皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
先月に続いて、「リード文を読む」タイプの入試問題を掘り下げていきます。
「リード文問題」というのは、小学6年の受験生たちが知らないはずのことをリード文(説明文)で誘導し、
それについて答えさせる問題のことです。
さて、前回のブログで、リード文問題で求めている力を、大きく5つの力に分類してみました。
少しだけおさらいしてみましょう。
① 読解力……リード文に書いてある文章を正確に読み取る力
② 理解力……リード文から読み取った内容を正しく理解・想像する力
③ 活用力……文章中に示した知識を利用して問題を解く力
④ 連想力……文章から読み取ったことと、自分が持っている知識とを関連させる力
⑤ 考察力……与えられた情報から、物事の因果関係を論理的に考える力
原則的には、①<②<③<④<⑤と、番号が大きいほど高度な力が求められます。
リード文問題である限り、①「読解力」 と ②「理解力」 を使わないことはほとんどありませんが、
それ以外のどの力を求めているかを分析すると、学校が求めている生徒像が分かります。
今回は、女子難関校の傾向を見てみましょう。
【桜蔭中】
聞いている内容は、学校のレベルからするとそれほど難しいものではありませんが、
求めている力は⑤「考察力」です。
ただし、文章自体はさほど長くありませんので、同時に④「連想力」が必要なものも多いです。
【女子学院中】
あまり多くありませんし、リード文らしきものがあっても、ほとんどは知識を確かめている問題です。
求めている力は、しいて言えばデータを計算に使う形の③「活用力」や、
単純に知識を尋ねるレベルの④「連想力」ですが、各塾での通常の学習でも十分対応できるでしょう。
【雙葉中】
リード文はありますが、いくつかの単元から横断的に出題するために、
文章で単元をつないでいるだけのものもあります。
実際に、リード文を読まなければ答えられないような問題はそれほど多くありません。
求めている力については、主に④「連想力」でしょう。
【豊島岡女子中】
多くはありませんが、物理分野などのかなり難しいテーマが出題されることがあります。
求めている力としては、③「活用力」に一部⑤「考察力」が混ざる形です。
【浦和明の星女子】
特に生物分野を中心に、かなりハードな分析をさせる問題が出題されることがあります。
求めている力は⑤「考察力」ということになるでしょう。
場合によっては、男子校の過去問を使って練習をしておく必要があるかもしれません。
本当は共学校までまとめるつもりでしたが、稿が長くなってしまうので、共学校は次回としました。
楽しみにしていらした方には大変申し訳ありません。
次回をどうぞお楽しみに!