミングや混乱したところで、適宜出すことで、理解を早めたり深めたりとか。あとは、図版が豊富な塾でお使いのテキスト、お持ちじゃない場合は、紹介しながら、ここ読んでごらんみたいなことはやってます。はい。

家庭教師ならではの工夫ですね。

そうです、家庭教師はとにかく1対1ですから、集団と違ってホワイトボードとかがあるわけじゃないんで。
解説とかはきっちり書いたものは残して渡す。その場で話して、何となく納得させるっていうのはずるいんですけども、長年やってればそういうテクニックは身に付くわけですけど。やっぱりかたちとして残して、もちろん解かせたりもノートに書かせたりもします。板書にあたるものは、毎回その場で作ったら必ず渡すようにはしてます。算数なんかであれば、同じような答案作れるようにしようと。上位の学校は式や考え方が問われますから。それは、すごくやってます。
あとは、何でしょうね。気持ちをどうやって前向きにさせるかっていうのが、お子さんの性格によって全然違うので、そういう意味では関係作りっていうのは指導の前提かもしれないんですけど。いろいろ悩むって言うと大袈裟ですけど。どうやって持っていけば、この子は何か言ってくれるかなみたいな試行錯誤を繰り返して、これだ、と。

お子さんに合わせた指導をしてくださっている、ということですね。本当に堀江先生、うちでも特に評判の良い先生でして、感謝しております。

いえいえ。

どれだけ黒板にきれいに書こうが、小学生たちは書いてくれないこともありますから。

小学生は、こちらが書いたものとそっくり同じものを複製できるわけではないので。あと、大切なことを板書しないで、ちょっとポイントでプラスαで口頭で言ったら、それメモ取れるかって言ったら、そういうお子さんは稀ですから。

小学生は難しいですよね。高校、大学受験だとね、口頭で先生が言ったことのほうが大切って皆、

メモ一生懸命取ったりしますけどね。

そうですよね。

ですから、とにかくきっちりしたものを書いて、あとはもうそこで、「これはポイント」だとか、「ここは絶対に完璧に覚えろ」とかいうのも横に吹き出しみたいに書いたりとか。
大体1回でレポート、A4のレポート用紙だと、5枚から10枚ぐらいは書いて渡すことになりますから。

いいですね。それを見たら先生の指導が頭の中で再現できますね。

はい。あとは、これはA君の速さとか、これB君の始めの速さとかそういうのも、実際の入試だとそこまで書かないんでしょうけど。そういうのも書けるので。それと、あとは何だろう。そうやってこちらが書いたものを、振り返りで使ってもらいたいなっていうのと、あとは連絡ノートみたいな授業ノート、指導記録もどこのプリントの、どのテキストの何ページの何番とか全部書いています。親御さんが見ていただいても、今日は何やったとかいうのは、ちゃんとわかるようにしております。



【成績が悪かったら、悔しがってほしい?!】

昔と今とで、小学生像もかなり変わってきましたね。
生徒でどんな生徒が多いとかってございますでしょうか?

そうですね。ご家庭で言いますと、概して、塾に通いながら家庭教師つけてるわけですから、教育熱心で、経済的にもある水準以上に恵まれていて、親御さんも受けてきてる教育の水準や意識が高い傾向はありますね。うん。ですから、その分お子さんに対する期待も大きいと思いますけれども。
一方で、これはもうそういった環境だと、当然だと思うんですけれども。かわいらしい素直なお子さんが多いんですけれども、何て言うんでしょう。ガツガツしたところはないお子さんが多いので。はい。
ですから、そこをガツガツしたって言うと、表現よくないですけれども。勉強に関しては、多少貪欲になってほしいなっていうところは感じるお子さんが多いですね。

受け身な子のほうが多いですか。勉強に対して。

受け身っていうことはないんですけれども、毎回毎回テストを受けたりすれば、思いどおりにいかないこともあるんでしょうけども。そこで、本当に悔しがってみたいなのは、わりと少ないかな。うん。泣いて暴れて悔しがるみたいな感じのお子さんはあまりいないですね。

模試の点数が思うように伸びなかったときとか、お子さんに「もっと悔しがれ!」っておっしゃることもあるんでしょうか?

今、年取って丸くなってきたのもあるんですけど。ただ、ご本人にも親御さんにも言ってますけど。私は要求水準は高いと。80点取ってきたら、「よし、頑張ったね」と。「じゃあ次は90点ね」って言うし、90点取ってきたら、「よし頑張ってるね。次100点」って言うし、100点取ってきたら、「100点続けろ」って言うしと。要求水準は高いよと。ただ、教えに行っていて、こちらのほうから水準下げるっていうのはあり得ないと思うので。
まだもっと行けると思わないと、上がるものも上がりません。もちろん、なかなかね、ここまでが上限かなっていう思うことがないわけではないんですけど。でも、ここまでって思うところまで、限界まで伸ばしてあげたいと思ってます。

先生ご自身は、どんなお子さんでしたか?

