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投稿日:2017年05月05日

テーマ: 理科

「こどもの日」と「子午線」の意外な関係

皆さんこんにちは。

受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。

今日は5月5日――こどもの日ですね。

柏餅は食べましたか?

鯉のぼりは上げましたか? 兜飾りは?

菖蒲湯なんて、最近ではあまり入らないのでしょうか?

少し考えただけでも、日本にはいろいろな風習がありますね。

私たち受験ドクターは、常にこどもファーストですから、ある意味毎日がこどもの日なのですが……

せっかくなので、今日は「5月5日」にちなんだ理科の話をしたいと思います。

さて、5月5日は、「端午の節句(たんごのせっく)」とも言いますよね。

こどもの日と端午の節句……どちらが古いかというと、圧倒的に端午の節句です。

こどもの日は、日本の祝日の一つですが、これができたのは1948年――昭和23年のことですから、まだ100年も経っていないのです。

一方、端午の節句というのは、中国で使われていた五節句の一つで、
日本には奈良時代からすでに伝わっていましたが、正式に法制化されたのは江戸時代だそうです。

ここで、ふとわいた疑問……「端午」って何でしょうか?

そう言えば、理科の用語に「標準時子午線」なんてありますが、この「子午線」にも「午」という字が使われています。

時刻を表す「正午」や、「午前」「午後」などにも……。

これを掘り下げていくと、なかなか面白い話が出てくるのです!

実は、これらの「午」という字が表しているのは、いずれも十二支の「午(うま)」なのです。

昔は、生活の中のあらゆるところに干支(えと)が使われていました。

例えば、時刻は1日24時間を2時間ずつに区切って
0時が「子(ね=ねずみ)の刻」
2時が「丑(うし)の刻」
という具合です。

方角にも十二支が使われていました。

1周360度を12等分すると30度になりますから、真北の方角を「子(ね)」として、時計回りに30度ずつ「丑(うし)」「寅(とら)」……となります。

そうなると、例えば北東という方角は真北から時計回りに45度の方角ですから、「丑(うし)」と「寅(とら)」のちょうど真ん中になりますね。

この方角は、「艮」という字を書いて「丑寅(うしとら)」と呼んでいました。

陰陽道では、鬼が出入りするのがこの「丑寅(うしとら)」の方角とされており、それを「鬼門」と呼んでいたのです。

だから、想像上の鬼は、牛の角が生え、虎のパンツをはいていたのです!

おに

では、時刻と方角を十二支の順にまとめてみますね。

干支 動物 時刻 方角
子(ね) ネズミ 0時 真北
丑(うし) ウシ 2時 北よりの北東
寅(とら) トラ 4時 東よりの北東
卯(う) ウサギ 6時 真東
辰(たつ) 龍(りゅう) 8時 東よりの南東
巳(み) ヘビ 10時 南よりの南東
午(うま) ウマ 12時 真南
未(ひつじ) ヒツジ 14時 南よりの南西
申(さる) サル 16時 西よしの南西
酉(とり) トリ 18時 真西
戌(いぬ) イヌ 20時 西よりの北西
亥(い) イノシシ 22時 北よりの北西

 

気が付きましたか?

真北を表すのが「子(ね)」で、真南を表すのが「午(うま)」なので、南北を結ぶ線――つまり経線のことを「子午線」と呼ぶのです!

そして、十二支は、日を表すのにも使われていました。

「土用の丑の日」などという言い方も、聞いたことがありますよね?

さあ、ここでようやく、本題の「端午」という言葉の意味に戻ってきます。

「端(はし)」というのは最初という意味で、「午(うま)」は「午の日」を表しています。

つまり、もともとは「毎月の最初の午の日」という意味でした。

しかし、「午(ご)」という音から、「五」に引っ掛けて特に5月の午の日を表すようになり、さらに五が重なる5月5日を「端午の節句」とするようになったのだそうです。

結構なダジャレだったわけですね。

理科ドクター