こんにちは。理科のEです!
明日は十五夜、
ということで今回はさらりと涼しく月にまつわるお話を。
ちなみに月といえば英語でMOON(ムーン)
お隣韓国では文(ムン)大統領が当選
今年は理科も社会もムーンに注目してみましょうか、
なんて冗談はおいといて・・・
月といえばこの夏、8月8日に日本全国で部分月食が見られましたね。
夏休み前の7月に実施されたサピックスの小6組み分けテストでも
まさにその月食にまつわる出題がありました。
ちなみに天体関連でいえば、北アメリカ地域では8月22日(現地時刻21日)に皆既日食が見られました。
そして実は2018年の1月31日、まさに受験の前日にも日本で皆既月食が見られる予定です。
となると、今年は月食・日食がらみの出題に対する備えを怠るわけにはいかないですね。
受験生のみなさんはこの夏みっちりと天体に関する知識を整理してきたと思いますが (汗)
せっかくですからここであらためて、
日食と月食と、その「違い」を意識しながら確認しておきましょう。
さて、まず日食と月食の「違い」といえば、どんな点に注目しますか?
まず一番シンプルな違いは太陽が欠けるのか月が欠けるのか、ということですね。
日食の場合は 太陽→月→地球 の順に並ぶことで 地球に届く太陽の光を月が遮ります。
月食の場合は 太陽→地球→月 の順に並ぶことで 月に当たる太陽の光を地球が遮ります。
このメカニズムの違いは、それぞれの「食」が見える地域や時間の違いに関わります。
イメージしてみてください。
運動会でわが子の姿を応援しようと思ったら、目の前にひょっこり背の高い人が立ってしまいました。
「あらヤダ、じゃまねぇ」
見えなくなってしまいますね。この状態が日食です。
確かにじゃまではありますが、この目の前に現れたじゃまな人を避けるように
自分がすこし動きさえすれば、すぐにわが子の姿を見ることができます。
一方で、もう一つ場面をイメージしてみて下さい。
運動会の様子を撮影したビデオを、プロジェクターを使ってスクリーンに映しています。
プロジェクターの前に人が立ってしまうとスクリーンに影ができてしまいますね。
「あらヤダ、じゃまねぇ」
やっぱり見えなくなってしまいますね。こちらは月食のイメージです。
この場合、見ている人がどこに動こうが、スクリーンにできてしまった影は変わりませんね。
どの場所からスクリーンを見ても、同じところに影ができてしまっているんです。
この状態を解消するためにはただ、プロジェクターの前に立ってしまった人に
どいてもらうしかありません。
これが日食と月食の大きな違いとなります。
実際、日食と月食の継続時間の記録を調べてみると
日食の最長記録は約7分30秒
月食の最長記録は約1時間47分
なんとこんなに継続時間に開きがあるのです。
ある1カ所にとどまって観測する場合においては、日食は長くは続かないということですね。
次に、日食や月食の「欠け方」の動きを掘り下げて考えてみましょう。
まず月と太陽の動きについて確認してみましょう。
太陽の見かけの動きは
1日に約360度、東から西へと動いて見えます。
一方、月はというと
約27日で1回転(1日に約13度)、地球の自転と同じ方向に月が公転する影響で、
1日あたりでは約347度だけ、東から西へと動いて見えることになります。
つまり、月の動きの方が遅く見えるんですね。
この結果、どのような現象が見られるでしょうか。
月も太陽も、いずれも東から西へと動いています。
日食では、動きの速い太陽が、月を追い抜いていくその途中に、太陽が月に隠れるようになります。
そのため、太陽は進行方向である「西側から」欠けていきます。
これ自体はまあ、そうかな、っていう感じもしますね。
月の方が(見かけの)動きが遅い、ということが理解できていれば
難しくはないでしょう。
実際には月の方が動いているんであって、太陽は動いていないんですがね。
月が地球の自転を追いかけてしまっているために、地球から見た月は遅く見える、ということです。
一方で、月食のときはどうでしょうか?
このように、月は進行方向とは反対の「東側から」欠けていきます。
これは、「地球の影」が後ろからやってきて月を追い越していく、と考えれば
結局のところ日食と同じ動きだと分かりますね。
また、先に示した宇宙から見た視点でもイメージを確認しておきましょう。
月食では、月が西から東へ動きながら、地球の影に飛び込んでいくのですから
「東側から」欠けていくのは当然ですね。
【まとめ】
日食:見られる地域は限られる
進行方向である「西側から」欠けていく
月食:月が見えるところであればどこからでも見られる
進行方向とは反対の「東側から」欠けていく
天体の見かけの動きの原因は、宇宙空間における立体的な動きです。
余裕がないと丸暗記に走りがちですが、ぜひ理屈やイメージを結び付けて
応用に強い、骨太の知識を身につけていきましょう!!