皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
私のブログでは、簡単に手に入る材料だけを使って、家でも手軽にできる楽しい理科実験を、どんどん紹介していきます!
このブログを読んで、一人でも多くの人に理科の楽しさを知ってもらえたら幸せです。
もちろん、受験ドクターのブログですから、中学受験の役に立つ題材を厳選します。
つまり、実際の中学入試問題につながる実験や、どこかの中学でこれから出題されそうな題材を楽しく学べる実験ばかりです。
どうぞご期待ください!
「ハニカム構造」って知っていますか?
さて、ここからが本題。
記念すべき第1回目のテーマは、「ハニカム構造」です。
おやおや、何やら、いきなり難しい言葉が出てきてしまいましたね?
でも、安心してください。難しいのは言葉だけで、分かってしまえば簡単ですよ。
実は、「ハニカム」というのは「ハチの巣」のことなのです。
つまり、多くのハチの巣のように、正六角形や正六角柱がギッシリと並んだ構造のことを「ハニカム構造」と言っているのです。
自然がつくるこの美しい構造は、平成23年度の海城中学校(第1回)の入試問題でも取り上げられました。
中学入試では、どのように聞かれるの?
では、実際の入試でどのように出題されたかを見てみましょう!
(2) 四角柱
せっかくですから、解説もしていきますね。
(1)は、実際に一つひとつの穴が円柱になるように作った場合を想像すると、比較的簡単に分かります。
だって、円柱の穴を並べた巣を真上から見ると、こんな形になりますよね。
このすき間の部分(図で赤くぬりつぶしたところ)を、すべて蜜ろうで埋めなければならないとなると、働きバチさんも大変じゃないですか!
それに、多くの蜜ろうを使って作った巣は、当然重くなりますよね?
特に大きな巣を作ろうとすると、巣自体の重さで壊れてしまうことにもなるのです。
つまり、ハニカム構造は少ない材料で作れるため、軽量化できるメリットがあるということになります。
その点、(2)の四角柱なら、不都合はなさそうな気がしませんか?
実際に、正四角柱の穴を並べて同じように巣を作ると、こんな風になるはずです。
穴と穴のすき間も、ハニカム構造とほとんど変わりません。
蜜ろうもあまり使わないで済みますし、その分、巣も軽くなるはずですね。
本当に、四角柱の穴が、六角柱の穴に比べて不都合な点などあるのでしょうか?
そこで、さっそく実験で確かめてみましょう!
紙筒で、実際にハニカム構造を作ってみよう!
用意するのは、紙,鉛筆,定規,はさみ(カッター),のりだけです。
まずは、下の図のような六角柱を19本作りましょう。
正六角形の1辺は1cmになるはずです。
多少のずれなら問題ありませんが、あまりにも雑だと、後からちゃんとくっつかなくなってしまいますよ。
完成したら、六角柱どうしをくっつけて、いよいよハニカム構造を作っていきます。
隣どうしをいっぺんに貼り合わせなければならないので、ちょっと難しいかもしれませんね。
がんばれ!
私も実際に作ってみました。
ちょっとゆがんでしまいましたが……でも、一応ハニカム構造にはなっています。
使った紙は、私の授業を受けているお子様にはおなじみの、青い方眼の入った紙です。
次に、四角柱の巣を作っていきます。
材料(実際の巣なら蜜ろうの量)を同じにするため、下の図のような長さで作ります。
正方形の1辺は、1.5cmになりますね。
同じように、全部で19本作りましょう。
こちらも、作った19本の四角柱をつないで、巣の形にしていきます。
1列分ずつ作って、最後に貼り合わせると作りやすいかもしれません。
完成したのがこちらです。
さて、四角柱の穴が、六角柱の穴に比べて不都合な点とは何なのでしょうか?
縦にして、受験ドクターの算数根本原理カードを置いてみると……
縦は丈夫ですね。どちらもがっちり支えています。
今後は、横向きにしてスマホをのせてみます。すると……
こんなことをしてみると、その違いは一目瞭然ですね。
六角柱の方もつぶれてはいますが、それでもまだ、空間は残っています!
真横に並べてみても……
もうお分かりですね。
六角柱と四角柱では、出来上がった巣の丈夫さがまるで違うのです!
実際に作ってみると、組み立てている最中から、六角柱と四角柱の違いを感じられると思いますよ。
だからハチは、ハニカム構造の巣を作るのですね。
ちょっとだけ、ハチさんの気持ちが分かったような気がします。
百聞は一見にしかず――これだから実験はやめられないですよね!
次回もお楽しみに!