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投稿日:2023年07月03日

テーマ: 理科

判断力up!~血液の成分とはたらき~

皆さんこんにちは。
受験Dr.講師の勝山利信です。

今回は血液の成分とはたらきを話題に判断力の向上につながる話をします。
お子さんが理科の問題を解いたときに、「そのことを知識として知っているのに、なぜこの問題でこの選択肢を選んで間違えるの?問題をちゃんと読んでいないの?」と疑問に思うことがしばしばあると思います。

間違える原因は様々で、問題をしっかりと読んでおらずうっかりミスをしてしまった場合もあります。また、知識としては知っていても、判断するための材料として整頓されていない場合もあります。特に整頓されていないことが原因の場合は、知識を固めなおすために反復をしても得点化に結びつかないこともあるので、その部分を解消していきましょう!
 

【判断材料となる知識の整頓】

生物分野の学習は覚えることが中心になります。ただし暗記をすることが目的になってしまうと直接的な問いにしか答えられなくなってしまいます。判断や思考の材料にできるように知識を整頓することが重要です。

例えば、次のような問いについて考えてみてください。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
(問い)
からだの細胞が活動する際に生じた二酸化炭素を運ぶ血液の成分は何ですか。次の㋐~㋓の中から選びなさい。
㋐白血球 ㋑血小板 ㋒赤血球 ㋓血しょう
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

さて、正解はどの成分でしょうか?
血液の成分の中でも、最も印象が強いのはおそらく赤血球でしょう。
ヘモグロビンという色素が肺で酸素と結びつきからだの各部の細胞に酸素を運びます。
酸素と結びついたときは明るい赤色をしており、酸素が少なくなると暗い赤色になることも特徴的です。
特徴が多い分、問われることも多くなるので印象に残りやすいのです。

すると、血液の成分について問われた場合に、「自分が知っているもの」として真っ先に頭に浮かびやすいのが赤血球になってしまい、先ほどの問いにも㋒の赤血球と答えてしまうお子さんもいます。テストの際も、小問集合の形式で出題され、スピード感をもって解かなければならないときに発生しやすいミスですね。家に帰ってから復習してみたら、得点化できる問題だったのにと悔やむことも・・・。
知識事項を正しく整頓することができていれば、このようなミスもどんどん減らしていくことができます!
 

【大枠から詳細へ】

では、具体的に血液の成分とはたらきについて、知識事項を整頓してみましょう!
普段学習しているテキストや参考書とは異なる場合もあると思いますが、覚える順番があります。
血液の成分は、①血しょう ②赤血球 ③白血球 ④血小板の順に覚えるべきです。
③④は順番が逆でも構いませんが、①②の順番は絶対です!

知識を整頓する際のコツの1つは、大枠をつかんでから詳細を詰めることです。

血液の役割とは何か?
なるべく短い言葉で考えてみてください。

血液の役割は「運ぶこと」です。
具体的には、血しょうに様々な物質を溶かして運びます。運ぶという役割の中心が血しょうなのです。血しょうはおよそ90%が水分で、血液の50%以上を占めています。
これが血液について学ぶ際の大枠になります。

 

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血しょうの「しょう」はひらがなで書きますが、とろみのある液体という意味を持つ漢字が使われています。
漢字で書く必要はありませんが、意味を知っていると記憶の定着もよくなります。

さて、ここで問題が発生します!
からだの細胞に酸素を運ばなければならないのに、酸素は水に溶けにくい性質を持っています。
これでは、血しょうに溶かして運ぶことができません。
そこで、酸素を運ぶ専門家が必要になるわけです。それが赤血球なのですね!

血液の役割である「運ぶこと」は血しょうと赤血球が主に行います。
その他に血液の成分として押さえておくべき要素はなんでしょうか?

生物にとって生命を脅かすものとして、病気と怪我があります。
病気を防ぐために白血球、怪我をしたときのために血小板をすぐに届けられるように、この二つの血球は常にからだの中をパトロールしているイメージです。

 

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このように知識が整頓されていれば、赤血球は酸素を運ぶ専門家であり、白血球と血小板は病気と怪我の対策のために運ばれているものだと分かっているので、二酸化炭素は血しょうに溶かして運んでいる物質の一つであると判断できますね!問いの解答は㋓の血しょうです。

今回は血液の成分とはたらきを話題にお話しました。他の分野においても、同様に知識をもとに正しい判断を求められるような問題でよく間違えてしまうのであれば、知識は持っているけど整頓されていないという状況が考えられます。大枠をつかみ詳細を詰めるという流れで、もう一度知識を整頓してから問題に取り組んでみると正しい判断ができるようになります!

目指せ判断力UP!
それでは、またお会いしましょう!

理科ドクター