こんにちは。理科のEです!
夏休みの学習は充実していますか?
休み明けのテストは計画通りに学習が進んだお子さんにとってはわくわくする力だめしの場ですが、
今一歩予定通りに時間が使えなかったというお子さんにとってはコワーい審判の場でもありますね。
また、夏休みの過ごし方には手ごたえがあったのに、テストでは思うように結果が出なかった、
なんてこともありますから、この9月、あらためて夏の学習のポイントを整理していきましょう。
さて、今回は苦手になりがちな、天体、とりわけ天体の「動き」についておさらいします。
天体の運行について学習するとき、普通は「月の動き」、「星の動き」、「太陽の動き」というふうに、
それぞれの対象ごとに別々に学習をすすめてきています。
けれど、そのいずれの動きも、ある「共通の原因」によってもたらされています。
例えば、
太陽の1日の動き・・・東から昇って西に沈む
月の1日の動き・・・東から昇って西に沈む
星の1日の動き・・・東から西に向かって動く
これらの動きはすべて、地球の「自転」、すなわち
「地軸」を中心に1日に360度回転している、という地球の動きが原因です。
地球は西から東に常に回転しています。
アングルを変えてみるとこんな感じですね。
このとき、観測者からみた「空」はこのようになっています。
例えば太陽であれば下のような見え方をすることになります。
このように、宇宙空間で「立体的に起こっている現象」
までしっかりとイメージして理解しておくと、
天体の運行に関するさまざまな知識がつながるようになります。
たとえば、地軸の傾きによる昼の長さの変化のメカニズムについて、見てみましょう。
このように地軸の傾きを「横」からみたイラストは教科書にもよく登場します。
太陽に近い側が明るく、太陽から遠い側が暗くなり、地球上では昼と夜に対応します。
回転の軸が傾いているので、青い矢印のところでは、1回転している間じゅうずっと明るくなっている
ということが見てとれますね。
夏の高緯度地方(北極圏など)で見られる白夜という現象です。
これも、宇宙空間での立体的な運動が原因ですから、見る方向を変えてみましょう。
先ほどのイラストを上の方向つまり、北極よりの方向から、なおかつ
地球の「公転面」に対して垂直方向に遠く離れて
1年間の地球の動きを眺めると、このような見え方になります。
いかがでしょう。
春や秋がどうして昼と夜の長さが同じになるか、イメージできましたか。
この方向からも見せてくれるテキストは実は意外と少ないです。
ついでにここからもう1つ。
赤道地方(赤い矢印の動き)と日本付近(緑の矢印の動き)と北極地方(青い矢印の動き)
比較してみると、季節による昼の長さの「変わり方」はどうなっているでしょうか。
そう、高緯度地方にいけばいくほど、季節による昼の長さの変わり方が極端なんですね。
北極なんて、日によっては一日中昼!!
と、すると赤道地方では逆に長さがあまり変わらない??
そうです。赤道地方では、昼の長さと夜の長さは常に半々。
季節によって太陽の見える角度が変わるだけで、昼の長さは変化しないんです。
難関校ではここまで問われます。
でも、知識として知っていなくとも、このように立体的にとらえられれば
問題が与えられたときに、「自分で思考実験してみる」ことができる可能性が出てきます。
また、先ほどの図に、さらに星座を構成している星たちの位置関係も加えると下のようになります。
【まとめ】
天体の見かけの動きの原因は、宇宙空間における地球の立体的な動きです。
鍵になる要素は
地球の自転・地球の公転・地軸の傾き・観測者の位置
月の公転・・・満ち欠けや月食・日食の場合
それぞれの星の宇宙空間における位置(地球との位置関係)
これらの要素に注意して、宇宙空間における「動き」を
横からも、上からもイメージできるかどうか、確認しましょう
(難関校を目指すお子さんは下からも!!)