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投稿日:2018年08月14日

テーマ: 理科

光の進み方① ~光の筋はなぜ広がる?~

算数・理科担当の大木快です。

理科という科目は、
覚えれば点になる分野と、
理解しないと点にならない分野があります。

このうち理解が重要な分野というと、
まず思い浮かぶのが、力や電流ではないでしょうか。

…どれも、目に見えませんね。

他にはどうでしょう。

化学反応はどうでしょう。例えば鉄と塩酸の反応などは、気体が発生しているので反応の様子は見てわかりますが、分子レベルで起こっていることとなると、小さすぎて見えません。
ましてや、塩酸と水酸化ナトリウム水溶液の反応は、透明な水溶液同士なので、混ぜてもそこにあるのはやはり透明な液体…これでは何が起こっているかさっぱりわかりません!

これらの分野を攻略するには、
目に見えない対象をしっかり「捉える」
訓練が欠かせません。
それだけに工夫の余地が大きく、差をつけやすい分野でもあります。

さて、今回は
雲の間から漏れる太陽光線
について、取り上げたいと思います。

光は目に見えるでしょうか?

一応、目に入ってきている情報は全て光ということになります。
ただ、光があるのはわかるとして、その光が空気中を通る道筋は目には見えません。

見えないものをみえるようにするに、工夫が必要です。

例題1

暗い箱の中を通る光の道筋を観察しようとしましたが、そのままでは光の道筋は見えません。どのような工夫が必要でしょうか。

箱を暗くすれば見えるような気がするのですが、それだけでは不十分とうことです。

解答例 線香の煙で箱の中を満たす。

身近な例で言えば、霧の中を照らす車のヘッドライト、ほこりの充満した部屋に窓からさす光などがありますね(笑)

例題2

暗箱の中を進む光の道筋を観察するために、線香の煙で箱の中を満たす理由を答えなさい。
すこしレベルを上げてみました。

解答例 光が煙の粒子に当たって散乱するから。

例題1は、線香の煙という決まり文句を押さえればよい、一問一答レベルの知識問題。
例題2は、煙が微粒子であること、さらに光の散乱についての理解が必要となります。散乱した光が、光の道筋として観察者の目に届くということなんですね。

さて、微粒子に散乱させることで、目には見えない光の道筋を捉えることに成功しました。

ところで、
光の筋のことを、光芒といいます。
こんな感じ。

光の進み方1

雲間から漏れた光の筋が、放射状に広がって見える、あれです。
誰もが一度は目にされている光景だと思います。

よく見てください。

不思議だと思いませんか?
だって、

太陽光なのに平行じゃない。

太陽から地球まで、1億5000万km離れています。
雲間から出てくる太陽の光の筋は
地球に届くころにはほぼ平行光線のはず。

ためしに光の筋を逆に伸ばして元たどると…

光の進み方2

太陽の場所は、雲のすぐ上⁈
謎は深まるばかり。
実は、これはワタクシが実際に抱いていた疑問なのですが、どのように理解したか、謎の真相について、次回明らかにしようと思います。
(次回に続く)

理科ドクター