・土星食
2024年12月8日の夕方、月が土星を隠す現象が日本で観測できます。
2024年12月8日 土星食 【東京での予定時刻】
潜入開始=隠れはじめ 18時19.2分
出現終了=出終わり 19時02.0分
土星食が観察できるのは、日本の中でも南東よりの部分に限られます。
月の上端に近いところが土星を横切るため、北海道や九州では隠れません。
観察のポイント
隠れはじめは、月の暗い部分に隠れるので観測しやすいと思います。
再び姿を現すのは、月の明るい部分からになるので、肉眼でははっきりと見えないかもしれません。
日食・月食のポイントを勉強したみなさんにとって、惑星食は日食・月食と違って、隠す月がいろんな形をしているところが新鮮ですね。
さて、土星食に関する入試対策として、押さえるべきは以下の知識です。
「土星食」の学習のポイント
1.土星の知識
2.惑星の知識
3.月の知識
今回はこのうち
1.土星の知識
について問題演習形式で扱っていきます。
暗記不要な知識は基本的に問題文で与えられるため、土星について覚えるべき知識は多くありません。
ただ、そうは言っても知らなければ答えられない問題に対しては、最低限の知識があった方がよく、予備知識があった方が問題に与しやすくなります。
問題1
土星は環を持つことが知られています。これは何でできていますか。
1.岩石
2.氷
3.ドライアイス
答え:2
ほぼ氷です。知らないと答えられませんね。
土星の環は大小の氷の粒でできており、環の大きさに比べて厚みがわずかなんと数十メートル。非常に薄い造りになっています。
このため、環を真横から見るような位置にくると、環が全く見えなくなります。
ところで、もう少し長いスパン(1億年単位)で見ると、この環は消滅する可能性があると考えられています。
これは、環を構成する水が、雨となって土星本体に降り注いでいるためです。
問題2
土星の写真を見ると、横につぶれたような形に見えることがあります。この理由を選びなさい。
1.自転速度が速いため
2.公転周期が長いため
3.環が映り込むことにより目の錯覚が起こるため
答え:1
自転速度が速いと遠心力が大きくなります。
地球にも同様の力が働くため、わずかにつぶれています。
問題3
土星の衛星であるタイタンでは、地球の河川と同じような浸食地形が確認されています。どのような液体によって作られたか、選びなさい。
1.二酸化炭素
2.硫酸
3.メタン
4.水
答え:3 メタン
これも知らなければ答えられません。タイタンは生命の存在の可能性が考えられることから注目度の高い衛星です。
問題4
土星食が起こるときの月の形は?
1.必ず満月である。
2.必ず新月である。
3.必ず上弦の月である。
4.必ず下弦の月である。
5.月の形は特定できない。
答え:5
日食・月食は太陽、地球、月の位置関係で決まるため、
日食は新月の時、月食は満月のときに限定されます。
これに対して、土星食は地球、月、土星の位置関係で決まるため、太陽の向きに関係なく起こります。
今回(2024年12月)土星を隠していく月は、上弦の月になる少し手前の形となっています。
今回は土星の知識中心に扱いましたが、こういったイベントにかこつけつつ、一般的な内容を問う問題も考えられます。下記の項目をまとめ直しておくことをお勧めします。
1.内惑星と外惑星の見え方の違い
2.惑星の衛星の個数
3.惑星の順行・逆行
4.月の視直径
5.月の公転速度
12月8日夕刻、みんなで空に注目しましょう!