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投稿日:2023年04月10日

テーマ: 理科

理解力up!~化学反応とは?

皆さんこんにちは。
受験Dr.講師の勝山利信です。

今回のテーマは「化学変化とは?」です!

前回のブログでは、物質の名前をただ丸暗記しようとせずに、なぜそのような名前なのか理解したうえで覚えると記憶の定着も良くなるという話をしました。

今回も物質をブロックに例えて化学変化についての理解を深めていきましょう!

化学変化に関する問題では、量についての計算問題もよく出題されます。

何が起こっているのかが理解できれば、計算方法は自然にイメージできるようになります。

日々の学習の際に、化学分野の計算問題で困っているのであれば、是非参考にしてください。

 

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【化学変化とは?】

さて、化学変化とはいったい何なのでしょう?

辞書的な意味としては「1種類以上の物質が反応して、もととは異なる物質が生まれること」を指します。

言葉の意味をかみくだいてみます。

反応・・・粒の組み合わせが変わること

異なる物質・・・物質が異なれば性質が異なる

かみくだく分少し長くなりますが、「物質は反応すると粒の組み合わせが変わる。粒の組み合わせが変わると性質も変わるので、別の物質になったということ。」と言い換えることができます!

ここで重要なことは、粒の組み合わせが変わるだけなので、気ままに思いもよらない物質が生まれたりはしないということです。例えば、銅と酸素が反応したのであれば、そこから鉄やアルミニウム、水素など他の粒をふくむ物質は生まれません。

 

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図のように、銅に酸素が結びつけば酸化銅ができます。

また、酸化銅は酸素の粒と銅の粒が同じ数だけ結びついて生まれます。

別々だった2種類の物質が結びついて粒の組み合わせが変わり、もととなった酸素や銅とは性質の異なる酸化銅が生まれました。

ちなみに、銅を4g加熱して空気中の酸素と反応させると、5gの酸化銅が生まれます。

1g増えていますがこれは何の重さでしょうか?

結びついた酸素の重さ以外考えられませんね!基礎的なことですが、理解が深まると自然に計算することができるようになるというのは、今のような感覚です。

「酸化銅の重さから銅の重さを引くと酸素の重さになる」と暗記するわけではありませんね!

 

【炭酸水素ナトリウムの加熱分解】

炭酸水素ナトリウム、別名は重曹(じゅうそう)です。

化学変化や化学変化というと2種類以上の物質が結びついて起こるイメージが強いかもしれませんが、1種類の物質から複数の物質が生まれる場合もあります。その代表例が炭酸水素ナトリウムの加熱分解です。

カルメ焼きという砂糖と重曹があれば簡単に作れる(温め方やタイミングにコツはいります)お菓子がありますが、独特のサクサク食感は炭酸水素ナトリウムの加熱分解が関係しています。

では、炭酸水素ナトリウムが加熱されて分解される様子を粒の組み合わせの変化で見てみましょう!

 

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カルメ焼きを作るときは発生する二酸化炭素の気体が泡となり、すき間が程よくできて砂糖が固まるので、あのサクサク食感が生まれます。

粒の種類と個数を数えてみると、酸素6個、水素2個、炭素2個、ナトリウム2個というように反応の前後で一致していることも注目するポイントです!粒の個数が一致しているということは、反応の前後で重さの合計が変わらないということです。計算する問題で考え方のベースにすることもあるので押さえておきましょう。

式の形でまとめると、

 炭酸水素ナトリウム → 炭酸ナトリウム + 水 + 二酸化炭素

となり、ただ暗記してしまいがちですが、粒の組み合わせが変化していることをイメージして何が起こっているのか理解して覚えるようにしましょう。変化後に、固体、液体、気体がそれぞれ生まれ問題も作りやすいので出題されることも多い物質です。是非これを機会に知識を理解とともに押さえておきましょう!

 

今回扱った銅の酸化や炭酸水素ナトリウムの加熱分解の他にも様々な化学変化があります。それらの変化も粒の組み合わせの変化を意識することで、丸暗記から理解へと発展し、計算問題への対応にもつながります。

目指せ理解力UP!

それでは、またお会いしましょう!

 

理科ドクター