みなさんこんにちは。
理科・算数担当のT.H.です。
2021年は野口聡一船長のクルードラゴンをはじめ、民間宇宙船の話題で盛り上がりました。
もちろん時事問題としてもチェックしておくべき項目ではあります。
ただし大問で出題される場合は時事的な話題は冒頭のみで、その後天体の問題につながるはずです。
今回は天体の問題の中から、苦手な人の多い「南半球から見た天体の動き」を扱います。
例として2017年の巣鴨中学校の入試から1問抜粋します。
㋐.右側が欠けている ㋑.上側が欠けている
㋒.左側が欠けている ㋓.下側が欠けている
※2016年リオデジャネイロオリンピックに関連した出題
問題集の解説には、よく下のような図が描かれています。
図のように、北半球と南半球では、月の上下が逆に見えるということです。
注意点は上下が反転するのではなく、上下が180度回転して入れ替わるということ。
つまり下図のように上下左右が入れ替わって反対側が欠けた形が正解となります。答えは㋒です。
「形」のみの出題であればこの考えで解けますが、「方角」に関連した問題だと苦戦してしまいます。
このような問題にも対応するためには、「向き」ではなく「動き」を知っておくと便利です。
北半球の常識としては、太陽や月は「東⇒南⇒西」と動きますが、
下図のように南半球にいる人から見ると、「東⇒北⇒西」と動いていることが見てとれます。
東から出て西に沈むのは北半球でも南半球でも同じ。
違いは南北方向だけであるとわかります。
と言うことは、
北半球では月が南東 ⇒ のぼる途中 ⇒ 南半球でものぼる途中 ⇒ 南北が入れ替わるので北東
このように解くことができます。
上の図を見るとわかるように、南と北で月の回転方向が逆になっています。
この図を自分で描けると正答率がぐっと上がるのですが、難しく感じてしまうでしょうか。
実はこれ、皆さんがすでに知っている知識です。
『 南の空の星は時計回り、 北の空の星は反時計回り 』
星の動きの単元で習いましたよね。
南半球から見た星も、これと同じ方向に回転しています。
星の回転方向は、地球上のどこからみても同じになるんです。
月や太陽を見上げる方向が、南なのか北なのかの違いだけです。
地球は西から東へ自転するので、星は東から西へ動いているように見えるのは当然ですよね。
南半球から見ても南は時計回り、北は反時計回り。
この原則で作図して、天体の問題に強くなりましょう。