基本、負けず嫌いでしたから。わたし。
姉も中学受験してますけども。親ですよね。完璧に、親がレールをひいたっていう。これは感謝しています。はい。
実際、今みたいにシステマティックな受験のそういう塾の教材とかがあるわけではなかったですから、その分は市販の参考書、問題集を親に買い与えられたりしながらやるみたいな感じでしたね。はい。

親の影響は重要ですよね。中学受験。

やっぱりそうですよね。中学受験は、ご家庭の、親子の共同の戦い、とまで言うと言い過ぎかもですが、やっぱり親御さんは、果たす役割は大きいなとは思います。はい。

先生が今まで指導されたなかで、1番記憶に残ってるのは、どんな生徒さんですか。

そうですね。新しい校舎を出して、そこの責任者で私が行ったんですけども、最初の年の6年生にお兄さんが来てらした。第一志望の栄光学園に進学されたんですけども、そのお2人兄弟の弟さんもいて、もうお兄ちゃん大好きな弟さんだったんですね。弟さんもお兄ちゃんと一緒によく塾に遊びに来ていて、2年後にぐらいに塾に入ってきて、兄弟で当然年は離れてますけど両方、私が担当して教えました。そのお父さまも栄光学園ご出身でしたが、とにかく、弟君がお兄ちゃんを尊敬しまくっておりまして、お二人とも性格もすごくいいお子さんがたなんですけど
も、プライドもすごく高くて。最初は私に反発してきたり、すねたりと、扱いに難しいタイプで、極端に言えば押さえつけるぐらいのことをして、勉強に向かわせました。最後はね、とても信頼してくれて、お父さまもいい方だったんですけど。
優秀な兄弟で、それでいて扱いに苦労した点で、そのご兄弟は1番印象深いですね。もう就職されてますけど。

いいですね。兄弟で同じ中学校に行くって。

弟さんはお兄ちゃん大好きだったし、お兄ちゃんも弟のことかわいがってましたね。ですから、もう、行動パターンも兄弟似てて、反発してみたり拗ねてみたりとか、いろいろありながらで。うん。

大変だった?

大変っていうか、やっぱりそういうのがあると親御さんと相当話す必要がでてまいります。ご本人に、押さえつけるって言葉は悪いですけど、ある程度しっかりしろというふうに言うしかない部分があって、親御さんの協力というか、理解は必須でした。はい。

ほかにもいらっしゃいますか?

数年前になりますけれども。お父様の転勤で関西で塾に通っていたけれども、こちらに、関東に戻ってくることになってしまったと、6年生の夏休み前ぐらいから指導したお子さんがいらっしゃいました。途中からですと、なかなかどっかの塾の夏期講習行っても、入っていきにくいってありますね。私が家庭教師で、週3回、1週間に10時間みていたお子さんがいます。はい。

もうじゃあ、全科目ご担当された?

全教科です。それも塾に通ってらっしゃらないので、教材は全部市販のものをプリントも含めて、こちらで全部用意しました。もう秋から、夏秋からですから半年なんで、とにかくやらせなきゃいけないんですけど。
学力もあるお子さんではあったのですが、宿題がやりきれないと、私が行っても別の部屋に隠れて出てこないみたいな。
「もう先生、あの部屋に逃げ込んでるから連れ出して、いつも勉強する部屋まで引っ張っていってください」とお母様に言われて。「出てこいよ」って言ったら、「嫌だ」。「なんで嫌なんだ?」って聞いたら「宿題してないから嫌だ。」って。
「わかんなかったのか?」って聞きましたら、そうではないようで、「じゃあ、何?時間足りなかったのか?」って聞くと「そうだ」と。
「じゃあ、いいから、今ここでやってみろよ」みたいなかたちで、ようやく始動開始になる。そんな日もありました。

宿題が終わらないと、塾に行きたくない、って言いたくなる気持ちはわかりますね。一見こだわらないタイプに見えて、実はきまじめ、って子は、結構多いと思います。

そうそう。こちらは受験勉強のスタート自体が遅いので、間に合わせようと必死ですけども、お子さんのほうもついていくのに息切れ起こしてしまうので、そこは締めるところと受け入れてあげるところと。バランスをとることが大事だと思います。

確かにそうですね。

で、そのお子さんなんですけど。
2月1日の本番、受けに行くときなんかには、誰かご両親とかついて行かれますよね。

はい。

「入試の当日誰と行くの?」って聞いたら、「堀江」とか言う。「お前来い」って言うんですね。
「家庭教師でほかにもいっぱい生徒教えてんだから、お前だけに行けないだろ」って言ったら、「来てくんないの?」って。結局、行きましたけど・笑。

行かれたんですね。で、合格?

第1志望合格しました。不思議なものでして、苦労したお子さんほど、記憶が鮮明です。

合格した時の喜びもひとしおですね。