皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
本日、6/11は、「入梅(にゅうばい)」と言って、
季節を表す「雑節(ざっせつ=有名な二十四節気とは異なります)」では
梅雨入りをする頃ということになっています。
本当ですかね?
疑いつつも気象庁のデータを調べてみると、
関東甲信地方での梅雨入りは、平年で6月8日だそうです。
すごい!
かなり正確に季節を表しているということですね。
ちなみに、梅雨明けの平年は7月12日だそうですから、
ここから一ヶ月くらい梅雨の時期が続くことになります。
さて、せっかくなので、梅雨についていろいろと掘り下げてみましょう。
① そもそも「前線」ってナニ?
まずは、温かい空気(暖気)と冷たい空気(寒気)とが接している面を「前線面」と言います。
そして、その前線面が地面と接している線のことを「前線」と言うのです。
② 「梅雨前線」ってナニ?
前線には、大きく分けて4つの種類があります。
(1) 寒冷前線
冷たい空気(寒気)が、暖かい空気(暖気)の中に進んでくるときにできるのが寒冷前線です。
通過すると風向きが変わり、急激に気温が下がります。
また、積乱雲ができやすく、短時間に激しい雨が降ります。
(2) 温暖前線
温かい空気(暖気)が、冷たい空気(寒気)の中に進んでくるときにできるのが温暖前線です。
通過すると風向きが変わり、急激に気温が上がります。
また、乱層雲ができやすく、短時間に激しい雨が降ります。
(3) 閉塞前線
進むのが速い寒冷前線が、遅い温暖前線に追いついてしまったのが閉塞前線です。
暖かい空気(暖気)が上空に閉じ込められてしまったような形になり、
地表付近は冷たい空気(寒気)におおわれます。
(4) 停滞前線
北から下がってきた冷たい空気(寒気)と、南から上がってきた暖かい空気(暖気)が
ぶつかってできるのが停滞前線です。
名前の通り停滞しますので、なかなか動かず、長い期間雨が降り続くことになります。
おや? 梅雨前線がありませんでしたね。
実は、今回のテーマである「梅雨前線」や、秋の長雨をもたらす「秋雨前線」は、
分類としては(4)の「停滞前線」になります。
だから、1ヶ月もの長きにわたって、天気の悪い日が続くのですね。
ちなみに、梅雨前線も秋雨前線も、ぶつかっている空気のかたまり(気団)は、
どちらも「オホーツク海気団」と「小笠原気団」です。
時期が違うので名前も分けているのですね。
③ いつになったら梅雨が明けるの?
こうなったら梅雨入りで、こうなったら梅雨明け……という、明確な基準はないそうです。
ですから、気象庁からの発表も、「梅雨が明けたと思われる」というような、あいまいな表現になります。
過去には、梅雨明けがいつだったか特定できなかった年もありますし、
後から検証して梅雨明けの日付けが変更になったこともあります。
そんな様子ですからはっきりとは言えませんが、
夏になると小笠原気団(太平洋高気圧)が強くなってきますので、
寒気と暖気の境目である前線(前線面)をグッと北に押し上げます。
その状態が数日続いて安定するようであれば「梅雨明け」と判断されることになります。
温暖・湿潤な小笠原気団におおわれることになるので、
梅雨が明けると一気に夏モードになります。
梅雨が明ければすぐに夏期講習会の季節です。
受験生にとっては「天王山」と言われる夏休みですね。
待ち遠しいですか?