皆様こんにちは。大木快です。
↓今年最大の満月…の次の日の月。
やはり大きい…
前回、小惑星リュウグウを目指す日本の探査機はやぶさ2が、地球の引力で加速される様子について扱いました。
この度、はやぶさ2がリュウグウに着陸したとのニュースが飛び込んできました。
これで、来年出そうな問題が1つ確定したと言えます。
探査機はやぶさ2の宇宙の旅により、小惑星リュウグウについて、これまでに
色々なことが分かってきました。
リュウグウの重力は地球のおよそ
8万分の1。
ひとことで
8万分の1といってもピンとこないと思いますので、
どんな世界なのか、想像力を働かせて考えることにします。題して、
~小惑星リュウグウで遊んでみよう~
ここで問題です。
重力が地球の8万分の1であるリュウグウで
巨大な天秤を用意した。
天秤の一方に体重80kgの人間を乗せる。
もう一方には1円玉( )枚をのせるとつりあう
①1枚 ②10枚 ③100枚 ④80000枚
いかがでしょう。
1円玉の「体重」は1gですが…
正解は①の1枚ではなく、
④ 80000枚
でした。
人間にかかる重力は80kgの8万分の1になるので、
ばねはかりではかると、①の1枚で間違いないのですが、
この問題では天秤を用いていることに注意。
反対側に置くものも同じように重力が8万分の1になってしまいます。
ではいよいよリュウグウで遊んでみます。
さて、何をして遊びましょう…
跳躍運動でもやってみましょうか。
ピョンピョン飛び跳ねる、あれです。
今回は
・重力加速度=0.13 mm毎秒毎秒(地球の77000分の1)
・跳躍運動の初速=秒速2m
を用いてシミュレーションしたいと思います。
さあ跳ぶぞ、と足を急に曲げたら、足が地面から離れてしまいました。
まともにしゃがむだけでもかなりゆっくりやらないといけません。うーん、やりづらい。それでもなんとか態勢をととのえることができました。
あれ、落ちない。どんどん上っていく。
足元の方向を見ると、地面がみるみる遠ざかっています。
速さは、気分的には高速のエレベーターに乗っている感じでしょうか。
ところで、全然止まる気配がありません。
気がつくと、自分がいた地面は大きな塊となって、遥か彼方に離れていき、やがて
小惑星全体の姿がかなり小さくなります。
近くに物がないため次第に動いている感覚がなくなり、自分が動いているかどうかも全く分からなくなりました。
「もしかして、止まってる?」
「どうしよう、戻れるのかな?」
一応戻れますので、安心して次の問題をどうぞ。
秒速2mで上空に飛び出した人間の最高到達点は、小惑星表面から15.4㎞でした。
この人間が最高点まで到達する間に、東海道・山陽新幹線は東京から( )まで行くことができます。
①品川 ②新横浜 ③小田原 ④広島
さて、時間に関する問題です。
ここまでの所要時間をおおざっぱに計算したところ
15400秒=約4.3時間が得られました。
東京から新幹線に乗ると、
のぞみの所要時間は広島までで3時間58分なので、正解は
④広島 となります。
次に、15.6㎞離れた小惑星リュウグウはどのように見えるか想像してみましょう。
リュウグウの直径は700mですから、大きさはどのくらいに
感じられるかをたとえていうと…
成城学園から新宿御苑を眺める感じ。
さて、最高点に到達して止まってしまった感覚になり、
もとの場所に帰れるか不安でしたが、1時間程すると、
何やらもとの地面が大きくなってきました。
「ああ、帰れるんだ」
実際は速さの変化は
およそ10秒で秒速1mmずつ減速し、最高点で一瞬止まり、その後
およそ10秒で秒速1mmずつ加速して、もとの速さで
着地します。
地面はみるみる大きくなり、下りのエレベーターに乗っているような速さに。
そして、ほとんどそのままの速さで、
着地!!
ここまでの所要時間は往復8.6時間!!
お疲れ様でした。
ピョンピョンどころか、ピョンだけで
8.6時間かかってしまいました。どんなに嬉しいことが
あっても、次からは飛び跳ねるのだけはやめておきましょう。
後悔しますよ。きっと。
今回は本当に宇宙に飛び出してみました。
それではこの辺で。