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投稿日:2022年11月15日

テーマ: 理科

知識定着力up!~火山と岩石①~

皆さんこんにちは。

受験Dr.講師の勝山利信です。

今回のテーマは「火山と岩石」です。岩石の種類が複数あり暗記項目の多い内容で、選択問題で出題された場合に最後の2択で迷うことがあります。物事を正確に覚えるための方法はいくつかありますが、こちらの内容については、原因と結果を結び付けて理解することで記憶の定着を強くすると良いでしょう。

こちらが今回覚えておきたい内容です。

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一見情報量が少ないように見えますが、丸暗記をしてしまうと岩石の種類と冷え固まる場所、構造の名称を取り違えてしまうことがあります。それを防ぐために一つ一つの要素の結びつきを見ていきましょう。

【なぜ種類を分ける必要があるのか?】

そもそも岩石に限らず様々な物を分類するのは、性質が異なる物は我々に与える影響も異なるからです。岩石については構造や成分が異なれば地震動の伝わり方や建造物の基礎にする場合の強度、材料としての性質が異なるので、この違いが影響の違いに現れます。そこで、まずは構造が斑状組織か等粒状組織かによって分類しそれぞれ火山岩と深成岩と名前を付けました。

名前の由来はシンプルで、火山岩は地表付近でマグマが冷えて固まってできた岩石なのでまさに「山を作っている岩石」になります。深成岩は地下の深いところでマグマが冷えて固まってできた岩石なので「深い場所で成り立つ」ということでそのような名前になっていると考えましょう。そのように考えると、岩石の名前と冷え固まる場所については結び付けて覚えることができます。

【なぜ構造が異なるのか?】

それでは、なぜマグマが冷えて固まるときに地表付近と地下深くでは構造の異なる岩石が生まれるのでしょうか。これは温度の違いによって固まるのにかかる時間が異なることが原因です。

地球の構造では地下深くの方が高温であるため、深成岩の方がゆっくりと時間をかけてマグマが冷えて固まります。すると、マグマの成分である様々な鉱物が同じ種類ごとに集まりながら固まる時間が生まれるため、大きな結晶をつくることができます。結果的に様々な鉱物が同じくらいの大きさの結晶となり、ひしめき合うような構造の岩石になります。

マグマが冷えて固まることがイメージしづらい場合は、冷えた豚汁や鍋料理を想像してみてください!

特に豚汁が分かりやすいと思います。温度が高いときは表面に液体の油が浮いています。温度が下がるにつれて油が固まって白い塊になっていきます。時間をかけてゆっくりとかき混ぜながら冷やせば油どうしがくっついて大きな塊になります。

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ではこれを急に冷やしたらどうなるでしょうか?

大きな塊になる時間がなく、その場で冷えて固まるので小さな塊がまばらにできます。これが斑状組織のイメージです。斑状の「斑」という漢字は「ハン」の他に「まだら」と読みます。まだらとは異なる色や濃淡が入り混じっていることを指すので、小さな結晶(斑晶)が石基(鉱物が小さな粒のまま固まった部分)に入り混じっている構造の岩石であることからこの名前がついたと考えられます。

このように、知識を丸暗記するのではなく、なぜそのようになるのか理解することと合わせて覚えることで、記憶の定着も良くなり、問題を解く際の知識の取り違えも防ぐこともできます!是非、他の物事を覚える際もできる限り理解とセットで覚えるように心がけましょう。

目指せ知識定着力UP!

それでは、またお会いしましょう!

理科ドクター