メニュー

投稿日:2017年06月13日

テーマ: 算数

平方数の和って?②

みなさん、こんにちは。
受験ドクター算数科の江田です。

梅雨の季節ですね。

ちなみに、昨年の関東の梅雨明けは
例年よりもやや遅く、7月末でした。

そして、梅雨が明けたら
いよいよ本格的な夏到来!!

受験生にとっては
中学受験最大の山場ともいえる
夏休みを控えるこの時期。

保護者の皆様も、
しっかり体調管理をなさって
お子様を支えてあげてくださいね。

さて、今回は
前回お話した「平方数」の続きです。

 

平方数の和 1

前回、
神戸女学院中等部
の問題をご紹介しました。

1×1+2×2+3×3+4×4+5×5

という計算において、
正方形を並べた図を活用し、

最終的には

1×1+2×2+3×3+・・・・・・+49×49+50×50

という計算も、
図形の面積から考えることができました。

今回は、
同じ「平方数の和」を
別の図から考えていきます。

では、さっそくいってみましょう!

 

下の図の正三角形(ア)の中に入っている数の和を考えます。

平方数の和 2

1が1個、2が2個、3が3個、・・・・・・、6が6個ですから

1×1+2×2+3×3+4×4+5×5+6×6

の計算をすることになりますね。
そう、「平方数の和」です。

これを、次のように考えてみましょう。

正三角形(ア) を時計回りに120度回転させたものと、
さらに120度回転させたものを用意し、
それぞれを正三角形(イ)と正三角形(ウ)とします。

平方数の和 3

そして、(ア)から(ウ)の3枚を重ねて
それぞれの場所にある数の和を考えてみると…

平方数の和 4

(エ)のように、どの場所の和も13になります。
(たとえば、_の部分は3+4+6=13となります。)

だいぶ見えてきましたね…

平方数の和 5

その通りです。
(エ)の中の数の和を求めて3等分すれば
(ア)の中の数の和になりますね。

さあ、もう一息です!

(エ)の中に、数は何個あるのでしょう。

上から順に、段ごとに個数をたしていけば

1+2+3+4+5+6=21(個)

とわかります。
したがって、(エ)の中の数の和は

13×21=273

と求められ、(ア)の中の数の和は

273÷3=91

とわかるのです。
では、この方法を利用して

1×1+2×2+3×3+・・・・・・+99×99+100×100

を計算しましょう。

 

そうです。
先ほどと同様に正三角形を用意し、
120度ずつ回転した図をイメージしてください。

平方数の和 6

3枚重ねると、どの場所も和は

1+100+100=201

で、その個数は

1+2+3+・・・・・・+99+100=(1+100)×100÷2
=5050(個)

ですね。
よって、求める答えは

201×5050÷3=338350

です!

いかがでしたか。
高校数学で学ぶ

平方数の和 7

という公式を知らなくても、
算数の世界で「平方数の和」は
求められるのです。

 

もちろん、
今回ご紹介した考え方を
暗記する必要は全くありません。

 

今回の話題は、
法政大学第二中学校で出題されたものを
もとにしましたが、
前回の神戸女学院中等部と同じように、
その場で考える力
を試されているのです。

 

難関校のみならず、
近年は、多くの学校でこのような
「新出問題(に見える問題)を、その場でじっくり考えさせる」
タイプの出題傾向が見られます。

このような問題に対応するために
普段から物事を深く考える
姿勢を大切にしましょう。

6年生はこれから先の問題演習において、
一見難しそうな問題に出くわしても、
簡単にあきらめず、
一歩踏み込んで考えてみてください。

また、4年生、5年生のお子様は
これからいろいろな公式を学ぶ際に
“ただ覚える”のではなく、
「なんでこの公式になるんだろう」と疑問を持ち、
自分で調べ、他人に説明できるようになると
考える力がつくだけではなく、「算数のおもしろさ」を
感じられるようになるかも知れませんよ♪^^

平方数の和 8

今回はここまで。

みなさん、これからやってくる本格的な暑さに負けず
頑張りましょう!

ではまた。

算数ドクター