みなさん、こんにちは。
受験ドクターの坂井です。
突然ですが、みなさん粉塵(ふんじん)爆発(ばくはつ)って知っていますか。
可燃性の粉末が空気中を漂っている状態を粉塵(ふんじん)といい、
この粉塵と空気中の酸素と着火源がある条件下でそろうと
爆発が起きるのです。
可燃性の粉末、例えば小麦粉。
そうなんです。小麦粉で爆発が起きるんです。
先日読んだ推理小説でも工場を爆発させるトリックとして
登場していました。
このトリックを簡単に説明すると、小麦粉が保管されている工場に
小麦の粉末を漂わせておいて、そこにタイミングよく
工場に戻ってきた工場長が扉を開けた途端にドッカ~ン!
扉にはひもが付いていて、扉を開けるとそのひもが装置をひっぱり
火花が発生、その火花が着火源となり大爆発が起きるといった仕組みです。
ちなみに着火源となるのはライターやマッチをつけた時の炎はもちろん
火花や静電気でも十分着火源になり得ます。
ホントに爆発しますので、みなさん決してマネしないようにしてくださいね!
では、いったいどのような原理で小麦粉が爆発するのでしょうか。
まず、小麦粉は炭素を持っているので燃えます。
これはみなさん知ってますよね。
しかし、お皿の上のてんこ盛り状態の小麦粉に点火して爆発することは
ありません。
これは粒子間の間隔がせますぎて十分な酸素量が供給できないからです。
粒子間の隙間がせますぎて十分な酸素量が行き渡らないので
小麦粉の粉末は燃えない。
粉塵の状態だと酸素が十分に供給され、
粉塵から他の粉塵へと燃え広がっていく。
粉塵の状態であれば、粉塵1粒子あたりの空気中の酸素に触れる表面積が大きくなり、
十分な酸素量が供給されるので一瞬のうちに粉塵から他の粉塵へと燃え広がっていきます。
これが粉塵爆発の原理です。
ここで粉塵爆発にまつわる入試問題を紹介します。
みなさん、是非考えてみてください。
炭鉱では爆発事故が起きる危険性があります。これは、
右の図のような石状の石炭は簡単には爆発しませんが、
粉状の石炭はとても爆発しやすいためです。粉状にな
った石炭はなぜ爆発しやすいのですか。その理由を説
明しなさい。
解答:粉状の石炭は空気中の酸素とふれる表面積が大きいから。
石炭は石ではありません。
木や植物が海や湖の底にたまり、土砂の重みで圧力がかかります。そして地球の熱によって何億年もの長い時間をかけて石のように固い石炭になります。
石炭のもとは木や植物なんです。ですから炭素を含んでいますので燃えます。
せまい炭坑の中で石炭を砕くので石炭の粉塵が生じます。そこに静電気などによる発火が起こると粉状の石炭は空気中の酸素と触れる表面積が大きくなり、粉塵から粉塵へと燃え広がっていき粉塵爆発が起きるのです。
それではみなさん、
またお会いしましょう。