入試頻出の数字のカードで整数を作る問題です。頻出度☆☆☆。
苦手な人、嫌いな人も、避けては通れません。どうせ避けられないなら、この機会にマスターしてしまいましょう。
【絶対マスターしておきたい問題】
1,1,1,2,2, 3,3の7枚のカードがあります。
(1)3枚を並べてできる3桁の整数は( )通りあります。
(2022年 芝中学校)
前回紹介した問題とほぼ同じパターンです。
まず、やり方がすぐに決まるでしょうか。
・すぐ決まる人…よい学習ができていると言えます。
・すぐ決まらない人…テストのときに迷わなくていいように(=楽ができるように)やり方を覚えていきましょう。
前回紹介したやり方は次の①②でした。
①樹形図をかく
作戦としてはだれもが思いつく方法で、必ず実行できるものです。
ただ、やれば必ず正解する、というわけではありません。
1のカードは3枚、他は2枚となっているので、「枚数制限」があります。これに注意して、慎重に書き進めましょう。
②分類して調べる
この問題では、数字によって枚数が異なります。
たとえば、使う数字の種類で分類(=場合分け)すると、
1 aaa型
2 aab型
3 abc型
の3種類に分けることができます。
このほかに、数字の1を使う回数(0回、1回、2回、3回)で分類することも考えられます。
分類さえうまくできれば、比較的容易に答えを決めることができるでしょう。
「漏れなく、重複なく」分類することがポイントになります。
楽をしたい人、早くやりたい人、正確にやりたい人には、ぜひマスターしてほしいやり方です。
③余事象を考える
今回は前回の問題と異なり、数字の2と3がともに2枚あります。
樹形図を回避するもう一つの手段として、今回は③のやり方を説明します。
「余事象」とは、あることがらに対して、そうならない場合を指します。
ここでは考えられるすべての個数から、作ることができない数の個数を引き算して求めることを考えます。
1,2,3を何回でも使えるとしたときの数字の個数から、
実際には作ることのできない個数を引き算すればよいのです。
・重複順列
1,2,3が1枚ずつの場合はどうだったでしょうか。
最初が3種類、次が残った2種類、その次が残った1種類、
と並べることができるので、作ることができる数の個数は
3×2×1
で求めることができましたね。これを「順列」と言います。
それでは1,2,3を何回でも使えるときは、どう考えればよいでしょう。
すべてのカードが何回でも使えるとすると、
最初が3種類、次も3種類、そのまた次も3種類
使えるので、
3×3×3=27通り
となります。これを重複順列といいます。なじみの薄い言葉かもしれません。使っても使っても減らないイメージです。
この27個の数うち、実際には作れない数字は何でしょうか。
2と3枚は、3回使うことができませんね。
これにより222と333の2つの数字がNGパターンとなります。
以上より求める個数は
27-2=25となります。
いかがでしたか。
重複順列は地味ですが、場合の数の問題の要所で活躍する考え方です。
意識的に活用して、解法の幅を広げましょう。
それではまた。