皆さんこんにちは。
受験ドクターの理科大好き講師、澤田重治です。
予告通り、今回は「浮力の計算(中級編)」をお届けします。
これまでの「基礎知識」「初級編」をまだ習得していない方は、
ぜひ、前のブログを確認してから読み進めてください!
念のため、重要な基礎知識だけおさらいしておくと、
② 浮力がはたらいても、重さがなくなるわけではない
③ 物体が動かない時は力がつり合っている
という3つのポイントがありましたね。
では、さっそく本編に入っていきましょう!
浮力の計算(中級編)
いきなりですが、まずはこんな例題を考えてみてください。
水の中に、体積200㎤、重さ150gの物体を入れたら、浮力は何gはたらくでしょうか?
「体積が200㎤だから200g!」 と答えたあなた—―
前回までの説明はよく理解できていますが、ちょっと待ってくださいね。
浮力は上向きにはたらく力です。
重さが150gしかない物体に、上向きの力が200gもはたらいてしまったら、
この物体は上に移動し続けていくことになりませんか?
そんなのはおかしいですよね。
ここで再び関わってくるのが、
基礎知識の1番「水の中に入っていなければ浮力は発生しない」です。
この物体がすべて水の中に入ると、浮力が200gはたらいてしまいますので、
150gしかない物体は上に移動します。つまり、浮いてくるのです。
そして、物体の一部が水面から出ると、水中部分の体積が減ることになります。
その分だけ浮力も小さくなり、やがて浮力と物体の重さがつり合うと止まります。
そう、基礎知識の3番「物体が動かない時は力がつり合っている」ですよね。
この物体の重さは150gですから、浮力も150gになったところでつり合います。
浮力が150gしかはたらかないということは、水中部分の体積が150㎤ということですから、
200㎤の物体のうち、150㎤が水中、残り50㎤が水面上に出たところで止まるのです。
つまり、「浮力が何gはたらくか?」という問いに対しては、150gというのが正解です。
お分かりいただけたでしょうか?
初級編よりは少し難しくなりましたが、それでも使っている基本は同じですよね?
だから、浮力は決して難しくないのです。
上級編になると、いよいよ水以外の液体による浮力が出てくるのですが、
それはまた、次の機会にしましょう。
次回もどうぞお楽しみに!