みなさん、こんにちは。
受験ドクター 理科・算数担当のT.H.です。
先日私の担当生徒の親御様から
「うちの子は電流がどうしても理解できなくて、どう教えたらいいですか?」
というご相談をいただきました。
たしかに豆電球が2個だったら簡単ですが、
並列と直列の混ざった回路になると計算がややこしくなってきます。
そんなときに使えるウラワザを紹介します。
回路に流れる電流の問題が
ど~~~~しても解けない
そんな場合にだけ教えている解法です。
ど~~~~~~やってもわからない人だけご覧下さい。
〈理屈〉
下の図1~3の回路はいつもの見慣れているかたちですよね。
図1に流れる電流の大きさを1とすると
図2は豆電球が2個直列なので抵抗(流れにくさ)が2倍で、電流は
図3は豆電球が2個並列なので抵抗がで、回路全体を流れる電流は2倍
ここで、豆電球のまわりを正方形で囲ってみます。
図2、図3のそれぞれで、2つの正方形をくっつけた長方形に注目します。
図2のように流れる電流が小さい回路では長方形はヨコが長くなり、
図3のように流れる電流が大きい回路では長方形はタテが長くなります。
このことから、流れる電流の大きさは長方形のタテ・ヨコの長さの割合
つまり長方形の で求められることが分かります。
〈使い方〉
多くの生徒がつまずく問題例として、下図の回路を使って説明します。
まずは縦か横にとなりあった2つの豆電球を、それぞれ正方形で囲みます。
次に左の豆電球を正方形で囲うときに注意が必要です。
赤色の枠全体が必ず長方形になるように、大きさを変えて書いていきます。
右図のようないびつな形にならないように注意してください。
アの豆電球の位置の正方形はタテの長さが2必要ということになり、
長方形全体ではタテが2、ヨコが3となります。
回路を流れる電流は長方形の ですから、 となります。
ここで豆電球ア、イ、ウそれぞれに流れる電流を求める場合は
それぞれの豆電球を囲っている正方形の1辺の長さを使います。
各豆電球に流れる電流は で求めることができます。
アは回路全体と同じ で、イとウは となります。
もしかするとこの数字は「覚えろ!」と言われているかもしれませんが、
長方形の枠さえ正しく描ければ、電流は簡単に求められるんです。
ただしこれは電池が1個の場合で考えているので、
電池が2個、3個と直列になっている場合は、電流も2倍、3倍にしてください。
ここまで理解できたでしょうか。
では最後に難問にチャレンジしてみましょう。
先ほどの図1のように豆電球1個、電池1個の回路に①の電流が流れるとすると、
下図の回路のアの豆電球に流れる電流の値はいくつでしょうか?
各豆電球に正方形を書き込むとこうなります。
赤枠の長方形全体のヨコの長さは5、
アの正方形のタテの長さは1なので、
流れる電流は
ただし電池が直列になっているので回路全体の電流が2倍になり、
が正解です。
電流の値を求められましたか?
この解法はあくまでウラワザであって、必ずしもおすすめするものではありません。
普段先生に習っている解法で解けるようであれば、その方法で練習しましょう。
家庭学習で電流に悩んでいる様子を見かけるようなことがあったとき、
こんなワザをわかりやすく教えてあげると、ちょっと尊敬されるかもしれませんね。
機会があればお試しください。