みなさんこんにちは。
理科・算数担当のT.H.です。
まだ1か月少々先の話ですが、6月21日(夏至)の夕方、
部分日食 が日本で観測できます。
実は部分日食は2019年にも2度起きています。
皆既・金環日食とちがい、部分日食はあまり話題には上がりませんでした。
今回はそんな時事ニュース的なものではなく、
理科の学習の手助けとして、イベント時の親のかかわり方をお話ししたいと思います。
日食の仕組みについての学習は、受験生ならば必須事項です。
しかし、仕組みを理解するまでにたどる道筋はいくつか考えられます。
③ 実際に観察した。
この3つの道筋、どれが一番良いのでしょう?
どれも一長一短があり、私には正解は選べません。
あえて言うなら、①→②→③とすべて通ってほしい道です。
自分で調べるのはハードルが高いので、今日の目標は①→③とします。
それぞれの長所・短所は下のようになります。
短所:興味が無いとおぼえるのが大変。
短所:理屈をともなわないので、入試に応用がきかない。
対照的な長所・短所になっていますよね。
「じゃあ塾で習ってから観察すればいいの?」
と、いうわけではありません。
順番などはむしろどうでもよく、
観察時の工夫で①と③の相乗効果を発揮させなければいけません。
ポイントをひとことで言うと「親の努力」です。
こう言うと後ずさってしまう人もいるかと思いますが、実際簡単ではありません。
具体的には声がけ・疑問を提起することなのですが、
例えば、
発問1:「太陽は左右どちらから欠けた?」→①実際の観察
発問2:「なんで右から欠けるの?」→③塾での学習
発問1がクリアできれば、理科が苦手な子でも選択問題での確実な得点源になります。
発問2までクリアできるようであれば、難しい記述問題にも対応できるでしょう。
他にもいろいろな発問が考えられます。
「日食はなんで太陽が見えなくなるの?」
「じゃあ月食は?」
「日食のときは新月だけど、新月の時に毎回日食が起こらないのは何で?」
「南のほうでは皆既日食が見られるのに、日本が部分日食なのは何で?」 などなど。
夏至の日の夕方なので、太陽の方角や影の長さなど合わせて発問するとなお良いです。
発問の内容しだいで現状の理解度の確認・定着の手助けをすることができますし、
新たな疑問点を生ませて発展的な理解につなげることもできます。
このような疑問を投げかけるためには
普段から子どもの解いている問題を見ておく必要があります。
大変な勉強量になってしまいますが、子供ひとりで観察しても効果は期待できません。
親や友達が興味を持たないものに、普通の子供は興味を持ちません。
疑問を投げかけるのは親の仕事。疑問を解決するのは塾講師の仕事です。
「わからなかったら先生に聞いておいで」と言っていただけるとスムーズにすすみます。
長々と上から目線で書いてしまいましたが、
せっかく日曜日にある天体イベントです。ぜひ家族で楽しみましょう。
日食グラスを用いる場合は、オペラグラスのような拡大して見えるものがおすすめです。
日食以外の日にも。太陽の黒点やプロミネンスが観察できるかもしれません。
※太陽は絶対に肉眼で見ないよう注意を払ってあげてください。