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投稿日:2020年03月13日

テーマ: 理科

いろいろな力~磁力①~

皆様こんにちは。大木快です。

今回は力学のお話です。

力学を苦手にするお子様は多いですが、わかりにくい原因として
体系的に学習しづらいことが挙げられます。

突然ですが、問題です。

問題1
理科で扱う力には様々なものがあります。①重力
②磁力
③静電気力
④復元力(ばねを伸ばしたり縮めたりしたときに生じる力)
⑤慣性力
⑥摩擦力
⑦遠心力
⑧浮力

このうち中学入試で問われるのはどれでしょうか。

正解は(もう予想できますね…)

①②③④⑤⑥⑦⑧

そう、全てです。中学入試理科の特徴ですが、

深くないけど、広く出る。

しかも、時に深い。①から⑧のうち、必ずしも体系的には学習しないものがいくつかあります。
出題するのは中高で理科を教えている先生なので、ネタは高校理科の範囲まで広がります。つまり、豊富なネタがあるわけです。
その中から浅く出題されることを前提にするならば、

問われる視点から逆算した知識

を押さえることが有効です。受験生のレベル、志望校に応じてこの匙加減が変わってきます。押さえる際に大切なのは
身の回りにある現象と関連付けること。出題者の視点はまさにここにあり、
「ほら、世界はこんなに面白いもので満ち溢れているよ」つまり、
理科の面白さを知ってほしい
というのがそのネタを選択する動機だからです。

今回は「磁力」に関する問題を紹介します。

問題2(大宮開成中)
長さ10㎝、重さ40gの円柱状の磁石A、Bを用いて次のような実験を行いました。磁力1【実験】
①図1のように、台はかり上にとう明なつつを置き、つつの重さが無視できるように台ばかりを調節した。台ばかりの測定台は磁石につかない素材でできているものを用いた。
②つつ内に磁石Bを立たせた。
③ばねばかりにつり下げた磁石Aをつつ内にそっと下ろし、台ばかりから磁石Aの底面の高さとばねばかりが示した値を測定した。測定は、ばねばかりが示す値が0gになるまでおこなった。そのときの磁Aの底面の高さは12㎝であった。
④結果を表にまとめた。磁力2

問1 実験において、磁石Bの上側はN極でした。磁石Aの下側は、
(N極、S極)です。
問2 磁石Aの底面の高さが18cmのとき、磁石Aと磁石Bとの間にはたらく力の大きさは何gですか。
問3 磁石Aの底面の高さが14㎝のとき、台ばかりが示した値は何gですか。
問4 磁石Aの上下を実験の時と反対にして、同様の実験を行いました。磁石Aの底面の高さがある高さまで下がると、磁石Bが磁石Aに引き寄せられ、くっつきました。磁石Bが引き寄せられる直前の磁石Aの底面の高さは何㎝ですか。

まず、実験結果をまとめた表ですが、
磁力3

糸につるした磁石Aを下げていくと、だんだん軽くなっていく様子がわかります。なぜ軽くなるか?

磁石BとAが反発するからです。

これより、問1の磁石Aの下側はN極であるとすぐにわかります。

また、問2 底面の高さ=18cmのとき、磁石に働く力は、ばねはかりの値が37.5g

なので、磁石Aの重さ=40gから2.5g軽くなっていることから、磁石の反発力が2.5gだとわかりますね。

続きは次回。問3の前に、この表にひと工夫加えます。お楽しみに!

理科ドクター