みなさんこんにちは。
理科・算数担当のT.H.です。
2月13日夜に福島県沖で発生した地震は記憶に残っているでしょうか。
電車が止まって帰れなくならないかヒヤヒヤしました。
今月の11日をもって、東日本大震災から10年が経ちます。
小学生の皆さんは記憶には残っていないと思いますが、歴史に残るほどの地震災害でした。
全世界で発生したマグニチュード6以上の地震のうち、日本で発生したものが約20%。
日本の国土面積なんて世界の1%にも届かないですから、地震発生率の高さは異常です。
理科の学習において地震が重要な単元であることは確実ですね。
さっそく問題です。
ア.P波は縦ゆれの波である。
イ.S波は縦ゆれをおこす波である。
ウ.主要動を引き起こすのはP波である。
エ.緊急地震速報はP波の観測をもとに発表される。
答えは最後に書いてあります。
確信をもって答えを選ぶことができたでしょうか。
語句の意味をあいまいに覚えていると、問われ方を変えられたときに判断できなくなってしまいます。
今回は地震関連の勘違いしやすい語句に関して扱っていきます。
まずは地震を起こす2つの波、P波とS波について。
参考書などには初期微動の原因となるP波はタテ波、
主要動の原因となるS波はヨコ波と書かれています。
ここで「タテ波ってことは、タテゆれを起こすってこと?」と、勘違いが起こります。
タテ波とは、波の進む方向と同じ向きに伝わる波。
ヨコ波とは、波の進む方向と垂直方向に振動しながら伝わる波です。
ばねのおもちゃなどを持っていればぜひやってみてほしいのですが、
下図のばねを地面として考えると、ばねを押し込む向きのタテ波では、地面は大きくはゆれません。
しかしヨコ波では、地面(ばね)が大きく上下にゆれることがわかります。
これが初期微動と主要動、異なるゆれが発生する原因です。
ではタテゆれ、ヨコゆれとは何なのかと言うと、それは受け取る人間の感じ方しだいです。
地面が上下にゆれていると感じたらタテゆれだし、左右にゆれていればヨコゆれです。
P波やS波が地表に伝わったときの向きは一定ではありません。
下から来ることもあれば、横から伝わってくることもあります。
波が真下から真上へ伝わってくれば間違いなくタテゆれになるので、
直下型地震では上下のゆれ、タテゆれを感じることが多くなると思われます。
結論 : タテ波・ヨコ波とタテゆれ・ヨコゆれは関係ない。
ということで、はじめの(問)の答えとしてアとイはあてはまらないことがわかります。
答えは エ のみです。
他に気になる語句と言えば、「余震」です。
これは一般常識レベルですが、余震は地震(本震)の後に起こるものです。
たまに余震が地震の前に起こるものと思い込んでいる人がいます。(「予震」だと思っている?)
本震の前兆としてゆれが起こる場合もありますが、前震といいます。触れる機会は無いかもしれません。
他にも「震度」と「マグニチュード」、「震源」と「震央」など、違いを自分で説明できるようにして、
選択肢に惑わされない確実な知識を身につけるよう、普段から意識して学習しましょう。
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