皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
ご存知の通り、社会的に大きな出来事があると、
それが入試問題に影響を及ぼすことがあります。
今年、一番大きな出来事と言えば……どう考えても「新型コロナウィルス」ですね。
もちろん、まだ半年も経っていませんから、
これからさらに大きな出来事が起こることだって考えられます。
しかし、多くの学校で、入試問題は夏休みまでに作られています。
その意味では、後半に起こる出来事は問題になりにくいのです。
そこで、今回のブログでは、
「新型コロナウィルス」が時事問題になるかどうかを考えてみたいと思います。
もちろん、いかに理科が好きでも、私は感染症の専門家ではありませんから、
新型コロナウィルスそのものについて語るつもりはありません。
中学受験の専門家として、中学受験に関係する可能性のあることを考えてみます。
➀ 過去の例に学ぶ ~ MERS
感染症学の専門家の方々が、今後の予測に使用しているデータを見ると、
100年も前に流行した「スペイン風邪」が引き合いに出されていることが多いようです。
しかし、残念ながら100年前では、中学受験の時事問題の参考にはなりません。
一番最近、世界的に流行した感染症と言えば、「MERS(マーズ・中東呼吸器症候群)」でしょう。
これも実は「コロナウィルス」の仲間で、2012年9月以降に発生が報告されています。
同じコロナウィルスであることも含め、大いに参考にしたいところではありますが……
先ほども触れたように、入試問題の多くは夏休みまでに作られています。
つまり、MERSの感染が広がり始めた頃には、すでに問題は作り終わってしまっていたのです。
しかも、日本では発生がありませんでした。
そのためか、世界的な発症のピークは2014年、お隣の韓国で流行したのが2015年でしたが、
私が2015~2016年度の問題を探した限りでは、入試での出題はありませんでした。
② 過去の例に学ぶ ~ SARS
語感が似ているので、大人でもMERSと混同しやすいのが
SARS(サーズ・重症急性呼吸器症候群)です。
アラビア半島を中心に発生したMERSとは異なり、
このSARSは中国を起源としている点で、今回の新型コロナと似ています。
そして、SARSもまた、当時としての「新型コロナウィルス」でした。
しかし、日本にとっては幸いなことに、やはり国内での感染者はありませんでした。
中国での発生確認が報告されたのが2002年11月でしたが、
翌2003年7月には、WHO(世界保健機関)から終息宣言が出されています。
当時でも、すでに10年以上、塾の講師をしていた私ですが、
正直なところ「時事問題になるかもしれない」とは思いませんでした。
それくらい、一般人にとっては「対岸の火事」だったのです。
ということで、書き始めたら止まらなくなってしまいました。
少し長くなってきましたので、気になる結論は次回の「Part.2」に回したいと思います。
次回作では、実際に入試問題で出された問題例も含めて結論を書きますので、
ぜひご期待ください。