みなさんこんにちは。
理科・算数担当のT.H.です。
今回は2021年時事問題対策の第1回として、皆既月食を扱います。
2021年は月食を2回も見ることができます。
5月26日に皆既月食、11月19日に部分月食(かなり大きく欠ける)が観測できます。
今回の皆既月食は特に「大きく見える」ことに注目です。
この後説明を書いていきますが、何よりも自分の目で見るという実体験が重要です。
5月26日(水)の夜8時過ぎ、南東の空を見上げましょう!
月食は左右どちらから欠ける?
月食は月が地球の影に入り、欠けて見えるようになる現象です。
まずは 太陽―地球―月 という位置関係をしっかり覚えましょう。
入試では「月がどちら側から欠けるか」を問われることが多くあります。
「月食は左から欠ける」、「日食は右から欠ける」と覚えるだけでは勘違いのもとになります。
考え方はいくつかありますが、その中のひとつ、公転方向から考える方法を紹介します。
地球が太陽の周りを公転し、地球の周りを月が公転するという複雑な動きをしています。
すべての動きを考えると複雑ですが、月の公転は27.3日、地球の公転は365日と、月のほうが断然速く
回転しているので、地球は動かないものとして考えても問題ありません。
図のように反時計回りで公転する月が地球の影に入るとき、地球から見て左側から影に入ります。
したがって左から欠ける、それだけです。
月食は見える?
月食の時には月が左側から順々に欠けて、見えなくなっていきます。
普通に考えると、皆既月食のときには月全体が見えなくなるはずですが、そうではありません。
皆既月食では月全体がオレンジ色に光って見えるのです。
その理由を説明したものが下図です。
皆既月食のときには月は完全に地球の影に入っています。
ここで、地球の大気を通り抜けていく光に注目します。
この大気が「プリズム」と同じように光を屈折させるはたらきを持っています。
紫や青に近い色の光は曲がりやすい性質があるので、いろいろな方向へ分散してしまいます。
しかし赤色の光は曲がりにくいので、わずかに屈折して月に届きます。
これが皆既月食時にオレンジ色に見える原因です。
夕日が赤く見えるのも、空が青く見えるのも同じ理由で説明がつきます。
どんな説明をしたらいいのか考えてみてくださいね。
スーパームーン!
月の見た目の大きさが毎回変化していることはご存じでしょうか?
地球が太陽のまわりを公転する軌道はきれいな円になっているのですが、
月が地球のまわりを公転する軌道はだ円のようにゆがんだ形になっています。
これによって、月が地球に近いときは大きく、遠いときには小さく見えることになります。
特に月が地球に一番近いときの大きな満月を「スーパームーン」といいます。
今回は皆既月食とスーパームーンが同時に起こるめずらしい月食です。
月の大きさが変化することは、月食だけでなく「皆既日食」と「金環日食」にも関わってきます。
月の重要知識のひとつなので、なぜ大きさが変わるのかを説明できるようにしておきましょう。
今回の月食、観察する準備はできたでしょうか。
「空の低い位置では目の錯覚で大きく見える」こともあり、
2021年で一番見ごたえのある天体イベントとなりそうです。
入試対策としてももちろん重要ですが、それ以上に楽しんで観察しましょう!