日々学習している内容はトータルでは相当な量になります。忘れるのは当たり前。いっぱい忘れて、いっぱい覚え直して、より強くなるのです。
より強くなるために必要なことは
①ミスをすること
②繰り返し復習すること
の2つです。ミスすることで、より強く印象付けることが可能となります。惜しいミスや痛いミスはプラスの意味があるということです。
さらに、忘れたころを見計らって復習できれば、記憶はより強固なものになります。
今回は、算数の小技~9で割った余り~の内容を復習します。
父:学んだことが身についているか、次の問題でチェックしていくぞ。
【問題】
3けたの整数ABCを3/4倍するとBCAになり、BCAを11/27倍するとCABになりました。3けたの整数ABCはいくつですか。 (2019 早稲田中・2回)
良夫:見るからに難しそうなんだけど。
まずABC=ア、BCA=イ、CAB=ウとして、ア:イ:ウを求めることができる。
ア:イ=4:3
イ:ウ=27:11
だから、この2つの比をそろえると、
ア:イ:ウ=36:27:11
まあここまではわかる。
父:ほほう。
良夫:アは、3けたの36の倍数、イは、3けたの27の倍数、ウは、3けたの11の倍数だね。
父:ふむふむ。
良夫:ここで、最終兵器。
父:いきなり最終兵器?
良夫:名付けて「全部調べる」!
父:!
良夫:まず、アは、3けたの36の倍数だから、36×3=108から、36×27=972までの…25個が候補になる。
父:その通りだ。
良夫:これらを全部調べれば…
父:何を調べる?
良夫:まずアの候補25個を全部書き出す。
父:それで?
良夫:次に、ア:イ:ウ=36:27:11になるようなイとウを書き出す。
父:それから?
良夫:数字を見比べて、ABC、BCA、CABの形に当てはまる組が答え。
父:と、いうわけか。
良夫:どう?
父:…完璧じゃないか!じゃあ健闘を祈る。
良夫:でも、25個はちょっと多いな…。
父:ではヒントタイム。
良夫:待ってました!!
父:アは36の倍数だから、9で割ると…
良夫:割り切れる!
父:つまり、
良夫:9の倍数だ。
父:3つの数字A、B、Cについて言えることは?
良夫:9の倍数なんだから、各位の和が9の倍数。それが何か?
父:すごい、身についている。
良夫:どういうこと?
父:イとウをよく見てごらん。イ=BCA、ウ=CABも、
良夫:各位の和がアと等しい!…てことは、
ああっ、ウも9の倍数じゃん!
父:ってことは?
良夫:11と9の公倍数だから、99の倍数!
おおっ。これでウの候補が、198から990の9個に絞られた!
ここまで来たら迷わず調べられるよ。やっぱり基本は大事だね。
まとめ
良夫の発言「9の倍数なんだから、各位の和が9の倍数」が、今回の根本原理でした。ここまで絞れたら、ゴールできそうですね。
36の倍数と27の倍数のところに目をつけて、9の倍数の持つ条件を利用しましたが、やや高めの知識なので、強固に身に着けて初めて活用できると言えそうです。原理はシンプルですが、使いこなすにはそれなりに使う練習が必要ということがお分かりいただけたと思います。
(問題の答え:ABC=972)
今回はここまでです。次回をお楽しみに。