このシリーズではさまざまな力に関して掘り下げています。マイナーなものもありますが、押さえて損はありません。じっくり扱うことが少ないだけに、原理だけでも理解しておけば負担が減ります。
今回は、静電気力を扱います。磁力に比べてはるかにマイナー度を帯びてきました。
それでは今回の入試問題です。
問題(芝浦工大柏中 表現を変えています)
1.次の( )内の適語を選びなさい。
静電気は空気の湿度が(① 高い・低い )と発生しやすく、湿度が(② 高い・低い )と発生しにくい。
元の問題では季節とともに聞かれています。冬に静電気が発生しやすいことは経験的に知っていてほしいところ。正解は①低い②高い
2.髪の毛を下じきでこすると、髪の毛が下じきに引き寄せられます。これは下じきと髪の毛をこすり合わせたときに、髪の毛が+(プラス)の電気を帯びて、下じきが ー(マイナス)の電気を帯びたからです。
このことから、+の電気とーの電気の間には引き合う力がはたらくことがわかります。引き合う力の大きさはそれぞれの物体が帯びている電気の量や物体どうしの距離によって変わることがわかっています。次の表は+の電気の量、ーの電気の量、物体どうしの距離、引き合う力の大きさの関係を表したものです。空欄あ、いを埋めなさい。
2乗に反比例のパターン。磁力と共通しています。暗記は不要ですが、このほか、距離と明るさなどでも登場します。与えられたデータの使わせ方は完全な典型題です。
(あ) aとb、aとcを比べます。一方の電気量が2倍、3倍になると、力も2倍、3倍になります。この2つが同時に起こるので、(あ)に入る数は
2×3=6
(い) aとe、aとfを比べます。距離が□倍だと、力は倍になっていることをつかんで、(い)=
3.ーとーの電気どうしには、反発する力が働くと予想した。これを確かめるために、次の道具①②③を用いてどのような実験をすればよいか。30字以内で答えなさい。
なお、ストローとティッシュをこすり合わせるとストローはーの電気を、ティッシュは+の電気を帯びることがわかっています。
①糸でつるしたストロー ②ストロー ③ティッシュ
実験内容は予想がつきやすいですが、字数制限がきつくなっています。
「帯電させる」というフレーズまで押さえておくと、字数が大幅に節約できます。
(解答例)2本のストローをティッシュでこすり、近づけて動きをみる。
今回の問題で、新たな疑問が浮かんできました。早速問題にしてみます。
補充問題1
乾燥しているときのほうが静電気がたまりやすいのはなぜですか。
補充問題2
体に静電気をためる装置に触れた人は、髪の毛が逆立っています。なぜですか。
手ごわい問題になってしまいました。
解答解説は次回に続く…
それではまた。