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投稿日:2018年10月22日

テーマ: 理科

台風を知ろう②――2019年度入試時事問題対策

皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。

季節としては、そろそろ台風も終わりに近づいてきていますが……
乗りかかった船ですから、前回に続いて台風の話をしていきますね。

時事問題対策になりますので、ぜひ最後までお付き合いください。

③ 時期によって台風が通りやすい「進路」

もちろん、一つ一つの台風の進路はバラバラです。
いつも決まっているなら、進路予想なんて必要ないですからね。

でも、時期によって、台風が通りやすい進路というのがあるのです。
次の図をご覧ください。

台風を知ろう②

これを見ると、日本に上陸しやすいのは6月と9月だということが分かりますね。
これは、日本の夏の天気を決めている「太平洋高気圧(小笠原気団)」の影響です。

6月はまだ、太平洋高気圧が発達していないため、
偏西風に乗った台風が日本に上陸しやすくなります。

一方、夏本番となる7月や8月は、日本全体を太平洋高気圧が覆っています。
そのため、台風は入ってくることができず、太平洋高気圧のふちに沿って回っていくのです。

そして、太平洋高気圧の勢力が弱まってくる9月になると、
ふちに沿って進むことで、ちょうど日本を通ることになります。

さらに、10月になると、太平洋高気圧が日本まで届かなくなってきています。
そのため、日本の手前でクルッと進路を変えているのです。

こうして見ていくと、今年話題になった「逆走台風」が
いかに特殊な例であったかが分かると思います。
何せ、東から西へと進んだのですから。

④ 危険半円

台風は低気圧が発達したものですから、地表付近では、
周囲から空気を吸い込み、上昇気流を発生させます。
この「周囲から空気を吸い込み」が問題で、真っ直ぐには入ってきません。
反時計回りに曲がりながら、中心付近で渦を巻くように風が吹きます。

このとき、台風自体も動いていますので、
台風の進行方向右側では、台風の動きと中心に吹き込む風の向きが同じになり、
より強い風が吹くようになるのです。

この台風の進行方向右側半分のことを「危険半円」と言います。
ぜひ覚えておいてください。

⑤ 熱帯低気圧と温帯低気圧

熱帯低気圧が発達して台風になることはご存知だと思います。
では、次第に勢力が弱まり、中心付近の最大風速が秒速17.2mを下回った時、
何と呼ばれるようになるかは分かりますか?

実は、その時の状況によって、「熱帯低気圧」に戻ったり、「温帯低気圧」に変わったりします。

では、熱帯低気圧と温帯低気圧って、何が違うのでしょうか?

一番わかりやすい違いは、前線を伴うかどうかです。
北の方から寒気を吸い込み、前線を伴うようになったのが温帯低気圧、
前線を伴わないのが熱帯低気圧ということになります。

入試ではそこまで聞かれないと思いますが、
天気予報を見るための予備知識として知っておいても良いでしょう。

理科ドクター