皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
前回に続き、理科の計算問題のコツを伝授していきます。
今度のテーマは、苦手な人も多い「浮力の計算」です。
浮力の計算は、次のように4回に分けて紹介していきます。
ぜひ継続的にお読みください!
Part.2 浮力の計算(初級編)
Part.3 浮力の計算(中級編)
Part.4 浮力の計算(上級編)
今日はそのPart.1として、基礎知識の準備をしていきますよ!
浮力を理解するための基礎知識の準備
まずは、浮力の計算を理解するために知っておきたい基礎知識の確認です。
➀ 水の中に入っていなければ浮力は発生しない
② 浮力がはたらいても、重さがなくなるわけではない
(プールに入って体が軽く感じても、本当に体重が減っているわけではない)
③ 物体が動かない時は力がつり合っている
どれも重要なことばかりなのですが、こうして見ると当たり前に感じませんか?
そして、少し意外に思うかもしれませんが、
浮力の計算をするために覚えなければならない式は、たったの一つだけです。
それがこちら!
浮力(g)= 液体中の体積(㎤)× 液体の密度(g/㎤)
ここで登場する「密度」というのは、液体の「重さ」のようなもので、
液体1㎤の重さ(質量)が何gかで表します。
また、問題によっては「比重」という言葉で出てくる場合もあります。
(「密度」と「比重」は、厳密にいえば別物なのですが、
中学受験の理科の範囲では、同じものと考えて差し支えありません。)
水以外の液体が使われる場合には、密度の値が問題文に書かれていたり、
計算で求められるデータが示してあったりしますから、暗記する必要はありません。
そして、ほとんどの問題で使われている液体は「水」なのですが、
水の密度は1ですから、かけてもかけなくても数字が変わりません。
つまり、実際の問題ではほとんどの場合が
● 水中部分の体積が200㎤ → 浮力は200g
● 浮力が300gはたらいている → 水の中に300㎤入っている
というように、「水中部分の体積」と「浮力」は、単位が違うだけで同じ数字になります。
計算すら必要ないので簡単ですね!
もちろん、食塩水や油の中での浮力の場合には、
先ほどお伝えしたように密度や比重をかける必要があるのですが、
それは「上級編」でやっていきますので、
ひとまず「水中での浮力」の基本ができれば準備は完了です。
と、いうことで、今日はここまで。
次回は「初級編」として、この知識を実際の計算の中でどのように使うか見ていきます。
どうぞお楽しみに!