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投稿日:2021年05月13日

テーマ: 理科

「電流の問題を解くコツ」 ~合成抵抗値の求め方~

みなさんこんにちは。受験ドクターの石田新一です。

毎年この時期に、多くの生徒さんから「電流」の問題に関する質問を受けます。「電流」という目に見えないものをいかにイメージできるか?それが電流の問題を解けるようになるポイントとなります。
今回は、電流についての基本的な考え方をお伝えしたいと思います。
電流とは、水の流れに例えると「水が流れている量」と考えると分かりやすいかもしれません。電圧は「水が流れる勢い」、抵抗は「水の流れをさまたげるもの」というイメージで考えてみましょう。そして、豆電球の中には抵抗があり、豆電球に1の電流が流れると①の明るさで光るとすると、基本の回路図は次の図のようになります。  
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次に、豆電球や電池の数を増やすとどうなるでしょう?豆電球を2個直列につなぐと抵抗値が2倍になるので、流れる電流の量は半分になります。また、電池を2個直列につなぐと流れる電流は2倍になります。基本回路図を基に、豆電球や電池を直列につないだ回路図は次の図のようになります。
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次に、豆電球や電池の数を並列に増やすとどうなるでしょう?豆電球を2個並列につなぐと、電流の通り道が増え、1つ1つの豆電球の抵抗値は変わらないので、豆電球には1個のときと同じ大きさの電流が流れます。そのため、回路全体を流れる電流の量は2倍になるので、電池から出る電流の量も2倍になります。また、電池を2個並列につなぐと、回路全体を流れる電流の量は変わらないので、電池1個から出る電流の量は半分になります。基本回路図を基に、豆電球や電池を並列につないだ回路図は次の図のようになります。
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以上の回路図は基本中の基本ですから、受験生であれば当たり前のように理解していることと思います。しかし、この基本が理解できていないと、ちょっと複雑な回路図になると、とたんに分からなくなってしまいます。例えば、次のような回路図であれば、豆電球の明るさと電流の大きさはどのようになるでしょう?
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ここで、冒頭で記述した「豆電球の中には抵抗がある」ということを思い出してください。豆電球1個の抵抗値を1とすると、豆電球を直列に2個つなぐと全体の抵抗値は2になります。また、豆電球を並列につなぐと全体の抵抗値は1/2となります。これは、抵抗値は抵抗の長さに比例し、断面積に反比例するからです。そして、抵抗値が2倍になると電流は1/2に、抵抗値が1/2になると電流は2倍になります。これは、電流の大きさは抵抗値に反比例するからです。
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さらに抵抗値2の抵抗と抵抗値1/2の抵抗を直列につなぐと、回路全体の抵抗値は2+1/2=3/2となり、回路全体に流れる電流の大きさは2/3となるので、先程の回路図に流れる電流の大きさと、豆電球の明るさは次の図のようになります。
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先生によっては、「この形はこの数字で暗記しなさい」と指導する先生もいるようですが、それでは少しでも形が変わると正解は出せないということになってしまいます。ですから、「なぜその数値になるのか?その数値の出し方は?」ということが分かっていないと、様々な問題には対応できないということになります。

最後に、次のような回路図だと、どのようになるでしょう?
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左側の直列につながっている2個の豆電球の合成抵抗値は2、右側の並列につながっている3個の豆電球の合成抵抗値は1/3、この2つの合成抵抗が直列につながっているので、回路全体の抵抗値は、2+1/3=7/3となるので、回路全体に流れる電流の大きさは3/7となります。
よって、左側の2個の豆電球には3/7の電流が流れるので、明るさはそれぞれ3/7となり、この3/7の電流が左側の並列の豆電球3個に均等に枝分かれして流れるので、この3個の豆電球それぞれに1/7ずつの電流が流れます。よって、この3個の豆電球の明るさはそれぞれ1/7となります。 以上のことをまとめると、次の図のようになります。
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実際の入試では、これ以外にも様々な回路図が出題されておりますが、基本的な考え方は全て共通していますので、今回ご紹介した「合成抵抗値の出し方」を使って頂ければ、多くの問題に対応できるかと思います。
「電流の問題」に対しての苦手意識を払拭し、逆に「得点源」にできるよう学習を進めて頂ければと思います。

理科ドクター